みなさんこんにちは
ペンタプリズムって聞いたことありますか?
『高級なカメラはペンタプリズム』なんて聞いた人がいるかもしれません。僕は写真を始めた頃にそう教わりました。
今回はペンタプリズムについてまとめてみたいと思います。
ペンタプリズム
現在の一眼レフカメラのペンタ部には大きく2種類の構造が採用されています。
ペンタ部の構造
一眼レフの頭の『でっぱり』のことを、ペンタ部と呼んでいます。ペンタプリズムが格納されている部位、ということですね。
プリズムという名の通り、古くは高品質なガラスや水晶を用いていました。現在でも採用しているカメラがあります。では、そうでないカメラは何を使用しているのでしょうか。
答えは、『鏡』です。
ペンタミラーや、ペンタダハミラーなどと呼ばれたりしています。
画像をWikipediaからお借りしてきました。レンズによって集約された像は、ミラーに反射し、このようなプリズム内の経路を通ってファインダーで見ることができます。
この反射をプリズムが担うのか、ミラーが担うのかの違いだけです。
メリット・デメリットについて簡単にまとめておきましょう。
ペンタプリズムとペンタミラーのメリット・デメリット
一覧にまとめてみました。
思いついた順で書いてみたので、他にもあると思いますが不足はご容赦ください。
ペンタプリズム | ペンタミラー | ||
---|---|---|---|
メリット | 画像が明るい | 光路が長いため、画像が暗くなりやすい | デメリット |
メリット | 一体の部品のため、光軸ズレが生じにくい | 複数の部品で構成されるため、光軸ズレが生じやすい | デメリット |
メリット | 精度が要求されるため、ファインダー像の劣化が少ない | 蒸着ミラーなどを使用しているため、画像に劣化が生じる | デメリット |
メリット | ファインダー倍率を大きく取りやすい | 光路が長いため、被写体が小さく見える | デメリット |
デメリット | 精度が要求されるため、高価 | ミラーを使用しているため、比較的安価 | メリット |
デメリット | ガラスを使用しているため、重い | 中空構造のため、軽い | メリット |
ペンタプリズムのデメリットは高価で重いこと。その他はメリットのほうが大きいですね。ただ、軽くて安く仕上げる必要があるエントリー機に向いているメリットではありませんね。
また、エントリー機のユーザーがMFでの撮影を多用することは想定しづらく、AFでのピント合わせが中心ならペンタミラーでも問題がないわけです。
参考として、キヤノンとニコンのフラッグシップ機とエントリーモデルのプリズムに関する記述をスペック表から拾ってきました。
確かに、上の2つ(フラッグシップ機)はペンタプリズムで、下の2つ(エントリー機)はペンタミラーですね。
まとめ
ファインダーの見え具合やMFのピント合わせなどには、様々な要因がありますが、このペンタ部にも秘密があったんですね。
自分が次のカメラを買う時に、MFが多いようならペンタプリズムを選ぶ、なんていう考え方も出来るわけです。
ただ、最近はミラーレスカメラも多くなり、そもそもペンタプリズムを持たないカメラが増えてきました。電子ファインダーが格納されているあの場所は、いつか『ペンタ部』とは呼ばれなくなるのでしょうか。
ではまた。