みなさんこんにちは
レンズのレビュー、今回は魚眼レンズです。
魚眼レンズ、気にはなるけど買うのはちょっと……ではないでしょうか?面白いレンズですけどね。
目次
EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
最短撮影距離0.15m。3つの異なる撮像素子で本格的な魚眼効果(フルサイズでは全周魚眼と対角線魚眼。APS-C/Hサイズでは対角線魚眼)を実現した世界初のフィッシュアイレンズです。UDレンズと高精度GMo非球面レンズの採用により、Lレンズにふさわしい高解像・高コントラストな高画質を実現。高い防塵・防滴性能と耐久性を持ち合わせています。
引用:キヤノン
僕の知っている中では現在も唯一、円周魚眼~対角線魚眼をカバーすることができる魚眼ズームレンズです。以前キヤノンは対角線魚眼の15mmフィッシュアイをリリースしていましたが、このレンズに切り換えとなったんですね。
所有レンズとしては初めての魚眼レンズですが、写真を始めた頃にニコンの魚眼レンズ(対角線魚眼)を借りて使うことがあり、導入に関しての精神的ハードルは割と低かったです。
円周魚眼を使うことがあるのか悩みましたが、両方使えるし、まあいいかという程度の認識でした。星景写真などで使うこともできるので、あってよかったんでしょう。もっとも円周魚眼としてはあまり使っていませんが。
魚眼レンズと広角レンズの違いについては以下の記事にまとめています。
取り回し:★★★★☆
魚眼レンズなので、当然ねじ込み式フィルターも角型フィルターも使用できません。
ゼラチンフィルターホルダーを後部に備えていますので、ND系やCC系のフィルターは使用できます。NDは露光調整、CC系は色温度調整において有効ですので、使えるのはありがたいですね。
その他、レンズキャップがやや外れやすいことは事前に知っておいてもいいかもしれませんね。レンズキャップはかぶせ式でフードに固定するんですが、これが外れてしまうことがあります。
前玉が張り出している関係上、かぶせ式レンズキャップの外周がが一番外側に出てしまうので、ひっかかって外れてしまうんですね。いくつか加工する方法もありますが、出し入れ時に意識するようにしておいたほうがいいでしょう。気付かずに前玉を触ってしまう可能性があります。
といっても、超広角レンズや魚眼レンズはたいていかぶせ式キャップなので、このレンズだけの話でもありません。咬み込みはむしろしっかりしてる方だと思います。
レンズフードはロックスイッチ付きで、ずれたりすることはありません。円周魚眼で撮影するときはフードの取り外しが必要です。前玉が完全にむき出しになるので、撮影後は速やかにキャップをしましょう。
取り回し性というか、2in1といえるこのレンズをどう判断するかがこのレンズの評価を大きく変えるのではないかなと思います。魚眼レンズにしては鏡筒が長いので、足や腕が映り込むことが少ないと思いますから、その点はプラス評価でしょう。反面、単焦点の魚眼に比べると全体的に大きなレンズです。
メーカー | 製品名 | 大きさ | 重さ |
---|---|---|---|
キヤノン | EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM | Φ78.5×83.0mm | 540g |
ニコン | AI AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D | Φ63.0×57.0mm | 290g |
ソニー | 16mm F2.8 Fisheye | Φ75.0×66.5mm | 400g |
シグマ | 8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE | Φ73.5×68.6mm | 400g |
15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE | Φ73.5×65.0mm | 370g |
鏡筒の長さ・重さをどう見るか次第ですが、重量はニコンのレンズのおよそ2倍・長さも平均的に約20mm程度は大きいレンズです。決して携帯性がいいレンズではないでしょう。2本持ち歩くよりはコンパクトですけどね。
とはいえ、特に大型のレンズでもありませんし神経質になる必要はないかな。
表現性:★★★★★
まず単純にこのレンズ(魚眼)でないと写らないものがあるという点で、表現性を問うのはどうかなと思うんですが。
描写性能という観点からいけば、充分な性能を持っています。流石に周辺部(本当に端の方)などを見ると、色収差なども出てきますが、焦点距離や画角を考えると充分以上の描写といって差し支えないと思います。
発売年度も魚眼レンズとしては新しいので、その意味でも描写は安心できますね。
色ノリはさすがLレンズといっていいんじゃないでしょうか。コントラストは高めですが、飽和するような色合いでもありません。SWCというコーティングが施されていて、周辺部のフレアやゴーストにも比較的強いですね。
対角線魚眼では一応フードが使えますが、180°の画角ですのでほとんど用をなしていません。ぶつけたりする可能性を下げるためには有効でしょうけれど。
完全に順光の状態でなければ、ほとんどのシーンで斜光にさらされるレンズですが、盛大にフレアが出る、ということもなく逆光でも安心して使うことができるレンズです。
逆光時のパープルフリンジ(被写体の周囲に青~紫色の輪郭線が出る現象)もよく押さえられています。それでも出るときにはしっかり出ます。
純正の現像ソフト(DPP)で補正も簡単にできるため、超広角レンズの代わりに使用することも可能です。補正が入りますから緊急用と割り切ったほうが精神的にはいいと思いますが、充分実用的な画像が得られます。
- 対角線魚眼での撮影。元データ
- DPPで『距離を重視』の補正
- DPPで『周辺部を重視』の補正
- DPPで『中心部を重視』の補正
- DPPで『直線を重視』の補正
- 広角レンズでの撮影
『直線を重視』にしておくと、ずいぶん広角レンズっぽくなりますね。パースの付き方が違うのは、広角レンズと魚眼レンズの設計の違いによるものだと思われます。難しいことは抜きにして考えましょう。
機能性:★★★★☆
手ぶれ補正(IS)はついていません。
画角の関係上、後継が出たとしても恐らくつくことはないと考えられます。さすがに魚眼レンズへの手ぶれ補正搭載を望む声は多くはないと思いますが。ブレが気になる場合は、昨今の高感度向上を活かして乗りきるのがいいのかな。
駆動モーターには超音波モーター(USM)を採用しています。
魚眼や超広角レンズは被写界深度が深いため、微調整時などにモーターがギシギシ動く音が気になる場合もありますが、その心配は不要です。とても静かなピント合わせが可能です。ピント精度も充分ですね。
遠距離ならF8まで絞り込めばほぼパンフォーカスで撮影できるので、目測+MFでもいいと思います。近距離でも合焦速度は早いです。
画角の固定用にズームロックスイッチがついているのと、焦点距離指標にCとHの記載があります。ズームロックスイッチは10-15mmに焦点距離があるときに設定できて、10mm以上広角にならないようになっています。この10mmというのは、APS-Cフォーマットの時に対角線魚眼となる焦点距離です。
クリックストップは搭載されておらず、このロックスイッチだけが焦点距離を固定できる機構です。個人的には8mm(フルサイズ時円周魚眼)、10mm(APS-C時対角線魚眼)12mm(APS-H時対角線魚眼)15mm(フルサイズ時対角線魚眼)でそれぞれロックできるとなおよかったんですが。その場合ロックスイッチは不要ですし。
動画を考えるとシームレスなズーミングがいいのでしょうが、どうなんでしょうね。そんなズーミングするのかな。
このレンズにはフッ素コーティングが施されています。レンズコーティングの強度が上がるものではないですが、前玉が張り出している上にフィルターがつけられないレンズですので、汚れが付きにくいのは本当にありがたいですね。
コストパフォーマンス:★★★☆☆
コストパフォーマンスとしてはかなり微妙な線だと思います。
実売だとほとんどのフルサイズ対応魚眼レンズが2本買える価格ですからね。単焦点レンズだとより明るくなりますし。
超音波モーター搭載の魚眼レンズ自体が他メーカー含めてほぼない状況なので、ズームと超音波モーターに魅力がなければ機能上のメリットはあまりないですね。純正ブランドの安心感はあるかも。
描写が好きかどうかがひとつのポイントになることと、フォーマットの違うボディを共用しているなら使い勝手がいいレンズだと思います。純正ブランドの安心感はあるかも。
個人的にはDPPで補正が効くのが結構大きいかな。
オススメ度:★★★☆☆
コスパに関連してくる話ですが、初めての1本にするにはややすすめにくいです。いいレンズなのは間違いないですが、他社レンズと比較してダブルスコアの価格ですからね……。
APS-Cなら社外のレンズをおすすめしたいところです。このレンズはフルサイズ換算16mm(対角線魚眼)~24mm(超広角)として使えますが、それなら歪みが少ない超広角ズームがありますから。
APS-Hなら悩む理由はありません。このレンズしか対角線魚眼として使えません。バランス的にもEOS-1Dx系統と丁度いいでしょう。その他の選択肢としてはフルサイズ用円周魚眼レンズを利用し、トリミングする方法もありますがロスが大きいのでちょっとオススメできないですね。1D系統はそもそも画素数が多くないですからね。
やはりこのレンズはフルサイズで使ってこそ光るレンズだと思います。
競合する製品
まとめ(総合評価):★★★★★
色々書いてきましたが、レンズとしての性能は高いです。
他のレンズで描写が気になるとか、不安感があるとかならばこのレンズを準備すれば間違いないと言えるでしょう。
個人的には大変満足できるレンズです。
魚眼レンズはモデルサイクルが非常に長い(数が売れないですし)ので、買ったはいいけど次のモデルが……という悩みもほとんど縁がないですし、悩む時間があれば手に入れてみる方がいいんじゃないかなと。
もちろん、優先順位としてはかなり後になるレンズだと思います。独特の描写は使いにくさもありますし、これだけで作品を作るにはクセが強すぎます。もちろん、そのクセを使いこなす楽しみもあるんですが。
作品作りにマンネリ感が出てきたら購入を検討してもいい時期じゃないでしょうか。
ではまた。