撮像素子の仕組み

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イメージセンサのイメージ

みなさんこんにちは

前回は三原色とは何か、ということをざっくり説明しました。

今回は光の三原色を活用していて、かつカメラマンに身近な撮像素子のお話をしましょうか。とはいいつつも、半導体の専門家でもありませんし、いつものように浅い浅いお話ですが。

誤りを見つけた方は、優しく指摘してくださいね……

毎度のことですが、図はイメージです。きっちりした内容を描くほどの技術は持ち合わせておりませんで。

前回の記事はこちら

三原色ってなんだ
みなさんこんにちは 前回は曲がるディスプレイの話しをしてきましたが、今回はディスプレイで色を表示する仕組みです。 ざっく...

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撮像素子とは

撮像素子というのは、フイルムの代わりに光を捉え、データにしてくれるもののことです。

撮像素子という呼び方の他に、イメージセンサなどとも呼ばれ、その種類には大きく2つあります。

基本的な考えかた

イメージセンサのイメージ以下はざっくりした説明です。

レンズを通ってきた光をカラーフィルタで分離し、それぞれの色を認識する仕組みを取っています。光は電気信号に変換されたあと、画像処理エンジンへ送られます。

今回のポイントは、大きく2つ。

ひとつは画像処理エンジンに送るまでの仕組み。もうひとつはカラーフィルタの使い方です。

おいおい説明していきましょう。

CMOSイメージセンサ

2019年現在、写真用デジタルカメラのイメージセンサとしては、最も身近なものだと考えられます。

スマホからデジカメまで幅広く採用されているため、名前くらいは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

光を送る仕組み

CMOSイメージセンサの信号処理カラーフィルタを通った光は受光部で受け止められます。ここで電気信号に変えられるわけですが、1画素あたりの面積は非常に小さい。

つまり、光としては弱いわけです。

そこで画素ごとにアンプを用意し、電気信号を増幅します。増幅された信号は、画素のラインごとに順々に読み込まれていきます。ちょうどFAXのようなイメージですが、FAX……の方がわかんない気もしますね……。

ともかく、並び順に増幅した信号を送っていくわけです。

メリットとしては、周辺回路まで含めたオンチップ化で小型化できること、また増幅を画素ごとに行うため動作の高速化が挙げられます。また、消費電力が少ないといった特徴もあります。

どこで使われているか

小型で少消費電力のため、スマホやデジカメなどの持ち運ぶ機器で多く採用されています。

ローリングシャッター現象とグローバルシャッターとは

まずはローリングシャッター現象とは何かを確認しましょう。

CMOSイメージセンサでは、画素をラインごとに読み込んでいく(前出の図参照)ため、最初に読み込まれたラインと最後に読み込まれたラインに時間差が生じます。

ローリングシャッター歪みのイメージすると、出来上がった写真では被写体が変形したかのような状態になります。これがローリングシャッター現象。右図のような感じですね。

特に速度が早く、直線で構成された被写体(鉄道とか)で目立ってしまいます。これでは困るのです。

ではどうするかというと、イメージセンサが読み込み終わるまで光を遮ればいいんですね。デジタル一眼レフが機械式シャッター幕を採用しているのには、そのへんにも理由があります。

ただし困ったことに、ミラーレス一眼やコンパクトデジカメなどにはミラーがないため、基本的にシャッター幕を設置することが困難です。シャッター幕でイメージセンサを遮れば、ファインダーは何も見えなくなってしまいます。スマホなんかは組み込む場所すらありませんし。

そこで必要とされる技術が、グローバルシャッターです。

各画素で露光された情報を一括で保存することで、ローリングシャッター現象が発生しないようにする技術です。そもそものCMOSイメージセンサが順次読み込みのため、非常に難しいようですが、産業用カメラなどでは実用化が進んでいますので、いずれは高画素のミラーレスにも採用されるのではないかと思います。

むしろ、そうなってから初めてミラーレスの優位性が確立されるのではないかとも思っています。あくまでも個人的にですが。

裏面照射型CMOSイメージセンサ

CMOSイメージセンサと聞けば、思い浮かぶ方が多い(かも)なのが、裏面照射型CMOSセンサですよね。

何が違うのか

CMOSイメージセンサの構造右の図で示したとおり、CMOSイメージセンサは構造上、基盤の上に配線が載る構造を取っています。このため、マイクロレンズ(オンチップレンズ)で集約された光がフォトダイオード(光を電流に変換する部分)に当たる前に、配線部分で弾かれてしまうことになってしまいます。

取り入れた光が少なくなってしまうんですね。

大変もったいない気がしますが、技術的にはこのような形になってしまうそうです。

裏面照射型CMOSセンサの構造光が減るというのはもったいないので、フォトダイオードを配線の上に持ってくる(基板の裏から露光する)ように構造を変更したのが、裏面照射型CMOSセンサです。

配線層を直進する光の量が増えるのはもちろんのこと、通路が短くて済むため、斜めからの光も取り込みやすく、感度の向上に効果が高くなります。暗いところでもノイズの少ない写真が撮りやすくなるんです。

もちろんデメリットもあり、基盤層が薄くなること(ひっくり返しているので、フォトダイオードに対して露光させるため、基盤を薄くする必要がある)などから、熱対策が厳しくなる(熱がこもりやすい構造となるため熱ノイズが増えやすい)や、価格が高くなりやすいなどもありますが、かなり改善してきたようです。

CCDイメージセンサ

近年でこそCMOSイメージセンサがデジタルカメラの主流となっていますが、デジタルカメラといえばCCDイメージセンサという時代もありました。

光を送る仕組み

CCDイメージセンサの信号処理レンズを通った光はカラーフィルターで分離され、受光部で電気信号に変換されます。基本的な動作はCMOSイメージセンサと同じですね。

ここからが異なる部分です。

電気信号はバケツリレーのように画素間を移動し、集められます。そして、一括してアンプで増幅され、画像処理エンジンに送られます。

メリットとして、原理的にローリングシャッター現象が起きないこと、構造上画素の開口部が大きく取れることから暗所に強いことなどが挙げられます。

対するデメリットですが、消費電力が大きいことや構造上コストが高いことなどです。

どこで使われているか

監視カメラ、胃カメラなどで採用されています。ざっくりと暗所撮影が重要視され、電源が潤沢に供給できる環境ではCCDイメージセンサの方が採用しやすいといえるでしょう。

Foveonイメージセンサ

Foveonイメージセンサというのは、CMOSイメージセンサの一種です。が、違いがあるので図で見てみましょう。

何が違うのか

FOVEONセンサの色分離イメージ前出の通り、一般的なCMOSイメージセンサでは、ベイヤー配列と呼ばれるものを採用しています。1つの画素では1つの色、ということですね。

ところがFoveonイメージセンサでは、1つの画素で3つの色を捉えることができるようになっているのです。

第一層ではRGB全て、第二層ではRG、最下層ではRの色を検知します。つまり第二層のRGから、最下層のRを引くとGの値が得られます。同様にRGを引くと第一層のBの値が得られる、ということです。

最も大きなメリットとしては、原理的には偽色が発生しないということかな、と。

デメリットとしては、色分離にカラーフィルタを使用していない(シリコン層によって分離)ため、特に低照度時の色再現性に難が出やすいといった点が挙げられます。

条件が揃いさえすればとても優秀なイメージセンサだということですね。

配列のあれこれ

ベイヤー

ベイヤー配列図のような配列がベイヤー配列です。RGBそれぞれの画素を市松模様のように並べます。

それぞれの色が同じ光(Rなら赤の光)を感知します。そうすると赤い花を撮影した際、緑や青の画素は赤を認識しませんので、周囲の画素から推測して補完する必要があります。これがいわゆる現像処理(の一部)に当たります。現像ソフトやカメラごとに仕上がりが異なってくるのはこの辺にも理由があるんですね。

緑が多いですが、これは人の目が緑をよく感じるため、見かけ上の解像度を高める工夫です。

ほとんどのカメラはこのベイヤー配列を採用しています。

スーパーCCDハニカム

富士フイルムが採用する配列です。が、今は採用機種ないんじゃないかな?ユニークなので取り上げます。

スーパーCCDハニカムの配列ベイヤーイメージセンサでは、ほとんどの場合画素は四角です。これを八角形にし、45度傾けたのがスーパーCCDハニカムです。

こうすることにより、画素補完のための推測距離が短くなり、より正確な補完が可能になります。理論上は実効画素数の2倍程度の有効画素数が得られるそうです。

また円形(集光レンズ)に近い八角形を採用することで、画素ごとの開口率を上げ、より高感度に強いイメージセンサとすることができます。

メリットばかりのようですが、高コストでかつ計算が複雑化する、専用の現像システムが必用、といったようなデメリットもあり、またCCDイメージセンサを使用していたため、現在での採用はほとんどなさそうです。

X-trans

こちらも富士フイルムが採用する配列です。

X-Trtansの配列従来の配列では周期的に同じ画素が並ぶため、被写体によっては偽色やモアレ、解像感の低下が発生する可能性があります。

そこでベイヤー配列の2×2の周期から6×6でかつ、非周期的に配列できるようにしたのがX-transイメージセンサです。ランダム性を高めたということ。

センサそのものはCMOSイメージセンサなので補完処理は発生しますが、偽色やモアレの発生を抑え、解像感を高めることができるそうです。

まとめ

これらを知って何が変わるってわけではないですが、特性があることを逆手に取った作品も可能です。

例えば意図しないローリングシャッター現象はデメリットですが、歪みを意図的に発生させることで、作品に特徴もつけたりすることもできるわけです。

また古いデジタルカメラの色合いが好きだとか、自分の好みのパターンを見つけるのにも役立つかもしれません。

仕組みの話を数回に分けて書いてきましたが、とりあえずこのへんでやめとこうかな。実はあんまり読まれてないんです、この手の記事。

リクエストあったらまたやりますね。なくてもやりそうだけど。

ではまた。

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