【機材レビュー】EF24-105mm F4L IS USM

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みなさんこんにちは

今回はいわゆる標準ズームレンズです。

キットで手に入れたり、買い換えたりと大抵の方が1本は持っているんじゃないでしょうか。

最近は高倍率ズームも多いですが、広義にはこれも標準ズームといえるでしょう。(50mmの焦点距離を含んでいるので)

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EF24-105mm F4L IS USM

幅広い焦点領域をカバーしながら、気軽に持ち運べる重量。パースペクティブを強調した迫力ある広角撮影から、ボケ味の美しさが際立つ望遠撮影まで、これ一本で対応できます。手ブレ補正機構と贅沢なレンズ構成によって、さまざまな被写体をシャープに描写可能。また、優れた防塵・防滴構造を備えており、砂漠やジャングル、山岳地帯など過酷な条件下でも高い機動性を発揮、プロの要求に応えます。

引用:キヤノン

長らくEOS 5D系統のキットレンズ(EOS 5D/5D MarkII/5D MarkIII)として君臨し続けてきた標準ズームレンズですが、僕はキットとしては購入してません。このレンズ購入以前は28-70mmF2.8を使っていました。

フィルムでは全く問題なかったため、しばらくそのままでいこうと思ってたんですけどね。以前のレンズはいかんせん古かったのでデジタルに対応していなかったんです。どうしても解像が上がらなくて、手ぶれ補正が付いているこのレンズを購入しました。僕の所有レンズのなかで初めて手ぶれ補正がついたレンズでもあります。

僕は広角レンズが好きなんですが、実際の撮影データを確認するとこのレンズが一番撮影枚数が多いんですよね。よく使っているってことなんでしょう。

実際、大抵の撮影はこれ一本で間に合うことの方が多いのです。

キットで買っておけばよかった。

取り回し:★★★★☆

僕はフイルムからデジタルに移行しましたし、フルサイズ向けレンズの大きさはそれほど気になりませんでした。F2.8クラスのレンズは大きかったというのもあります。今はデジタル対応でF4クラスでも大きいのですが。

APS-Cクラスの標準キットズーム(EF-Sレンズ)から買い替えをすると、やたらとデカイレンズに見えるかもしれません。このレンズ手持ちの中判カメラの単焦点より大きいですもの。

ただフルサイズ対応のレンズ群の中では、そこまで大きなレンズではありません。以下はサイズ比較。

キヤノンLレンズ(標準ズーム)
レンズ名 大きさ 重さ フィルター径 現行の有無
EF 24-105mm F4L IS USM Φ83.5×107mm 670g 77mm 旧製品
EF 24-105mm F4L IS II USM Φ83.5×118mm 795g 77mm 現行
EF 24-70mm F4L IS USM Φ83.4×93mm 600g 77mm 現行
EF 24-70mm F2.8L II USM Φ88.5×113mm 805g 82mm 現行
EF 24-70mm F2.8L USM Φ83.2×123.5mm 950g 77mm 旧製品

見ていただくとわかる通り、どのレンズも大きさとしてはどっこいどっこいなんですよね。

特に僕が購入した当時は、旧型のEF24-70F2.8Lしか他の選択肢がなかったですし。

ズームレンジの広さを取るか、明るさを取るかでした。そしてF4だけ手ぶれ補正がついていたんですね。

このレンズ、今のところ現行品ですが在庫がなくなれば終了です。

バランスは悪くないので、使い勝手も良好です。

気になるのは自重落下ですね。使っていくうちにズームリングのトルク感がなくなり、カメラをぶら下げておくと鏡筒が一番下まで伸びています。

移動中の話だけならあまり気にならないんですが、上向きやら下向きに構図を定めていると勝手にズームイン・ズームアウトしてくれるので困ったものです。

修理というか調整かな?サービスに持ち込めばトルク調整してくれるようですが、今度はズームリングのトルクも上がるそうです。故障じゃないので、調整に出したことはないです。ついでの話で聞いただけで。

長時間の露光はパーマセルなどで固定した方が安心です。

新型はズームロックスイッチを備えているそうですが、あってもきっと使わないですね。ロックがついてるレンズもロックしてないですから。

フォーカスは速く、静かです。ピント精度も悪くありません。長く使っていますが、故障の経験もないですね。

表現性:★★★★☆

個人的な感想ですが、僕はこのレンズの表現は割と好きです。

もちろん難点もありますが(むしろ難点の方が多いかも)、使い勝手に影響していないので気になりません。厳密な表現や描写を求める方にはおすすめしません。

その問題点を挙げていきましょう。

24mm F4.0での周辺減光。個人的には味があって好きなんだけど

まず、周辺減光が比較的大きいです。とはいえこのレンジのズームレンズとしては極端に大きいわけでもないと感じます。僕は手焼白黒で写真を始めたので、周辺減光は好物です(笑)むしろさらに落としにいきますからね。

一段絞るとかなり改善されますし、後処理の補正も容易です。ただ、撮影時のF値によって左右されるという部分では不便なことです。

次に収差です。歪曲収差が結構あります。特に広角側でのタル型収差は大きめです。この広角側での収差を嫌うものとしては建築物があります。建物が歪んでたら嫌ですよね、やっぱり。

しかし直線物以外では被写体を誇張して写せると思うと、悪くないとも思うのです。被写体がはっきりしやすいわけですし、そもそも広角レンズですからね。歪まないわけがないのです。

作例が傾いているのは許してください。手持ちだったもんで、ハイ。LightroomCCで歪みと周辺減光を補正しました。いずれの数値も100(標準補正)です。

この収差も好みですがこちらも周辺減光同様、後処理の補正ができますので気になるなら補正しましょう。

わかりやすく画面中央付近に太陽を配置。光源から左右共にフレア・ゴーストが発生している

難しいところに逆光性能の低さがあります。逆光というか斜光に弱さを感じます。フレアなどが比較的発生しやすいです。ズームレンジが高いせいで、フードの長さがどうしても不足してしまいます。必要に応じてハレ切りすればいいのかなと。

ゴーストも出ますが、こっちはコントロールしやすい印象です。作品として使わないときは出ると困りますが、明るさや爽やかさを演出するのには便利です。出ない方がいいですが、出したいときに出せないのも困りますしね……。

これらの問題点はありますが、取り立てて問題にするほどひどい、というわけではないのです。使うためのポイントに近いところですね。いずれも視線を画面中央に持っていくために使えます。そんな使い方に向いてます。

一般的には優等生に分類されるレンズです。何と言っても故障しない(ってことはないんでしょうが)信頼性の高さがありがたいですね。

機能性:★★★☆☆

手ぶれ補正はボチボチです。いかんせん古くなってきた設計ですからね。搭載されたISも時代相応のもの(とはいえ約3段の補正)です。しかし、画角の部分もありまして、意外と使いやすいです。ファインダー内のブレ軽減はキヤノンらしいソフトなもの。

各部ともにあまり不足を感じたことはないですね。

防塵防滴も備わってます。鏡筒がぐんぐん伸びるレンズですが、信頼して良さそうです。滝のそばや雨天、祭りの勢い水などをかぶるような撮影もありますが、今のところ故障の経験はありません。

でも心臓によくないので、濡れないような対策はしましょうね。

最新のコーティングもありませんし、マクロ向けの手ぶれ補正もついていませんが、基本的な機能は充分に備えていると思います。

つやつやフード。左下にちょっと写っているのは70-300Lのフード。こちらはマット仕上げ

フードの表面仕上げは僕が持っている個体はツヤツヤですけど、どうも途中からつや消しタイプに変わっているようです。あんまり人様のレンズを眺めないので気にしたことなかったですが。気になって聞いてみたらそうらしい。長く生産されたレンズですしねぇ。

今見たら、手持ちレンズの中で唯一フードがツヤツヤしてました。

フード型番は同じもののようです。

コストパフォーマンス:★★★★☆

常用できる性能と、使用頻度・画質を金額で考えるとコスパ高いと思うんですが、どうでしょうか?純正なりの安心感もありますし。

フルサイズで使えば広角から中望遠まで、APS-Cで使えば38-168mmの準広角から望遠をカバーします。これ1本で大抵の撮影がまかなえます。

先日、新型のEF24-105mm F4L IS II USMが登場しましたので、このレンズは在庫限りになるんでしょう。新たに買うならそちらを僕もおすすめします。

比較観点が旧型になってしまう(バイアスがかかっている)ので、話し半分で見てもらいたいですが、新型との比較記事を書いてます。併せて参考にどうぞ。

新型の24-105F4Lは「買い」なのか?
みなさんこんにちは キヤノンの標準ズームレンズ、「EF24-105mmF4L IS USM」がリニューアルされましたね。いまだ...

新品で買うなら、アフターサポート期間を考えて(10年単位で使う可能性があるので)新型を勧めますけど、個人的な意見としてはその程度の差だと思ってます。わざわざ買い換えるほどでもないし、中古もかなり安いし。長期に渡って生産されているレンズなので、信頼できるお店で買いましょう。

壊れるかおカネに余裕ができたらたら新型に買い換えます。余裕ができる日なんて想像もつかないですが。

追記:とうとうディスコンになったようです。

EF24-105mm F4L IS USMがディスコン?
みなさんこんにちは キヤノンの標準ズームである、EF24-105mm F4L IS USMがメーカーホームページから消えました...

オススメ度:★★★★☆

どうしてもこのレンズでなければ撮れない!というものはありません。サードパーティー製を含めれば、選択肢としてはかなり広くなりますね。

ただ、前述もしましたが信頼性の高さとズームレンジの広さがおすすめポイントです。機械なんで壊れないってことはありませんが、自分が使って壊れてないものは安心して勧められますよね。

たぶん現役としては、今の手持ちレンズのなかで一番長く使ってるはず。

カリカリした写りでもなく、しかしきちんとピントはあっているので、どうとでも使える画を吐き出してくれるんですよね。汎用性が高いと言えばいいのか。

競合する製品

競合製品が多いので掲載も少し多目ですが、参考に。

レンズ選びに迷っているならズーム幅が広いレンズがおすすめです。汎用性が高いので、とりあえず1本という時に役立ちますし、よく使う焦点距離がわかると次の買い換えは悩みがひとつ減りますよ。

まとめ(総合評価):★★★★☆

手持ちのレンズの中で一番評価が難しい気がします。

画質重視のカリカリレンズでもなければ、大きなボケが得られる大口径レンズでもない。F4通しの便利ズームと言ってしまえばそれまでだけど、信頼性などを含めて他のレンズに置き換えにくい。

社外を含めた各社気合いが入ってるF2.8のズームは70mmまでなので、残り30mmをどうするかがひとつのポイントだと思います。

たとえば、ボディ一台で70-200mmを併用するとしても、70mmでレンズ交換に入るのか70-100mmまでをクロスさせるのか、ということですよね。ずぼらは別ですが、レンズ交換をする暇がないシーンも確実にあるのです。次のシーンの予測も必要ですし。

忙しい撮影でも確実にシャッターチャンスをモノにしたい人には、このレンズはおすすめです。まぁ、新品買うなら新型を勧めますけどね。といっても在庫があるうちは安くなってる旧型を買うのもお得です。

色々書きましたが、個人的に画質の不満はそれほどありません。もし大きな問題があれば、利便性があっても使えないからです。

個人的にはマクロ重視(テーブルスナップなど)なら24-70f4L、ボケ(開放絞り)重視なら24-70F2.8L2、オールラウンダーなら24-105F4L(2)だと思っています。

これ1本でなんとかなる、という安心感はすごいですよ。実際のところ。

ではまた。

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