ミラーレスに立ちはだかる壁【レンズ問題(2)】

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みなさんこんにちは

前回はフルサイズミラーレスを展開する際に、キヤノンのEFマウントとソニーのEマウントでどの程度レンズリリースが行われたかを確認しました。

今回はレンズの大きさや、バランスなどを見ていきたいと思います。

前回の記事はこちら

ミラーレスに立ちはだかる壁【レンズ問題(1)】
みなさんこんにちは ミラーレスと一眼レフの違いを考えていくこのシリーズですが、ファインダー関連は一段落したのでここではレンズの...

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ミラーレスと一眼レフのレンズの大きさ

現在フルサイズミラーレスを展開しているのは、ソニーのみです。また、フルサイズ一眼レフはキヤノン・ニコン・ペンタックスが展開していますが、レンズの充実度でキヤノン・ニコンをモデルに選んでみたいと思います。

比較は同一焦点距離・開放絞り値のモデルのみで行いますので、該当レンズがない場合は掲載していません。

ズームレンズ

広角ズームレンズ
メーカー レンズ名 最大径x長さ 重量 希望価格(税別)
大口径
ソニー FE16-35mm F2.8 GM 88.5×121.6mm 680g 295,000円
キヤノン EF16-35mm F2.8L III USM 88.5×127.5mm 790g 299,000円
中口径
ソニー Vario-Tessar T* FE16-35mm F4 ZA OSS 78.0×98.5mm 518g 158,000円
キヤノン EF16-35mm F4L IS USM 82.6×112.8mm 615g 154,000円
ニコン AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 82.5×125.0mm 680g 160,000円

広角の場合、ズームレンジが同じものだとサイズ感もあまり変わらないですね。重量は軽い傾向にあるようです。

ソニーを基準として、F2.8だと重量比は1(ソニー):1.16(キヤノン)、F4だと1(ソニー):1.19(キヤノン):1.31(ニコン)です。

標準ズームレンズ
メーカー レンズ名 最大径x長さ 重量 希望価格(税別)
大口径
ソニー FE24-70mm F2.8 GM 87.6×136.0mm 886g 278,000円
キヤノン EF24-70mm F2.8L II USM 88.5×113.0mm 805g 230,000円
ニコン AF-S NIOOKR 24-70mm f/2.8E ED VR 88.0×154.5mm 1,070g 287,500円
中口径
ソニー
Vario-Tessar T* FE24-70mm F4 ZA OSS
73.0×94.5mm 426g 126,000円
キヤノン EF24-70mm F4L IS USM 83.4×93.0mm 600g 149,000円

標準もそれほど大きさは変わりがありません。大口径レンズに関していえば重量はキヤノン製のほうが軽いようですね。

こちらもソニーを基準として、F2.8だと重量比は1(ソニー):0.91(キヤノン):1.21(ニコン)で、F4は1(ソニー):1.41(キヤノン)です。

望遠ズームレンズ
メーカー レンズ名 最大径x長さ 重量 希望価格(税別)
大口径
ソニー FE70-200mm F2.8 GM OSS 88.0×200.0mm 1,480g 330,000円
キヤノン EF70-200mm F2.8L IS II USM 88.8×199.0mm 1,490g 300,000円
ニコン AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR 88.5×202.5mm 1,430g 332,500円
中口径
ソニー FE70-200mm F4 G OSS 80.0×175.0mm 840g 158,000円
キヤノン EF70-200mm F4L IS USM 76.0×172.0mm 760g 158,000円
ニコン AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 78.0×178.5mm 850g 195,000円

望遠ズームレンズになると、大きさ・重さともに大差なくなってしまいます。Mirror-less用レンズとはいえ、最小・最軽量という感じではないですね。

では単焦点レンズではどうでしょうか。

単焦点レンズ

ソニー最広角の単焦点レンズ28mm F2は同一クラスのレンズがないため、キヤノン・ニコンはF1.8のレンズを比較しています。

広角・準広角単焦点
メーカー レンズ名 最大径x長さ 重量 希望価格(税別)
広角
ソニー EF28mm F2 64.0×60.0mm 200g 65,000円
キヤノン EF28mm F1.8 USM 73.6×55.6mm 310g 74,500円
ニコン AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G 73.0×80.5mm 330g 92,500円
準広角
ソニー Distagon T* FE35mm F1.4 ZA 78.5×112.0mm 630g 220,000円
キヤノン EF35mm F1.4L II USM 80.4×105.5mm 760g 285,000円
ニコン AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G 83.0×89.5mm 600g 240,000円

28mmでは重量の軽さが目につきますが、サイズ感としては径がやや小さい程度でしょうか。長さは他社と比較してそれほどの差ではないですね。

重量比は大きく、1(ソニー):1.55(キヤノン):1.65(ニコン)です。

35mmも径の小ささもそれほどの差が出ず、重量も変わりません。

標準・中望遠単焦点
メーカー レンズ名 最大径x長さ 重量 希望価格(税別)
標準
ソニー Planar T* FE50mm F1.4 ZA 83.5×108.0mm 778g 190,000円
キヤノン EF50mm F1.4 USM 73.8×50.5mm 290g 55,500円
ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G 73.5×54.0mm 280g 65,000円
中望遠
ソニー FE85mm F1.8 78.0×82.0mm 371g 74,000円
キヤノン EF85mm F1.8 USM 75.0×71.5mm 425g 61,500円
ニコン AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G 80.0×73.0mm 350g 67,500円

ソニーのF1.4標準レンズは他社でいうところの大口径レンズに相当するクラスのようで、比較できないくらいの大きさでした。

中望遠は各社ともに近いクラスのようですが、重量・サイズともにミラーレス有利、という感じはありませんね。

また、ソニーEマウントレンズには望遠単焦点レンズはありません。最長で100mmですので、望遠での比較は行なえませんでした。

ここまで見て、ボディによらず、それほどレンズの大きさが変わらないことがわかりますね。

今のレンズは高性能化のために、大型化している傾向にあるため、ボディが軽量なミラーレスだからといってフルサイズでは重量的なメリットは薄いようです。

では、バランスの問題としてはどうでしょうか?

レンズバランス

では、ボディとレンズのバランスはどうでしょうか?

現実的には前玉の重さ、レンズの長さ、グリップの大きさや深さなど、色々な条件がありますが、今回は単純にボディとレンズの重さの比率で考えてみましょう。あまりにレンズが重たいと、持ち疲れしやすいのはみなさんご存知だと思いますので。

比較はフラッグシップ機(ソニーa9・キヤノン1DX2・ニコンD5)で比較してみます。

a9 (ボディ重量673g)
分類 レンズ名 レンズ重量 重量比
広角ズーム FE16-35mm F2.8 GM 680g 1:1.01
標準ズーム FE24-70mm F2.8 GM 886g 1:1.32
望遠ズーム FE70-200mm F2.8 GM OSS 1,480g 1:2.20
超望遠ズーム FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1,395g 1:2.07
1D X Mark II (ボディ重量1,530g)
分類 レンズ名 レンズ重量 重量比
広角ズーム EF16-35mm F2.8L III USM 790g 1:0.52
標準ズーム EF24-70mm F2.8L II USM 805g 1:0.53
望遠ズーム EF70-200mm F2.8L IS II USM 1,490g 1:0.97
超望遠ズーム EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM 1,570g 1:1.03
D5 (ボディ重量1,405g)
分類 レンズ名 レンズ重量 重量比
広角ズーム AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 970g 1:0.69
標準ズーム AF-S NIOOKR 24-70mm f/2.8E ED VR 1,070g 1:0.76
望遠ズーム AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR 1,430g 1:1.02
超望遠ズーム AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR 1,570g 1:1.12

ボディとレンズの重量バランスが近くなるのが、ミラーレスだと広角、一眼レフだと望遠域になっています。振り回すことを考えると、ある程度ボディ側にも重量があったほうが望ましいので、ミラーレスフルサイズに超望遠単焦点がないことは納得できる感じですね。

しかし、今後スポーツ撮影のフラッグシップクラスがミラーレス化するとしたら、ボディ側にもそれなりの重量が求められるということで、バッテリーがみっちり詰まったバッテリーグリップなんていうものが登場するのでしょうか。

まとめ

フルサイズ一眼レフのサブとしてミラーレスを併用している、という人は多いのではないでしょうか。レンズの充実度もそうですが、ミラーレスで撮影しやすい焦点距離としては広角に近いというのが今回の重量比較で確認できました。

一枚あたりのピント精度はともかく、動きもののピント合わせなどはまだまだ一眼レフのほうが優位ともいわれています。現在は望遠=一眼レフ、広角=ミラーレスという使い分けが成立していたとしても、今後はどうなるんでしょうね。

スポーツ・報道などの業務用機=一眼レフなんていう図式になるんでしょうか。それとも一眼レフは駆逐されてしまうのでしょうか。

次回は大きさの関連で、拡張性なんか考えてみたいと思います。

ではまた。

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