みなさんこんにちは
9月に開発を行っていることを発表していた100-400mmの超望遠ズームレンズですが、今回正式に製品の発売が発表されましたね。
製品が発表されたことで新たにわかった点を確認してみましょう。
開発発表の際の記事はこちら
前回までにわかっていたこと
- 異常分散(LD)レンズ3枚使用
- eBANDコーティング採用
- デュアルMPU採用
- クラス最軽量(1,115g)
- 三脚座は別売りにて対応
- 最短撮影距離1.5m(最大撮影倍率1:3.6)
- 簡易防滴・防汚コーティング
- Tap-in Console対応
かなり細かいところまで発表されていたんですが、詳細スペックは明かされていませんでした。
そこで今回判明した内容を見ておきます。
今回わかったこと
詳細スペックが発表されました。
前回の表に青文字の項目として加筆しています。(項目名は新規追加、スペックは記載変更です)
タムロン 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (A035) | キヤノン EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM | ニコン AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR | シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary | |
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焦点距離 | 100-400 | 100-400 | 80-400 | 100-400 |
開放F値 | F4.5-6.3 | F4.5–5.6 | F4.5–5.6 | F5-6.3 |
絞り枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
レンズ構成 | 11群17枚 | 16群21枚 | 12群20枚 | 15群21枚 |
フィルター径 | Φ67mm | Φ77mm | Φ77mm | Φ67mm |
最短撮影距離 | 1.5m | 0.98m | 1.5m(MF時) | 1.6m |
最大撮影倍率 | 0.27倍 | 0.31倍 | 0.19倍(MF時) | 0.26倍 |
手ぶれ補正 | 4段 | 4段 | 4段 | 対応(効果不明) |
補正モード | モード1・2 | モード1・2・3 | Normal/Active | モード1・2 |
直進ズーム | 不明(非対応?) | 非対応 | 非対応 | 対応 |
三脚座 | 対応(別売り) | 対応(同梱) | 対応(同梱) | 非対応 |
テレコン対応 | x1.4・x2.0 | x1.4・x2.0 | x1.4・x1.7・x2.0 | x1.4・x2.0 |
最大径 | Φ86.2mm | Φ94mm | Φ95.5mm | Φ86.4mm |
長さ | 196.5mm(ニコン用) 199mm(キヤノン用) |
193mm | 203mm | 182.3mm |
重量 | 1,115g(ニコン用) 1,135g(キヤノン用) |
1,570g | 1,570g | 1,160g |
税別希望価格 | 90,000円 | 300,000円 | 320,000円 | 105,000円 |
Amazon価格 |
サイズのΦ86.2mm x 196.5mmというのはニコン用AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRのサイズ、Φ88.5mm x 202.5mmよりもスリムです。
キヤノン用だとΦ86.2mm x 199mmです。これは純正レンズのEF70-200mm F2.8L IS II USMがΦ88.8mm x 199mmですので、かなり近いですね。
これらが入るようなバッグであれば基本的に収納できるわけですから、機動性は相当高いと考えられます。特に重量は前述のF2.8クラスの純正レンズよりも軽く、撮影シーンによっては強力な武器になりそうですね。
レンズ構成図
レンズ構成図も今回発表されました。参考として確認しておきます。
レンズ構成枚数が少なく、他のレンズと比べると非常にシンプルに見えますね。
こうやって比較すると各メーカーともに考え方が異なっていて面白いと思います。
では、MTF上はどうなっているのか見ておきましょう。
MTF
価格を考えると非常に高性能であることがわかります。
さすがに希望小売価格が3倍以上ある純正レンズと比較すると特にレンズ周辺部での数値の落ち込みが気になるものの、価格差を考えると十分な性能ではないでしょうか。
MTF上の判断だけであれば、
- コントラストが高く被写体映えする
- ワイド側の開放ではややソフト感がある
- ワイド側の開放で高コントラストの被写体では背後のボケがややざわつく
- 全域開放で光量落ちがそれなりに発生する、特にワイド側では目立つ
- テレ側での近接撮影では周辺に細かいものがあると気になるボケが発生しそう
- 全体的に欠点が少ない
という雰囲気です。
実写サンプルでは開放絞りでの近接撮影は背後が暗いので、実際にどうかという判断はできませんが、これは今後さまざまな情報が出てくることでわかってくると思います。
ちょっとした撮影であれば気にならないでしょうが、昆虫などの撮影で活用するときには情報を集めておきたいですね。
三脚座
三脚座はアルカスイス互換です。見る限りSP150-600mmG2の三脚座と似ていますので、マウント側からの取り付けになりそうです。
軽量なレンズですので三脚座が不要な状況が多いのではないかと思いますが、風景撮影で絞り込んだり、スポーツ系の撮影で一脚に据えたりとないよりはあったほうが選択肢が増えますね。
ちなみに三脚座の価格は15,000円で、レンズと三脚座を足すと105,000円となりシグマの100-400mm Contemporaryの希望小売価格と同額になります。あくまでも希望小売価格ベースですが。
発売日など
ニコン用・キヤノン用共に2017年11月16日(木)発売予定です。
レンズ本体の希望小売価格は税込み97,200円ですが、予約時価格で80,000円前後になっているようです。
仕様など詳細はメーカーホームページもご確認ください。
まとめ
純正よりもテレ端での開放絞り値を1/3段落とすことでこれだけの軽量化が果たせたことが素晴らしいですね。
この焦点距離をカバーするレンズとしては軽量かつコンパクトですので、600mmまでの超望遠域が必要ないということであれば150-600mmよりもこちらのレンズを選ぶのが良さそうです。
せっかくのレンズでも持ち出さなければ宝の持ち腐れですし。
同クラス最軽量でかつ安価ということもありますので、フルサイズの超望遠レンズはこのA035かシグマのライトバズーカで悩むことになりそうですね。
はやく実写してみたいものです。
ではまた。