みなさんこんにちは
キヤノンがフルサイズミラーレスシステム『EOS R』を発表しました。
先行するソニー、先日はニコンとこれで役者も揃った感がありますね。EOSユーザーは買いでしょうか?
目次
- 1 EOS R
- 1.1 特長
- 1.1.1 大口径、ショートバックフォーカス、新マウント通信システムを利用し、「快速・快適・高画質」をより高度なレベルで実現。
- 1.1.2 約3030万画素、35mmフルサイズCMOSセンサー、映像エンジンDIGIC 8など高解像・高感度、高速化を追求。
- 1.1.3 世界最速AF0.05秒、世界初低輝度合焦限界EV-6を達成したAF性能で撮りたい瞬間を逃さない。
- 1.1.4 光学ファインダーに迫るリアルな”見え”を追求したOLEDカラー電子ビューファインダー、進化した操作系で快適な撮影をサポート。
- 1.1.5 4K・UHD、カメラとレンズが協調する5軸手ブレ補正など、動画作品を次のレベルへと導く新時代EOSムービー。
- 1.1.6 他に
- 1.1.7 販売時期・価格など
- 1.1 特長
- 2 で、買いかな?
EOS R
『写真は進化する。』のキャッチコピーで登場したフルサイズミラーレスシステム。
新規マウントであるRFマウントを採用。初代は『EOS R』
特長
EOS Rシステムはホームページによると以下の特長を備えています。
大口径、ショートバックフォーカス、新マウント通信システムを利用し、「快速・快適・高画質」をより高度なレベルで実現。
マウント径は従来のEFマウントと同様の54mm径。フランジバックは20mm、接続ピンは12本。数字が大きければいいとかそういうことはありませんが、他はどうかなって気になりますよね。
キヤノン | ニコン | ソニー | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
RFマウント | EF・EF-Sマウント | EF-Mマウント | Fマウント | Zマウント | Eマウント | |
センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ | APS-C | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
マウント径 | 54mm | 54mm | 47mm | 46.5mm | 55mm | 46mm |
フランジバック | 20mm | 44mm | 18mm | 44mm | 16mm | 18mm |
接点ピン数 | 12ピン | 9ピン | 9ピン | 0-10ピン | 11ピン | 10-12ピン |
EF・EF-Sマウントはともかく、EF-Mマウントはフランジバックがかなり短いためマウントアダプターの使用はできなさそうですね。逆はできそうですけど、アダプター出るかな?
EFマウントと同様の径を有していますので、EOSユーザーには安心できる数値ですね。
ピン数が増え、接続速度が高速化されたことにより、デジタルレンズオプティマイザをONにしていても撮影速度が変わらないということです。JPEGでの撮影が多い方はもちろん、撮影後のデータを見ながら撮影するミラーレスシステムでは嬉しいポイントです。
約3030万画素、35mmフルサイズCMOSセンサー、映像エンジンDIGIC 8など高解像・高感度、高速化を追求。
DIGIC8の恩恵で常用ISO感度40000に達したということ、また低輝度にも強く撮影条件が厳しいときでもAFが合わせやすくなります。低照度撮影はEVFの恩恵も大きいので、特に夜景などではメリットがありそうです。
またクロップ撮影(1.6倍 1160万画素)も対応しますので、EF-Sレンズも安心して使えます。特に荷物を軽くしたいときや、念のため望遠を持ち出したいなどにも有効ですね。
EOS R | 1D X MarkII | 5D Mark IV | 6D Mark II | |
---|---|---|---|---|
有効画素数 | 3030万画素 | 2020万画素 | 3040万画素 | 2620万画素 |
映像エンジン | DIGIC8 | デュアルDIGIC6+ | DIGIC6+ | DIGIC7 |
常用ISO感度 | ISO100-40000 | ISO100-51200 | ISO100-32000 | ISO100-40000 |
AF輝度範囲 | EV-6-18 | EV-3-18 | EV-3-18 | EV-3-18 |
画素数と高感度としては現行EOSシステムの中でもっとも高いレベルにあります。EOS Kiss Mで採用したC-RAWをこの機種でも採用し、容量と画質を両立させています。
DIGIC8の恩恵もあり、手ブレ補正効果は最大5段まで進化しています。
世界最速AF0.05秒、世界初低輝度合焦限界EV-6を達成したAF性能で撮りたい瞬間を逃さない。
もはや定番となったデュアルピクセルCMOS AFの採用で、AF速度の速さは信頼があります。
また、従来のEOSミラーレスではAF範囲が縦x横 80%x80%だったのに対して、レンズを選ぶものの100%x88%とかなり広くなりました。この辺りは一眼レフでは構造上対応できないところですので、ミラーレスでの自由度は魅力的ですね。
AFエリアの自動選択も143分割、任意選択に至っては5655ポジションとこれらもミラーレスの面目躍如といったところです。タッチ&ドラッグAFと併せて、様々な構図に挑戦したくなります。
AF関連でいけば、瞳AFが採用されました。
光学ファインダーではニュアンスで掴めていたピントも、EVFでは掴みづらいことがあります。ポートレートでは特に重宝しますね。
連続撮影枚数も最高8コマ/秒となかなかの速度です。ミラーレスでは当然ながらミラー部がないため、他社製品などではもっと連続撮影枚数が速い製品もありますが、EOS 5D MarkIVが7コマ/秒なので個人的にはこれで充分かなと感じます。速いに越したことはないという意見ももちろんあるでしょうけど。
僕個人としては、それらよりもAF全域でF11AFに対応した事が嬉しいかも。エクステンダーの活用範囲が広がりますし、その分レンズ1本減らせる状況も出てきそうです。
総じてAF周りは堅実な進歩を遂げてきてますね。
光学ファインダーに迫るリアルな”見え”を追求したOLEDカラー電子ビューファインダー、進化した操作系で快適な撮影をサポート。
『一眼タイプ』のボディのため、EVFが採用されています。
ドット数は369万ドット。背面液晶と個別に色などを設定できます。
EOS R | EOS Kiss M | Z7 | a7R3 | |
---|---|---|---|---|
サイズ | 0.5型 | 0.39型 | 0.5型 | 0.5型 |
ドット数 | 369万ドット | 236万ドット | 369万ドット | 369万ドット |
アイポイント | 23mm | 22mm | 21mm | 23mm |
倍率 | 0.76倍 | – | 0.8倍 | 0.78倍 |
ファインダースペックを比較するとニコンZ7やソニーa7R3の方が高いですが、モデル的には1-2ランクほど上位モデルに当たる価格帯です。それを考えると充分健闘しているといえるでしょう。
また操作系(UI)の良さに定評があるキヤノンのモデルとして、新たな操作性を提案してきました。それが『コントロールリング』と『マルチファンクションバー』です。
小型化とタッチ&ドラッグAFのためと思われますが、EOS一眼レフ伝統の背面サブ電子ダイヤルが廃止されています。これは実際には肩部に移動しているわけですが、形状的に親指で大きくグリグリ回すということはできそうにもありません。
それらの操作を補うためにも使えるのが『コントロールリング』です。
カスタマイズが可能なので、ISOや露出補正などを設定して使いこなしたいポイント。フルサイズミラーレスはボディの軽量化ができる半面、相対的にレンズ(先端部)が重くなってしまうため、レンズ先端などに設定してあるこのコントロールリングは振り回して撮影する際にも安定したパフォーマンスにつなげられるのではないでしょうか。
また、デフォルトではOFFになっている『マルチファンクションバー』も親指での操作を補助してくれます。設定項目をまとめて割当できるので、特に撮影条件がコロコロと変わるような屋外での撮影などでも活用できるように感じます。しっかりグリップしたときに触れやすい部分なので慣れが必要ではありますが、前述のコントロールリングと併せてスピーディーな撮影につなげていきたいですね。
4K・UHD、カメラとレンズが協調する5軸手ブレ補正など、動画作品を次のレベルへと導く新時代EOSムービー。
4K30fps動画、4Kタイムラプス、4Kフレーム切り出しなどに対応します。また、5D4では改造が必要なC-Logも標準対応ですので、動画向きといえばそうなるでしょうね。ただし、4Kは5D4と同じドットバイドットでの読み出しとなるようなので、約1.7倍超の拡大になってしまいます。うまくEF-Sレンズなども活用したいポイントでしょうか。
またIS(手ぶれ補正機構)搭載レンズの場合、ISの水平・垂直回転に加えて電子制御(センサー補正)の回転・上下・左右の5軸補正が可能です。EOSシステムで動画を制作しているユーザーは嬉しいですね。僕は動画をやらないので、いまいちピンときてませんけど(ごめんなさい)。
背面液晶がバリアングルなので、動画ユーザーはもちろん、スチールメインのユーザーでも便利だと思います。何気にフルサイズミラーレス唯一のバリアングル液晶なんですね。
他に
新採用のFv(フレキシブル)モードは待ち望んでいた人も多かったのではないでしょうか。すべてがオートのプログラムモードから、任意の項目を直接変更できるモードです。ペンタックスのハイパープログラムモードに近いですね。
またUSB充電にも対応しています。撮影中は充電できませんが、あれば便利な機能です。USBチャージャーからの充電にも対応できると荷物が少なくなってありがたいのですが。
とはいえ、バッテリーはLP-E6/LP-E6Nを使用しますので、5D2/3/4や6D/6D2などのユーザーは電池を買い足さなくていいので使い勝手は良さそうですね。撮影枚数が370枚ですので、一眼レフと比較すれば多めのバッテリーが必要なのは、ほとんどのミラーレスと同じです。
販売時期・価格など
予約開始は2018年9月12日(水) AM10:00より。
発売は10月下旬予定です。
価格はボディのみ税別237,500円程度になるそうですので、スペックが近いと考えられる5D4の初値よりはかなり安いですね……。
他にもRFマウントレンズとしては、
- RF24-105mm F4L IS USM (10月下旬発売予定・税別155,000円)
- RF50mm F1.2L USM (10月下旬発売予定・税別325,000円)
- RF28-70mm F2L USM (12月下旬発売予定・税別420,000円)
- RF35mm F1.8 MACRO IS STM (12月下旬発売予定・税別75,000円)
などがあり、マウントアダプターも
- マウントアダプター EF-EOS R (10月下旬発売予定・税別15,000円)
- コントロールリング マウントアダプター EF-EOS R (10月下旬発売予定・税別30,000円)
- ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 円偏光フィルター A付 (2019年2月下旬発売予定・税別45,000円)
- ドロップインフィルター マウントアダプター EF‐EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付 (2019年2月下旬発売予定・税別60,000円)
上記のように4種類も発売されます。
で、買いかな?
6D2クラスのユーザーだとおすすめですね。バリアングル液晶を搭載していますし。
1DX2クラスだと不足感がありそう。5D4ユーザーは用途次第でしょうか。動画はEOS Rのほうがやや扱いやすそうですし、低輝度EV-6は魅力的です。しかしメディアスロットがSDシングルなので環境によっては躊躇してしまいます。ブライダルカメラマンなどは式場指定でダブルスロットでなければだめだとかあるようですし。
個人的には5D4をしばらく使うでしょう。買い換えるほどお金ないです。5D4を2台持ってますし、進化点と買い替え金額がやや折り合わないかな。もっと安くなったら考えます。
ミラーレスでストラップ取り付け金具の形状が改められたかと思ったらそんなこともなく、正面からのデザインはなんとなくですが『EOS 650』っぽく見えちゃうんですよね。EOS 650はEOSシステムの初代機ですから、そんなフィルターが掛かってしまってるのかもですけど。いいカメラですよ、650。
たぶんと言わず、EOS Rもいいカメラになっているはずです。今からフルサイズデビューする人にはオススメします。5D4を買ってなければ多分買いました。多少欲しい気持ちが残っています。
次の買い替えタイミングで乗り換えるかもって感じで、僕は楽しみにしておきます。
買える方は買いましょう。ということで。
ではまた。