みなさんこんにちは
今回は『撒き餌』レンズです。
タイトルにもあるとおりのEF50mm F1.8 IIのことです。
なんでこれが撒き餌といわれるかというと
- 安い
- それなりによく写る
からですね。
では早速レビューしていきたいと思います。
目次
EF50mm F1.8 II
わずか130gという徹底した軽量・コンパクト化と高いコストパフォーマンスで、フットワークよく使える大口径・標準レンズです。リーズナブルな価格で単焦点ならではのボケやファインダーの明るさを実感することができます。5群6枚のオーソドックスなレンズ構成によるシャープかつクセのない自然な描写性能は、良好なカラーバランスと相まって、単焦点レンズの入門用として適しています。
引用:キヤノン
いわゆるダブルガウス型のオーソドックスなレンズで、素直な描写特性を持っています。
キヤノンのレンズの中では非常に古いレンズのひとつで、1990年に販売が開始されてから2015年にバトンタッチするまでの、実に25年間もの長きに渡ってキヤノン標準レンズの一画を担ってきた1本です。
このレンズ、めちゃめちゃ安かったんですよ。店頭の最安値で僕が見たことがあるのは8,700円くらいでした。15年くらい前だったと思いますが。たいてい10,000円を切る値段がつけられていたんですよね。
周りのキヤノンユーザーもみんな1本は持っているというレンズでした。
後継のレンズはEF50mm F1.8 STMです。
取り回し:★★★★☆
このレンズの特長は『軽い・コンパクト』であること。テレコン一個分ほどの大きさしかないので、どこにでも持って行けるのがメリットです。
フルサイズであれば日常用途に、APS-Cサイズであれば換算80mmのポートレートに向いています。難点は超音波モーターなどを搭載していないため、AFとMFの切り換えはスイッチで行う必要があるということくらいでしょうか。
表現性:★★★☆☆
絞り開放ではふんわり、絞ってキリッとというのがピッタリの描写です。
色味はあっさりとしたもので、クセがないといえばそのとおりですがLレンズのこってりとした色味とは程遠いです。
発色もニュートラルに近く、どんな被写体でも不向きということはないですね。
周辺減光は大きめで、これは前玉の大きさを見れば一目瞭然です。
下にサンプルを出しますが、F4まで絞れば解消します。画像はフルサイズでの状況ですので、APS-Cサイズのカメラではほぼ気にしなくていいですね。
絞りは5枚で、光源の形状が気になりやすいです。ただ、点光源の光芒は10条になる数少ないレンズです。完成をしっかりと予想して使えば表現に有利とも考えられます。(50mm STMは7枚絞り)
逆光にも弱く、全面にフレアが出やすいです。別売りですが、フードをしっかり使いましょう。
撮影した写真を一部公開します。色味などは操作していますが、トリミングは4:3に設定しただけです。上下は切れていません。ボディはEOS 5D Mark IIです。
機能性:★☆☆☆☆
このレンズは安いのがウリでして、何の機能もついてないんですね。超音波モーターは非搭載ですので、前述の通りMF時は切り替えスイッチの操作が必要です。また距離計も採用されておらず、ピントリングのトルクもスカスカ。実用上AF専用と割り切ったほうが無難です。
フィルター径は52mmですが、ピント合わせに伴って回転します。PLフィルターの使用にも向いていません。さらにはマウントもプラなので、いかに軽量化を狙ったかということでしょうね。
手ぶれ補正もありませんが、開放絞り値がキットレンズに比べると雲泥の差で明るいので、しっかり構えて撮れば手ブレは防ぎやすいです。参考として、Kissシリーズのキットレンズ(EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM)の50mm付近はおそらくF4.5くらいと考えられます。
- F4.5 1/60秒 = F1.8 1/400秒
ということですね。
また開放絞り値が小さいレンズのため、背景をぼかした描写が可能だというのは大きなポイントです。下記にF1.8、F4.5、F5.6と絞りを変えた写真を載せときますね。
絞ることでピント面も含めてシャープになります。ちょうどいいところを探せますね。
コストパフォーマンス:★★★★☆
安いけどしっかり写るので、お試しで1本買うにはおすすめです。
軽い(130g)から持ち歩くのにも邪魔になりませんし。
でもこのレンズ、安いけど高くなってるんですよ。なんなんですかね。中古も軒並み高騰してるし。
Amazonで確認したら、新品が14,000円でした。STMが14,180円なので、それならSTMの方をオススメします。
オススメ度:★★★☆☆
前述したとおり、新型のほうがオススメです。
最短撮影距離が10cm縮まって0.35mになり、それに伴い最大撮影倍率が0.21倍になりました。(F1.8 IIは0.15倍)
重量は30g増えましたが単三電池2本よりも小さいですから、実用上全く問題ないと思います。それよりもSTM採用でフルタイムマニュアルフォーカスができるようになったり、マウントが金属になって耐久性が増したことのほうが歓迎できます。
競合する製品
F1.8クラスのレンズは他にタムロンが出していますが、大きく重いレンズとなっています。代わりに手ぶれ補正・距離計も搭載されていますが。
そうなるとEF50mm F1.4 USM辺りも候補になってきて……とかなっちゃうので、ここはEF50mm F1.8 STMにしときましょう。予算とバッグ内のスペースがあるなら、タムロンもEF50mm F1.4もおすすめです。
まとめ(総合評価):★★★☆☆
安い価格が続いていれば、星があとひとつくらいは増えたんですけどね。
とはいえ、レンズ構成はIIもSTMも同一ですので、安い出物があれば迷わず手を出してもいいんじゃないでしょうか。
この製品は、いわゆる『レンズ沼』の入り口としても知られているレンズです。
沼の入り口、覗いてみませんか?けっこう楽しいかもしれませんよ……?
ではまた。