みなさんこんにちは
先日お伝えしていた小友祇園祭にいってきましたのでご報告。
距離感の近さを感じられるお祭りでしたよ。
小友祇園祭
祭りの詳細は前回の記事を参考にしていただければいいと思います。
祭りの由来だけ簡単にお伝えしておきますね。といっても、引用ですけど。
この祭りは、万治元年(1658年)に流行したコレラの悪疫退散を祈願して、笠竹に御幣(ごへい)をつけ地区内を練り廻ったものが現在の祗園(ぎおん)山笠になったと伝えられています。
引用:唐津市ホームページ
この祭りに限らず、悪疫退散(流行病の沈静化祈願)が発端になっていることが多いんですよね。祈祷なんかによって病を治そうとしていた名残、というわけです。
だからこそ前回の祭りの紹介にあったように、三社が絡むような祭り形態になっている、ということでもあるんでしょう。
そうやって考えると、西洋医術の普及したこの時代において今後こういった祭りが生まれることはないということなんでしょうね……。
撮影記
小友地区に到着すると、すでに神事が始まっていました。ギリギリセーフ!いやアウトか?
山笠の運行に間に合ったわけなので、セーフということにしましょう。
『アーサッサ』という掛け声と、鉦・太鼓のお囃子で運行開始です。
特徴的なのがその舁き始め。山笠を大きく前後に振り、勢いをつけて舁き出します。バレンと呼ばれる飾りがゆらゆらと揺れて、迫力はあるのにどこかゆとりが感じられる舁き出しになっています。
山笠の運行は細い通りが半分を占めています。比喩ではなく山笠の一部を家々にこすりながら運行していきます。バレンの飾り花(?)が風に舞う姿も美しい。一度八坂神社に向かい、その後海岸へ向かいます。
海岸には、波消しのためか船が数珠つなぎにされています。この船にも山笠を支える綱を持った人が乗り込み、海側からのバランスを取っています。
海岸線に到着したのが13時頃。ずいぶん早く到着したものです。観光協会の人は14時頃から始まると言っていたのに。同時に、早めに始まることが多いとも言っていましたが。
本日の干潮時刻は14:17です。その時間まで待機なんでしょう。舁き手が肩まで海に浸かってたゆたっています。待機時間が長くなりそうだったので、近くの法被姿のゴツそうなお父さんに話しを色々聞かせていただきました。海で焼けたのか、話を聞くみなさんの声が渋くしゃがれていました。海の男みたいでかっこいい。いや実際海の男なんでしょうけど。
覚え書きとして箇条書きにまとめておきます。ちょっと量が多いので、読み飛ばしても結構ですよ。
- 祭りは女人禁制で、昔はバランス取りの綱を女性がまたぐだけですごく怒られていた。
- 人が少なくなってしまって、若手を含めた舁き手の確保が難しい(担いでいいよと実際誘われました)
- 今後の舁き手の確保も大変。地区には子どもが5人くらいしかいない(?)(片手を広げられてので、おそらくそうかなと)
- 子供山笠(こちらは曳山)は中学生くらいまで。女の子は中学生になる頃には恥じらいがでるからか舁かなくなる。大人用の舁き山には高校を出る頃から参加できるようになる。
- 海を渡り、海岸から道路に上がる坂道を一気に駆け上がるところがハイライト(今回は風のためありませんでした)
- かつては海を渡るようなことはなかった。祭り用(?)の通路を設置してからのこと。
- 干潮時刻に併せて海に入るが、タイミングは経験で決める。そのために舁き手は海に浸かっている。
- 潮の引きが悪いと担ぐための棒に肩が当たらなくなる(足が埋まる)ため、山笠が入れない。
- 風が強いと山笠が倒れるため、危険。海中で倒れたことはないが(そういうときは、そもそも海に入らない)、過去に家に向かって倒れたことがある。
- その時は雨も降って風もあり、寒く感じる日だった。
- 家に倒れ込む場合は、家そのものが山笠を支えてくれるため、それほど大ごとになりにくい(らしい)。
- 保存会という法被の人は、祭りの保存ではなく山笠そのものの保存を行う人たちのこと。
- 毎年設置にかかる費用は70万円超。地区の世帯が70世帯程度しかなく、費用負担が大きい。(普段の費用、とのことなので骨組みなどの設置費用なんだと思われます)
- 骨組みは1週間くらい前に設置するが、飾り付けは町内総動員で一日で組み上げる(世帯から一人以上出すそうです)
- 山笠の最後に八坂神社で神降ろしをすると、山笠が重くなって担げなくなる。そのため、その日の運行はそこまでになる。
最後の神様が乗り込むことによって重くなる、というのはみんな疲れちゃうってことなんだよなと言って笑ったおじさまの笑顔が素敵でした……。
そして干潮時刻が近くなりましたが、山笠が動きません……。
どうしたことかと見ていると、風が強く海に入らないことに決めたとか、山笠が上がってくるところを待ち構えていたので、慌てて山笠の側まで走ります。
台風が近づいていましたし、仕方ないですが残念です。
その後は八坂神社まで再度運行し、御幣が取り付けられ神降ろしが行われます。
いつの間にか他のカメラマンはすっかりいなくなってしまいました。神事だけだと画にならないということでしょうか。
その後、解散。明日は4時から集合と声掛けが行われていて、朝山を行うとのこと。
僕は明日は別件が控えていたため、舁き手のおじさんに朝山も誘われましたがここで撮影終了です。
まとめ
初めて行きましたが、迫力もあり人情もありで楽しい撮影でした。
日田祇園山笠もそうですが、こういった大きな大きな山笠が運行されるのを間近で見られるのはいいですね。特にこの小友祇園に関しては海沿いの町ということもあり、潮風を感じるお祭りに仕上がっていました。
あのお囃子と掛け声をまた来年も楽しみにしたいですね。行けるかな。
ではまた。