1200mmはどこへいったのか

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みなさんこんにちは

今回はちょっとした雑談です。

超望遠レンズ、憧れますか?

僕も超望遠レンズの持つ魅力があり、検討し、実際に購入したことがあります。

超望遠レンズが欲しい!
みなさんこんにちは すみません、公開しているつもりで公開してませんでした……。 先に公開していますが、この記事の後の内容...

そもそも超望遠レンズってなんでしょうか。

焦点距離が400mm以上のレンズは、望遠レンズの特性がきわめて強くなり、「超望遠レンズ」と分類される。

引用:Wikipedia『望遠レンズ

ここでいう望遠レンズの特性というのは以下の4点のようです。

  • 切り取り効果
  • 圧縮効果
  • 被写界深度が浅い
  • ブレに弱い

400mm+x1.4テレコン

以前僕は、2点目に挙げられた『圧縮効果』を狙って超望遠レンズを検討することにしました。

とはいえ、一般的には1点目の『切り取り効果』が望遠レンズの購入目的ではないでしょうか。例えば運動会やスポーツです。

ではどのシーンでどのくらいの超望遠レンズが必要なんでしょうか?

かつて存在したレンズに『EF1200mm F5.6L USM』というレンズがありました。前身は『FD1200mm F5.6L』です。FDのレンズは一般ユーザーが買うことができなかったんですね。なぜでしょうか。

理由は報道ユーザーのためのレンズだったからです。

『EF1200mm F5.6L USM』の説明に以下の文があります。

(前略)野球場のバックスクリーンからバッターの姿を画面一杯に撮影可能なことから、特ににフィールドスポーツでの取材に新しい境地を開いた。(後略)

引用:キヤノンカメラミュージアム『EF1200mm F5.6L USM

1200mmの画角は約1.15°です。これは人物を撮影する時に100mm離れて横位置で画面いっぱいに写る計算なんですね。ちなみに野球場のセンタースクリーンとホームベースまでの距離はバラツキがあるものの120m程度。

この機材を必要としているのは報道だったというわけです。

1千万円近い本体価格も一般ユーザーには縁遠い価格です。

400mm

ちなみにFDレンズで登場した1200mmですが、ニコンも1979年に『Ai Nikkor ED 1200mm F11』というレンズをリリースしています。その後1990年に『Ai Zoom Nikkor ED 1200-1700mm F5.6-8P』というレンズを登場させています。

この1700mmというのは縦位置でバッターを撮影するときの画角、というわけです。

ニコンはAF用1200mmのレンズをリリースしませんでしたが、理由はいくつか考えられます。

1200-1700mmのリリース直後(1993年)にキヤノンがAFのEF1200mmを出しましたが、当時は開放絞りF8で動作するAF機構はキヤノン・ニコン共に搭載されておらず、1200-1700mmのAFレンズが作れなかったこと。

ニコンF4シリーズで1200-1700mmのレンズがマニュアル専用ながら使えたこと。

このニコンF4はマニュアルフォーカスも容易だったことなどです。

もちろん他にもたくさん理由はあるのでしょうけど。

ではこのレンズたち、今はどうなっているのでしょうか。

実はいずれも購入することはできません。

価格.comにこんなスレッドが立っていました。(2005/01/11 15:05のスレッド)

タイトル:消えた…
このまえ、EFレンズのカタログをみていたらこのレンズがなくなっているのに気づきました。
調べると、2004年9月現在、というカタログにはしっかり載っているのですが、2004年11月現在というカタログにはスペック表にものっていませんでした。(後略)

引用:価格.com『EF1200mm F5.6L USM

この時、まだホームページには載っていたということですが、ほぼこの時期に消えたと見ていいでしょう。そもそも受注生産のレンズですから、あまり話題にも上らなかったでしょうし。

ではこの時期に何があったのか。

実はキヤノンのデジタル一眼レフボディが大きく進化した時期なんですね。

2001年にEOS-1D(415万画素)が、2004年にEOS-1D Mark II(820万画素)が登場します。これらはAPS-HサイズのCMOSセンサーを搭載しており、焦点距離はフルサイズ換算で約1.3倍になります。

1200mmのレンズがなくとも、800mmのレンズが1040mm相当で使えるようになりました。また2009年には、APS-CサイズのフラッグシップEOS 7D(1800万画素)が登場します。これはフルサイズ換算約1.6倍ですから1280mm。もちろんデジタル画像ですからトリミングも容易です。400万画素もあればLサイズプリント画質には十分ですから、新聞掲載の画質に関してはもういわずもがな。

結果的にデジタル化が超望遠レンズを殺したのです。

400万画素のデータは、2550×1700ドットです。EOS 5D Mark IVが6720×4480ドットなので、辺の比で約2.6倍程度の大きさがあります。

1200mmなんてレンズ、もう必要がなくなってしまったんですね……。

600mm

では超々望遠レンズは絶滅したかというと、そんなことはありません。

ご存知キヤノン・ニコンが発売する800mm F5.6もありますし、特殊用途の世界ではもっともっと長焦点のレンズも(5200mmなどというレンズも!)あります。

しかし、画素数がどんどんと増えていくことで、超望遠レンズは必要なくなる時が来てしまうのかもしれません。

遠くのものをもっと近くで見たい、大きく写したいという欲求は撮影をしている人なら必ず感じることですが、それ以上に見たこともない世界を・表現をという欲望は尽きないはずです。

そんなとき、超望遠レンズたちはどんな姿で、表現で僕達を受け入れてくれるのか楽しみでなりません。

それまで、今ある超望遠レンズたちは圧倒的な圧縮感でどんな作品を作り出していくんでしょうか。

ではまた。

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コメント

  1. 匿名 より:

    大阪芸大と個人、朝日新聞、あとどこかの会社と聞きました