過去四回に渡って情報をまとめてきたわけですが、ここで一度基本に立ち返ろう。
なんでこんなことやってんのか。
カメラが重いからである。
というか、重いと思っているけど、実際どう違うのか興味があるからである。
PowerShot G5xを購入して1年弱。あまり使わなかった理由が、一眼レフを持ち出すことに慣れ過ぎていたからであって、重いのを重いと思わなかったから。
もちろん、画質とか操作性とか拡張機能(アクセサリー)とか不満はあるのだけれど、G5xひとつで外に出ると楽しいのだ。圧倒的身軽感。というか手ぶら感。
手ぶらじゃないんですけどね。サイフもケータイも持っていっているわけだし。しかし、汗だくになるカメラバッグは、そこにない。
そこで、画質と重量とどこまで妥協できるのかという疑問になってくる。
ということで、ざっくりとまとめ上げていこう。
こういう記事って需要あんのかな。俺にとってのメリット(まとめたという達成感)だけか?
重量のまとめ
システム的な重量(前回までのボディとレンズのセットで計算。三脚とバッグは除く)
ボディとレンズは適当に選んだので、ほんとうに参考にならないんだけど、あくまで目安として。
セットの内容は過去記事を参考にしてください。
センサーサイズ | ボディ重量 | レンズ重量 | 重量合計 | |
高画質コンパクト | ||||
PowerShot G5x | 1型 | 377 | – | 377 |
Cyber-shot DSC-RX100M4 | 298 | – | 298 | |
マイクロフォーサーズ | ||||
OM-D E-M1(明るいレンズ) | 4/3型 | 497 | 1,676 | 2,173 |
LUMIX GH4(普通のレンズ) | 435 | 565 | 910 | |
ミラーレス一眼 | ||||
EOS M3 | APS-C | 366 | 610 | 976 |
Nikon 1 V3 | 1型 | 435 | 390 | 825 |
エントリー一眼レフ | ||||
EOS Kiss X8i | APS-C | 555 | 820 | 1,375 |
D5300 | 530 | 955 | 1,485 | |
ミドルクラス一眼レフ | ||||
EOS 6D(F4通し3本) | フルサイズ | 755 | 2,265 | 3,020 |
D610(広角+高倍率ズーム) | 850 | 1,480 | 1,650 | |
その他のクラス | ||||
α7RⅡ | フルサイズ | 625 | 1,798 | 2,423 |
645Z | 中判 | 1,550 | 2,890 | 4,440 |
完全に同じ土俵で勝負してそうなのはエントリー一眼レフのクラスだけなんだけど、そうするとあんまり重量的には変わらないね。当たり前っちゃ当たり前なんだけど。
マイクロフォーサーズシステムだと、重量差はレンズによってかなり変わってくることがわかります。つーか約2.4倍。ぜんぜん違う。
フルサイズとAPC-Cの一眼レフは、場合によっては重量的な差異は生じにくいこともわかった。(レンズ3本のD5300とレンズ2本のD610の重量差は330gしかない)
ただし本気でステップアップすると、2.2倍の重さ(Kissと6Dの差)になる、と。
α7RⅡと6Dはレンズチョイスはほぼ一緒なんですが、軽くなってる。レフシステム(レフミラー・ペンタプリズム等)がないことに比べて、フランジバック(レンズ後端から記録センサー面までの距離のこと)等の差が出ているのか。レンズも軽いね。本気撮影でEVFって大丈夫?とは思うけど、撮影後のイメージがつかみやすかったりもするし、一長一短。
センサーサイズと重量のグラフを作成した。
縦軸が重量・横軸がセンサーの大きさを表している。これを見て何かお気づきだろうか。
俺にはなんにもわからなかった(汗
無理矢理読み解くと、重いけど高画質の645Zは置いといて、エントリークラスのAPS-C一眼レフと軽量システムのフルサイズだとほとんど一緒の重さ(さっきも書いた)ということ。
そしてセンサーが大きくなるとシステム的には重くなるという事実がはっきりしたくらいか。
表にあんまり意味なかったな。あ、いや、視覚的にわかったということで。でないと俺がかわいそう。表はこの後も色々判断するために作っていく。何かわかってくるといいんだけど。
面積あたりの画素数
今のカメラはデジタルカメラが主流であるからして……みたいなことを書くとちょっとくらい箔が付きそうなんだけど、きっと誰も読まない(この時点で誰か読んでるかな)から、さらっと。
二台のカメラが同じ1000万画素だったとして、片方はフルサイズ・もう一方はAPS-Cだったら、面積あたりの画素数は当然変わってくる。何が言いたいかって言うと、面積あたりの画素数に余裕がある(少ない)方が、光を取り込むための機能にも余裕があるということ。結果としてきれいに写せる可能性が高くなる。
わかりやすく画素(1万画素単位)を面積(平方㍉)で割ることにした。
で、重量と面積あたりの画素数の比較がこちら。
相変わらず縦軸が重量である。
重い機種のほうが総じて面積あたりの画素数が少ない。センサーが小さい機種の方がやはり詰め込まれている感じなある。1型センサーの3機種ははるか端の方にいってしまった。
ここで光ってくるのがD610というか、高倍率ズームレンズで固めたフルサイズ。この無理してない感が漂うポジショニング。明るめのレンズでシステム組むとやはりフルサイズは重い。
そして相も変わらず孤高の頂に登ろうとする645Z。別格感がすごい。
ただ、面積あたりの画素密度でいうと、フルサイズ陣営とあんまり変わらない場所にいる。単純に面積が大きいから解像感が高い、ということになるのか。
表の中心にあるAPS-Cサイズとマイクロフォーサーズは団子化してる。そうやってこの辺見るとAPS-Cにこだわらない規格を進めた気持ちがわからんでもない。今のAPS-Cとあんまり解像感が変わらないのであれば、コンパクト化が進められるからね。結局は面積が小さい分不利な感じは否めないけれど。
センサーサイズ・画質・重量としてみると、α7RⅡがいいところにいるんだよね。難点は前述の通り。
ここまできて、本当に何をやっているのかわからなくなってきた。
もうちょっとだけ頑張ろう。
重いと高いのか
重い、ということは大きいということでもある。特にレンズに使う硝材と本体のセンサーは高い。ということで、実勢価格(キタムラのネット販売価格)で出してみよう。今までの集計はメーカー希望なんで、実売とはかなりかけ離れると思うんで。
また、システムごと変更する場合(マウント乗換とか言われるやつね)の目安金額は僕が知りたい。
結果的にはだいたい予想がついていると思うけどね。
というわけで、下がその表。合計金額は集計(2016/9/19)時点。ちょっと前で申し訳ない。
最新の金額はリンクからどうぞ。
ボディ | 広角 | 標準 | 望遠 | 合計(税込) | システム重量 |
G5x | – | – | – | 65900 | 377 |
RX100M4 | – | – | – | 106980 | 298 |
E-M1 | ◯ | ◯ | ◯ | 403070 | 2173 |
GH4 | ◯ | ◯ | 216580 | 910 | |
M3 | ◯ | ◯ | ◯ | 116380 | 976 |
1 V3 | ◯ | ◯ | ◯ | 150010 | 825 |
X8i | ◯ | ◯ | ◯ | 116180 | 1375 |
D5300 | ◯ | ◯ | ◯ | 165900 | 1485 |
6D | ◯ | ◯ | ◯ | 504890 | 3020 |
D610 | ◯ | ◯ | 374290 | 1650 | |
α7RⅡ | ◯ | ◯ | ◯ | 798948 | 2423 |
645Z | ◯ | ◯ | ◯ | 1793330 | 4440 |
でもって、集計の結果がこちら。
そう、大体予想通りになりましたね。
縦軸が重量、横軸が金額。集計から645Z外したほうがいいんじゃないかと思うくらいかけ離れてますが……。
OM-D E-M1がなかなかの重量を誇っています。しかしまぁF2.8通しのズームで組んで、F4辺りのフルサイズより軽いわけだし(これも既出)、開放値を取るのかセンサーサイズを取るのかみたいな感じですか。
結論
好きなの買え。
こうやって見ていると、一長一短というかセンサー『大きい=高い=重い』で、やっぱり間違いない。かと言って小さいからだめって感じでもないんだよね。
実際、写真は感性というか計算というか色々なもので成り立っているわけで、その中に機械的な性能ももちろん含まれるのです。いくらiPhoneがキレイに撮れるからって、白く輝く滝の流れもバッターボックスで構えるバッターの横顔も撮れないんだ。
そして、レンズこそ資産になる。きちんとしたレンズは10年以上使えることが多い(し、僕も10年以上使ったレンズがある)けど、ボディは消耗品。特にデジタルカメラになるともうどうしようもない。
いいレンズを安いボディにつけるのと、安いレンズをいいボディにつけるのとじゃ、前者のほうがきれいに写るし、その逆はありえないと思う。
重量と予算から、まず買えるだけいいレンズを用意して、それからボディ、だと思うんですよ。持っていかなくなるような重量なら、そもそも持ち出さないのでもったいないし、そんなのはお金持ちのインテリアにしかならんわけです。もちろん、インテリアにしてもらってもいいんですけどね。せっかくなら写真撮ったほうが楽しいじゃない。
重い重いと言ったって、やっぱりフルサイズでいいかな、と個人的には思った結果になりました。色々悩んで見ていったけど、重さにはそれなりに意味があるのかなって。
お散歩用にはG5xもあるし、むしろ今度出たEOS M5が欲しい。物欲だけは増えていく。
どうしても結論付けるならこの順かな。あくまで個人的なものだけど。
- フルサイズでいいレンズ(重い・高画質・高い)
- APS-Cでそこそこのレンズ(やや軽め・比較的高画質・やや高い)
- マイクロフォーサーズでいいレンズ(やや重い・比較的高画質・高い)
- APS-Cミラーレスでそこそこのレンズ(軽め・そこそこいい写り・そこまで高くない)
この順って、システム拡張というか、交換レンズとかのアクセサリーが増やせるかどうかっていうところも入ってるんですよね。
ミラーレスは正直、あんまり拡張性能が良くない。良くないんだけど、一眼レフ系のアクセサリーが流用できるのもあるから、コストや使い勝手はどうかと思うけどできないことはない。
Nikon1は……そうね、個人的にはそれならコンパクトカメラで良くない?とは思う。なんであのシリーズなんだろう?いっそマイクロフォーサーズでやれば良かったのに。ボディもそんなに軽くないんだよね。
EOS Mはあえて暗いレンズでラインナップしてるのかな。軽量優先?ミラーレスで出遅れたから、金額とかそういったもので取り込みかけてるのかな。
どっちにしても、ミラーレスは金額とデザインで取り込む、メーカーとしては裾野だと思うので、頑張って欲しい。
マイクロフォーサーズは多くはないけど頑張ってると思う。ネックはレンズだよね。選択肢が少ないというか、かぶってるものが多くて、欲しいタイプのレンズが見つかりにくいとか。軽いシステムに重量級のレンズとか、まじでどうかと思う。野球かサッカーかアメフトでも撮るなら使いやすいかも。
結構時間かけて書いた割には結論がどうしようもなかったんだけど、個人的には満足かな。本当に個人的な満足感だけで書き上げてしまった。
なんかリクエストあったらそれで書きます。
ではまた。