みなさんこんにちは
先日、ソニーからα99Ⅱの国内投入がアナウンスされましたね。いっつも海外先行で……の声が聞かれますが、それと同時にソニーAマウントととして最終モデルになるのでは?といった声も聞こえてきます。
実際のところ、発売もされていないモデルが最終になるのかなんてわかりませんが、モデルから読み解いてみましょうか。あくまで記事は個人的な見解に基づいたものです。どう受け止めるかはアナタ次第、ということで。
ちなみにソニーのα、以前はミノルタのブランドとして『αショック』を起こし、キヤノンEOSシリーズを始動させた実用的なAF一眼レフのパイオニアとして知られるシステム群です。
目次
発売日、スペック等簡易まとめ
比較としてα99とα77Ⅱ、α7RⅡを掲載します。
また、より優位な項目に色を付けました。
※……TLM(Translucent Mirror Technology(トランスルーセントミラー・テクノロジー))
※……ソニーストアの価格は2016年9月30日時点での掲載価格です。α99Ⅱのみ2016年10月8日に追記しました。
発売に関する情報はこちらもどうぞ
α99Ⅱの発売日が決まりましたね!
スペック比較考察
こうやって見ると、ソニーのカメラも一時の飛び道具的な進化は少ないですね。基本機能をブラッシュアップさせる選択に移ってきているような感じがします。
また、α99Ⅱはα7RⅡに比べてボディサイズが大きいことを活かして、連続枚数などの性能を上げてきています。ボディが大きいことは発熱対策などに有効ですからね。
そういった意味では、性能的にかなりのところまで上げてきましたね、今回のα99Ⅱ。
国内投入モデルの金額がどれくらいになるのか次第ですが、Aマウントユーザーならば買い換え選択肢としては充分でしょう。マウント変更してまでEマウントに変更するメリットは薄そうですね。
ソニーはAマウントをどう考えているんでしょうか。
なんでα99Ⅱが最後と言われてしまうのか
ボディラインナップからAマウント・Eマウントの流れを見ていこうと思います。
Aマウントボディ発売年順まとめ
2006年……α100
2007年……α700
2008年……α200・α300・α350・α900
2009年……α230・α330・α380・α550
2010年……α33・α55
2011年……α77
2012年……α37・α57・α65・α99
2013年……α58
2014年……α77Ⅱ
2016年……α99Ⅱ(11月25日発売予定)
Eマウントボディ発売年順まとめ
NEXシリーズは除く
2013年……α7・α7R
2014年……α5000・α5100・α6000・α7S・α7Ⅱ
2015年……α7SⅡ・α7RⅡ
2016年……α6300
ボディラインナップに関する考察
2010年のα55でAマウントシリーズの現行基本路線が固まり、α77からα99へと年々ブラッシュアップを行ってきたシリーズが、2013年にはα55(57)後継の廉価版のα58のみとなった。また、翌年(2014年)にはα77Ⅱが出たものの、2015年には国内投入モデルなし。
それに合わせるように、Eマウントフルサイズ一眼のα7が2013年に登場。毎年モデルチェンジとバリエーションを増やす形を取りながら展開。
α99Ⅱ発表後のソニー製一眼レフのラインナップはEマウントボディ9種類(α一眼系が6機種・NEX系が3機種)に対して、Aマウントボディは2機種に留まっています。
ラインナップ上、新規ユーザーを取り込む廉価価格帯としてはNEX後継機がその役割を担っている状況ですので、ステップアップユーザーはEマウントで進行することになるわけですね。じゃぁAマウントユーザーは、となると旧ミノルタユーザーの継続利用、という事なんでしょうかね。ユーザーを逃さないためだけなら、正直今回のような盛り込み方はしなくても良さそうなんですが……。
現行のレンズラインナップから考える
焦点距離とか表にしようと思ったんですが、手間がかかりすぎるので諦めました……。
Aマウントレンズまとめ
フルサイズ総本数……20本(ズーム6本/単焦点11本/魚眼1本/マクロ2本)
うち、F2.8通しズーム4本(16-200mm)
その他コンバータレンズ2本
APS-C総本数……12本(ズーム9本/単焦点2本/マクロ1本)
うち、F2.8通しズーム1本(16-50mm)
いずれもF4通しズームなし
Eマウントレンズまとめ
フルサイズ総本数……18本(ズーム9本/単焦点7本/マクロ2本)
うち、F2.8通しズーム2本(24-200mm)
F4通しズーム4本(16-200mm)
その他コンバータレンズ4本
APS-C総本数……15本(ズーム9本/単焦点5本/マクロ1本)
うち、F2.8通しズームなし
F4通しズーム3本(18-105mm)
その他コンバータレンズ2本
レンズラインナップからの考察
内容的には拮抗しているようにみえるが、実際には大型かつ高額なレンズはAマウントに、コンパクトなF4通しレンズはEマウントに偏っている。後発のEマウントはフランジバックが小さいこともあって、マウントアダプタでAマウントレンズが公式に使える。
Eマウントに大口径ズームレンズが少ないのは、ボディとの重量相性も含めての設定だろう。旧ミノルタからのユーザーは古い設計の軽量レンズか、単焦点レンズを中心に使う以外は大きく、重たいレンズが必要になる。
ちなみに、ニコンだとコンバータ抜いて86本(フルサイズ+APS-C)ある。2マウント体制のソニーと比較しても仕方がないのかもしれないが、2マウントで65本(Aマウント32本・Eマウント33本)のソニーとは比較にならないラインナップだ。1マウントに統合できれば、レンズ製品群としても整理できるとは思うが……。
Aマウント新製品としては2015年6月に16-35F2.8が発売されている。ボディの新型投入はなかったが、レンズは投入していることから即座にマウント統一を検討しているわけでもなさそうだ。
プロサポート体制から考察する
ソニーユーザー向けのプロサポート
ソニー・イメージング・プロ・サポートの入会資格は以下の通り(以下引用:ソニー・イメージング・プロ・サポート)
- 写真や動画の撮影を職業としているプロフェッショナルの方であること(ただし、アシスタント、アルバイトもしくはそれに準じた形で撮影をしておられる方、または写真学校等の生徒の方のご入会はご遠慮願います。)
- ソニー製一眼カメラαまたは、サイバーショットRXシリーズを計2台以上、かつソニー製交換レンズを3本以上を所有していること(入会時点で保有機材の台数基準を満たない場合でも、入会いただける場合がございますので、入会受付窓口までご相談ください。)
- 国内に居住していること
- プロフェッショナルとしての良識と品格を備えていること
- My Sony IDの登録手続きをしていただけること
- 「ソニー・イメージング・プロ・サポート利用規約」にご同意いただけること
必要な書類等は以下の通り
- ソニー・イメージング・プロ・サポート入会申込書
- 機材リスト
- 写真や動画の撮影を職業としていることが証明できる資料
過去1年以内に、申込者がプロフェッショナルとして撮影された成果物を計3点以上。
雑誌、ポスター、カタログ、パンフレット等の写真印刷物 または画像
動画の場合は、BD、DVD等の媒体でご提出ください
Web掲載の写真・動画の場合は、プリントアウトの上 URLをご記入ください
※クレジットが無い場合は、申込者が撮影したことが証明できる資料を合わせてご提出ください。
(クライアントから撮影を受託した請負契約書、発注書の写し等) - 名刺 1枚
仕事で使用しているもの - 身分証明書のコピー 1枚
運転免許証・パスポートまたは、顔写真付きの公的な身分を証明するもののうち1つ
入会金は5,000円、年会費は10,000円だ。
サポートとしては以下になる
- 登録機材の修理代金特別割引
- 登録機材のイメージセンサークリーニング代金特別割引
- 登録機材修理期間中の代替機材貸出
- 購入検討機材の試用貸出
- 会員向け製品購入割引
- 会員向け各種情報の提供
- 専用窓口でのサポート (銀座)
コンパクトカメラのRXシリーズでいいっていうのに驚きますが、このために機材が満たなくてもという文言があるんでしょうか?ボディ台数はともかく、所有レンズ本数も他社プロサポートに比べると少ないようですね。
あまりプロ向け機材にAマウントは関係なさそうです。ただ、ソニー製交換レンズという形を取っていますので、ミノルタAマウントレンズを継続使用している人は対象外、とも受け取れます。レンズ選択肢の種別からいくと、Eマウントが優勢。ただし、今度のα99Ⅱなら動き物への追従次第ではあるけれど、プロ向けの性能はひと通り備えていそうなのでα7RⅡで獲得したプロフェッショナルユーザーの移行もありえるかもしれない。どれくらい購入割引してくれるんでしょうね?
まとめ
うがった見方をすると、α99Ⅱは最高のスペックを持って長期的にフラッグシップの座を守り続けるモデル、とも見えます。各社とも高画素競争・高感度競争など一時期のような派手な数字での勝負がなかなかできなくなり、特にソニーは数字上の競争にはひと通りの勝利を収めたと言っても過言ではないかと思います。
後の問題は、プロやハイアマチュアに対するシェアの確保でしょう。
プロが使い、そのイメージをハイアマチュアが持つ、そこから裾野のエントリーユーザーへという一連の流れをソニーが欲しているのか。またはパナソニックやカシオなどのようにエントリーユーザーからの流れがほしいのか。現状では先の販売スタイルのように見えます。
ペンタプリズムを擁する旧来の一眼レフ(従来通りのデザイン、という意味です)は、高年齢層を中心に根強いイメージを持って取り扱われています。ソニーは電気製品へのシフトを強力に進め、トランスルーセントミラーや電子ビューファインダー(EVF)の搭載を行ってきました。
α99Ⅱが僅かに膨らんだペンタ部を持っていることも、ミノルタから引き継いだフラッグシップモデルたるAマウントのイメージの兼ね合いかもしれません。ミノルタはもっと派手なペンタ部を持っていましたけどね……。
不動のフラッグシップとしてのα9系という意味合いならば、Aマウントはしばらくそのまま残るとも考えられます。栄光のフラッグシップ、という意味ならばゆっくりとした収束のモデルになる可能性も秘めていますが。
少なくともこのモデルでソニーはAマウントモデルのフラッグシップからしばらく手を休めることができるのは間違いないと思います。その間に、Eマウントシステムの拡充を続けて行くことをソニーが狙っているように見えるのですが、どうでしょうか。
どちらにせよ、このモデルがソニーのひとつの転換点になりそうな気がします。Aマウントユーザーなら、間違いなく買って後悔しないモデルであると。そしてしばらくはAマウントが残ることも確実なモデルとなりました。
来年以降のモデルも楽しみになってきましたね。
ではまた。
※アイキャッチの画像はソニーより引用しました。
※2016/10/8 α99Ⅱ画像・リンクを入れ替えました。