新型の24-105F4Lは「買い」なのか?

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みなさんこんにちは

キヤノンの標準ズームレンズ、「EF24-105mmF4L IS USM」がリニューアルされましたね。いまだに品薄状態が続いているようですが、このレンズ、僕個人は購入していません。

5D4のキットレンズに設定されているので、購入時に買おうかなとも思っていたんですが……。発売が延期になり、購入時にはまだセットでの販売が始まっていなかったのです。

なので、今回は買わなくてもいいかなぁと思っているのですが。実際どちらがいいのかわからなかったので、比較したときのことでも書いてみようかなと。

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24-105mmF4Lとは?

キヤノン標準ズームレンズのなかで、比較的バランスが取れたレンズのひとつ。

別にEF24-70mmF2.8L Ⅱ USMとEF24-70mmF4L IS USMがあり、さらに軽量なレンズとしてEF24-105mmF3.5-5.6 IS USMがあるんですね。ズームレンジとしては短い代わりに、光学性能が高めの24-70F2.8(F4)と、開放絞りが変動する代わりに軽量な24-105F3.5-5.6の間に挟まれています。

幅広いズームレンジとF4通しの使いやすさ、Lレンズとして防塵防滴性能を兼ね備えたレンズではあるのですが、いかんせん登場から11年と設計の古さも問題となってきたのです。

ちなみに、現行レンズの発売年月を古い方から並べると

  1. 【旧型】EF24-105mm F4L IS USM (2005.10)
  2. EF24-70mm F2.8L II USM (2012.9)
  3. EF24-70mm F4L IS USM (2012.12)
  4. EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM (2014.12)
  5. 【新型】EF24-105mm F4L IS II USM (2016.11)

となります。旧型はずいぶん古い設計になっていますね。ただ、初代EOS5Dのキットとして発売され、その後も歴代EOS一眼レフのキットとしての採用も多く、キヤノンユーザーに親しまれているLレンズでもあるのです。

扱いやすい焦点距離と大きさで人気はあっても、口さがない人には並Lとか廉価Lとも呼ばれるこのレンズ、個人的にはとても使いやすいんですけどねぇ……。

1型(旧型)と2型(新型)の違いは?

スペック表から見える違い

EF24-105mmF4L IS USM EF24-105mmF4L IS Ⅱ USM
外観
レンズ構成 13群18枚 12群17枚
絞り羽根枚数 8枚 10枚
最小絞り F22 F22
最短撮影距離 0.45m 0.45m
最大撮影倍率 0.23倍 0.24倍
フィルター径 77mm 77mm
最大径×長さ Φ83.5×107mm Φ83.5×118mm
質量 670g 795g
手ぶれ補正効果 約3段 約4段
発売 2005年10月 2016年11月
発売時価格 145,000円 155,000円

レンズ構成枚数は1枚減っているものの、質量は125g増えています。最近は大きく重くなっている傾向がありますので、どこかで歯止めを効かせて欲しいですよね。

ともあれ、レンズ枚数が減っていますので構成を確認してみましょう。

新型はレンズ後群の構成が変わってますね。また、旧型にあったスーパーUDレンズがなくなり、非球面レンズが1枚増えています。

前群だけを見ると旧型の光学系をリニューアルしたような印象ですが、後群がけっこう変わってるので、描写傾向は違いがありそうです。特に手ぶれ補正ユニットの直後にあった1群がなくなってますからね。そして、全体的にレンズが大きくなってますね。

レンズ鏡筒の太さは同一。全長がやや長く(11mm)なっていますが、ズーミング時に伸びるレンズですし、あまり影響はなさそうです。

絞り羽根は2枚増えて10枚に。より滑らかなボケが得られやすいですが、光芒を作るときに光条も増えてしまいます。ただし、偶数枚ですから比較的シンプルな範囲でしょうか。ここは好みですね。工場夜景などでは悩みドコロです。

手ぶれ補正効果は1段増えて4段になりました。CIPA準拠を謳うようになってますね。ここは単純に喜ばしいところです。

レンズ構成の違いで、最短撮影距離は同じものの最大撮影倍率が上がりました。とはいえ微小な違いなので、ここで選ぶ、ということもないですね。

カタログスペックからはこんなところでしょうか。

MTF曲線から見ていこう

テレ端(105mm側)の状況がかなり改善されていますね。解像度もそうですが、コントラストも上がっているようです。

ワイド端も改善されて、全体的な解像度が上がったというよりもより自然な感じになってますね。周辺の解像度にばらつきがあると、特に広角での解放は描写の流れが気になることがありますから、扱いやすくなってそうです。逆に視点を中心に持っていくなら、旧型の方が向いているかもしれませんね。

雰囲気としてはMTF曲線の向上に併せて、周辺光量落ちもやや改善してそうですがどうでしょうか。まあ、純正だとDLOで周辺落ちはある程度どうにでもなりますし、周辺落ちを狙うこともあるので目くじら立てるほどでもないですね。

ここも、落ち方によっては旧型の方が望ましい場合がありそうです。

機能上の違いを見てみよう

搭載テクノロジー

  EF24-105mmF4L IS USM EF24-105mmF4L IS Ⅱ USM
非球面レンズ 優れた描写力を発揮する非球面レンズ。球面のレンズではどうしても発生してしまう写真の歪みを、キヤノンならではの光学技術で取り除きます。
スーパーUDレンズアイコンスーパーUDレンズ  UDレンズの光学性能を向上させ、色収差の補正、レンズ本体のコンパクト化に大きく貢献する光学技術を採用しています。
ISアイコンIMAGE STABILISER 失敗写真の原因になる撮影時の手ブレをレンズ側で補正する、キヤノン独自のレンズ内手ブレ補正。暗所や手持ちでの撮影にも安心して臨めます。
リングUSMアイコンリングUSM 高トルク・高レスポンスなモーターにより、素早いピント合わせを可能にする。ウルトラソニックモーター(USM)を搭載しています。快適なオートフォーカスを実現します。
インナーフォーカスアイコンインナーフォーカス レンズのコンパクト化と快適なAF操作を実現するインナーフォーカス方式を採用しています。ピント合わせの際にレンズの全長が変わらないのも特長です。
フルタイムマニュアルフォーカスアイコンフルタイムマニュアルフォーカス オートフォーカスの後、フォーカスリングを回転させるだけで即時にマニュアルフォーカスが可能です。
防塵・防滴アイコン防塵・防滴 過酷な状況での撮影においても、ホコリや水滴の侵入を防ぐ防塵防滴構造を採用しています。
フッ素コーティングアイコンフッ素コーティング レンズ表面に付着した汚れを、簡単に取り除くことができるフッ素コーティング。安心して撮影に臨むことができます。
ASCアイコンASC フレア・ゴーストを大幅に低減するコーティング「Air Sphere Coating」。垂直に入る光の反射防止に効果を発揮。

アイコン・説明文はキヤノンより引用。

新型に搭載のフッ素コーティングいいですねぇ。フィルターの付け替えが多いせいで、プロテクトフィルターをつけることが少ないのです。汚れがつきにくいなら、それに越したことはないですね。

ASCは比較したことがないのではっきりしたことは言えませんが、コーティングなんで、あった方がいいのでしょう。旧型は、やや逆光耐性が低かったので、ここが解消されるなら喜ばしいことですね。ただ、意図的にハレーションを起こしたりするようなら、旧型の方が扱いやすいかもしれませんね。

逆光耐性が高くなった昨今のレンズでは、意図的にハレーションやゴーストを起こそうとすると結構苦労しますからね。ハレーションをわざと引き起こして(コントラストを低下させて)撮影する手法もありますので、ハレーションを比較的コントロールしやすい旧型という考え方もありそうです。

外観・スイッチ類など

まず、新型には自重落下防止用のズームロックスイッチがつきましたね。旧型はカメラをぶら下げてると、ここが伸びきってしまってたのでこれはそれなりに嬉しいところ。とはいえ、僕個人はロックスイッチがついている他のレンズでもロックをかけないので、どっちでもいいのかもしれません。

そもそも、ズームがあんまり緩くならない方が嬉しいのですが、常用レンズである以上避けられない運命なんでしょうね。登場頻度が高すぎるということなのでしょう。

レンズフードも変更されました。ロックスイッチ付の新型(?)フードです。ここは一長一短なので、どうこういうことはないですね。僕はずいぶん長く旧型のこのレンズを使っていますが、いまのところロックがついてなくてもクリックが甘くなるようなことはありません。

フードに上下の区別がないのも、新旧共通です。フードが共用できるかはわかりませんが、特に共用する理由はないかな。

ということで、個人的見解ですが外観上の差異点はほぼないのかなと。

作例で比較する。

EF24-105mmF4L IS USMはこちらで作例が見られます。

EF24-105mmF4L IS ⅱ USMはまだ追加されていないようですが、スペシャルサイトで新旧比較ができますね。

新旧比較を見た限りでは、やはり新型の性能向上が目を引きます。しかし、建物系を撮らない限り、差は少ないとも言えそうです。

作例の範囲では画質向上は目に見えて良くなっているとはいい難いですね……。何と言っても開放絞りの作例がなく、旧型でF10(1枚のみ。他の作例はデータ不明)、新型で手ぶれ補正のF5.6(他の作例はF8-22)です。絞ればある程度の性能差はなくなりますし、そういう使い方が多くなるレンズでもありますが、自信があるならぜひ開放での撮影データも欲しかった。

金額差もありますので、なかなか難しい判断です。

どっちを買うべき?

どっちがいいでしょうね。旧型は5D4では解像力不足とも言われますが、個人的にはあんまり気にならないですね。5Dsや5DsRだとまた印象も違うのかもしれませんが。

最近では他のレンズの登場頻度が高いせいもあるからか、保険的に持ち出しておいて、使わずに帰ってくることもあります。そういう意味でも新型への食指が動かないのかも……。

ただ、撮影データを確認すると標準域(24-100mm程度)での撮影がやはり多いので、持ち出さないという手はないのですが。

Amazonの中古商品登録だと、最安値はほぼ5万円から。新品の半額程度で購入できますね。新型が15万円程することを考えると、性能差に金額的なメリットが感じられなければ旧型を選ぶのも方法です。

旧型のメリットとしては

  • 価格が安い(新品で10万円以内・中古で5万円から)
  • 開放絞り値F4クラスのレンズとしてはズーム比と併せてコンパクト
  • 手ぶれ補正が3段効く
Canon 標準ズームレンズ EF24-105mm F4L IS USM フルサイズ対応
キヤノン (2005-10-31)
売り上げランキング: 14,323

新型のメリットは

  • ズームロックスイッチが追加された
  • 逆光耐性が向上した
  • 手ぶれ補正が4段に上がった
Canon 標準ズームレンズ EF24-105mm F4L IS II USM
キヤノン (2016-11-03)
売り上げランキング: 112,463

こんなところでしょうか。

まとめ

個人的には買い替えのメリットが感じられなかったので、しばらくは旧型を使い続けることになりそうです。故障したりすればいずれ買い換えるんでしょうけど……。

旧型でも充分なAF性能(速度や静粛性も含めて)があるので、初めてのレンズとしては旧型もアリだと思います。ただし、11年もの長い間生産されてきたレンズですので、中古の購入は信頼できるお店で相談する方法もありますね。

一度購入するとなかなか買い換えないレンズ(広角や望遠は使い勝手で買い換えることがあるけれど、標準域は一度満足すると買い換え頻度が低いように感じます)なので、いまから購入するならちょっと奮発して新型を新品で買う、というのがいいと思います。そのときには24-70LのF2.8やF4も検討材料になるんですねぇ。

悩むのも楽しそうです。

ここしっかり考えとかないと、次モデルの登場は2027年とかって本当にありそうですし。

ではまた。

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