【写真表現】シャッター速度と絞り・ISO感度の関係性

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みなさんこんにちは

絞りとシャッター速度は前回までに確認してきました。

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これらの絞りとシャッター速度は密接に関係しているんですね。

そしてそこにISO感度も影響してきます。

そんなわけで、それぞれの関係性を確認していきましょう。

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絞りの数値と明るさ

ややこしいところから先に片付けちゃいましょう。

F値は数字が小さいほど明るいことを表します。F値そのものは有効口径と焦点距離から出しますが、今回は覚える必要はありません。

基準がF1(1.0)であることを頭に置いておきましょう。そして表示は√の計算結果が表示されます。

有効口径が1/√2倍になると明るさとしては半分になるため、その結果として√の計算結果で表示されるんですね。

ややこしいので、√1は√2の2倍の明るさがある、と覚えておけば問題ありません。ですのでカメラはその値を表示しているわけです。

計算結果 表示値
1 1 1
2 1.41421356237 1.4
4 2 2
8 2.82842712475 2.8
16 4 4
32 5.65685424949 5.6
64 8 8
128 11.313708499 11
256 16 16
512 22.627416998 22

覚えづらい数字ですが、基本的には2.8から16の間がわかれば問題ないと思います。ここで大切なのは数字そのものではなく、数字が1段変わると明るさは半分(または2倍)になるということです。

今いいましたが、このF値の呼び方は『段』ということがあります。例えばF5.6から1段絞るとF8に、逆に1段開けるとF4になるんですね。

中間の数字もありますが、これは機種(カメラまたはレンズ)によるのでご自身のもので確認してください。また、古いレンズではこの表示体系に合わないものもあります。そのときにはお店の人に聞いておきましょう。

シャッター速度と明るさ

シャッター速度はシャッター幕が空いている時間をコントロールしています。

考え方は単純で、2倍速いシャッター速度では元の半分の明るさになるということです。

シャッター速度は1秒を起点とし、半分の0.5秒を1/2秒としています。0.25秒だと1/4秒ですね。

表示は1/を省略して1/2なら2、1/4なら4としています。1秒より長いときを表示する時は間違えないように1秒は1″としています。カメラによっては色を変えて表示しているものもありますね。

実速度 1秒 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64 1/128 1/256
表示 1″ 2 4 8 15 30 60 125 250

あまりに小さい数字だと直感的に分かりにくいため、表示上は近い数値を表示しています。

最近はほとんどのカメラで30″から1/2000まで搭載していることが多いです。中級機で1/4000、フラッグシップで1/8000が搭載されることがあります。過去には1/12000というものもありました。搭載されるシャッター速度が早くなるとそれだけ機構が複雑化し、費用と重量に跳ね返ってくるので良し悪しでもありますね。

機械的なシャッターを使用しない場合(センサーでシャッターを調整する場合)はもっと速いシャッターが使用できますが、こんにゃく現象などと呼ばれる問題が発生することもあります。すべてを兼ね備えたシステムは存在しないってことなんでしょうね。

倍々ゲームみたいな数字ですから、あまり意識しなくても覚えられそうですよね。

古いカメラではこの体系から外れていることもありますが、時間が半分になると明るさも半分になるとさえ覚えておけば大丈夫です。

ISO感度と明るさ

最後はISO感度です。読みは色々ありますが、

  • イソ
  • アイエスオー
  • アイソ

など、どう読んでも間違いではありません。日本ではイソと読んでいる人が多いようですね。学校で出会う先生などによっても変わるかもしれません。様々な規格を策定していますので、社会系の授業なんかでも出てくるらしいですしね。

余談ですが、僕個人は以前はアイエスオーと読んでいました。今はほとんどイソです。周囲がイソと呼ぶ人が多くなったから、というだけですが。

表記には複数の方法がありますが、算術表記といわれるところを覚えておけば問題ないです。

考え方は単純で、数値が2倍または1/2になると明るさも2倍または1/2になる、です。

起点はISO100でいいと思います。ISO200だと明るさは2倍、ISO50だと明るさは1/2(半分)です。フィルム時代の数値ですので、デジタルカメラではISO400相当などと言われますが、同じものです。

ISO100を起点としたとき、数値は倍になるごとですので100/200/400/800/1600/3200/6400/12800/25600/51200……と続きます。

昔のフィルムはISO12とかあったんですが、今のデジタルカメラではまず見ないですね。感度が高くなるとフィルムでもデジタルでもノイズ(粒状性)が悪くなります。フィルムの場合は低感度の方が画質がいいことが多かったですが、デジタルではあまりに低いとコントラストが高くなりすぎる(白トビ黒ツブレ)が発生しやすくなるので、極端に低い数値は設定できません。

EOS 5Dシリーズでは、ISO100が常用最低感度で、ISO50は拡張感度(L)となっていますが、そういう理由です。

フィルム時代はISO50付近が低感度、ISO100が標準、ISO400で高感度、ISO1600で超高感度と言われていました。僕の5D Mark4だと拡張ISO102400まで使えますので、とんでもない時代になりましたね。

感覚的にはいまだにISO6400を使うのが怖いですが、それを越えてISO12800くらいまでは充分実用の反意に範囲になってきたのではないでしょうか。

古いカメラだと、ISOの代わりにASAと書いてあることもあります。これはISOと同じ扱いして問題ありません。DINと書いてあればお店の人に聞きましょう。ISOに変換する計算式もありますし、覚え方もありますが説明がややこしいので今回はパスです。決して難しくはないので、必要な方はググってください。

関係表

ともあれ、まずはこの三つの関係を表してみましょう。

ここからの記載は、ISO800・F5.6・1/60を基準に考えてみます。数値に理由はありません。EVとかLVの話は希望があればまた後日。

ISOが固定の場合

絞り値 1.4 2 2.8 4 5.6 8 11 16 22 32 44
シャッター速度 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″

計算用早見表
F値 1.0 1.4 2.0 2.8 4.0 5.6 8.0 11.0 16.0 22.0 32.0
シャッター速度 1/8000 1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8
1/4000 1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4
1/2000 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2
1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″
1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″ 2″
1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″ 2″ 4″
1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″ 2″ 4″ 8″
1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″ 2″ 4″ 8″ 15″
1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″ 2″ 4″ 8″ 15″ 30″

最上段は絞り値です。カメラがF8でこのときのシャッター速度が1/30(上から3行目)だと、F4のときに1/125となります。見方、大丈夫ですか?

絞り値が固定の場合

シャッター速度 1/1000 1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1″
ISO感度 12800 6400 3200 1600 800 400 200 100 50 25 12

早見表はいらないですよね?

シャッター速度が固定の場合です

ISO感度 12800 6400 3200 1600 800 400 200 100 50 25
絞り値 22 16 11 8 5.6 4 2.8 2 1.4 1

何となく関係性が見えてきましたか?

実はこれらを覚えておく必要はあまりないのですが、知っておけば撮影がさらに楽しくなる知識でもあります。

関係性を知っておくと

例えば、薄暗い撮影シーンがあったとします。お祭りにしましょう。計算していきながらですので、行間多めでいきます。

レンズはフルサイズの50mm F1.4です。手ぶれ補正はついていませんが、明るい単焦点レンズですね。

参加者のポートレートを撮るチャンスがやって来ました!

プログラムオートで撮影すると、データはISO12800・1/125・F8です。なんかざらざらしてて、もう少しキレイに撮りたいですね。

では、まずはISO感度を下げましょう。代わりにシャッター速度も遅くします。ポートレートだと速いシャッター速度は要らないですからね。

ISO1600・1/15のときがISO12800・1/125と同じ明るさです。さすがに手ぶれが発生しそうです。もう少し速いシャッター速度が欲しいですね。今度は絞りを開けていきましょう。ポートレートですが、あまり開放にしてしまうとお祭りの背景がわからなくなるのでほどほどに。

1/60・F4が1/15・F8と同じ明るさです。少しボケが大きいかもしれませんね。では、シャッター速度はそのままで絞りを1段絞りましょう。F5.6です。このときのISO感度はどうでしょうか。

そうですね、ISO3200です。

つまり、ISO12800・1/125・F8とISO3200・1/60・F5.6は同じ明るさなんですね。これでざらざら感はかなり少なくなったはずです。また、背景もそれなりにボケて雰囲気もよくなったかもしれません。

オートで撮るのと、知識を活かすのはこれだけの差が出ることを意味しているんですね。

光の量と水の量

ここまでに確認してきた光の量(露出)は、よく水道にも例えられます。

露出は絞り×シャッター速度で決まりますが、これを水道に置き換えると蛇口の大きさ×開栓時間になるんですね。

キヤノンホームページより引用しました。

蛇口が大きいほど、同じ時間であればたくさんの水が流れます。同様に、同じ蛇口の大きさであれば開栓時間が長いほどたくさんの水が流れるんですね。

最終的に同じ水の量になる組み合わせが複数あるように、露出の決め方も複数あるんですね。

前項の「関係性を知っておくと」で記載した内容が、その複数の方法です。はじめのうちはややこしいけど、表現を広げるためということで。

まとめ

フィルムの頃はフィルムの種類でISO感度が決まっていたし、増感現像してもせいぜいISO3200でした。僕はもっぱらISO400を基準のフィルムにしていました。デジタルと違って途中で感度は変えられなかったですしね。

この辺りの数値を覚えておくと、フィルムで撮るときに役に立ちますよ。

もちろんデジタルでも。

撮らされているのか、撮っているのか。普段はカメラ任せの露出でも、いざとなれば自分で色々考えられる。そんなカメラマンが格好いいですよね。

今回は露出の考え方については述べていませんし、ささっとした話しか話ししかしていません。ここらへんは機会があれば書いていきたいと思います。そこまで待てない、または興味があるという方はぜひお調べください。

ではまた。

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