フルサイズはボケるって本当なの?

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みなさんこんにちは

色々と書きたいことがあるんですが、年末は忙しいのです……。そして年が明けると年度末がやってきますね。ここらへんは一括できないものなのでしょうか。

とりあえず、先日『フルサイズじゃないとボケないよな。そのうち全部フルサイズになるんだよ。そうだろ?』って同意を求められるケースがあり、素直にそうですねと言えなかったのでフルサイズがボケると言われる理由についてまとめてみました。

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センサーの大きさをおさらいしよう

それぞれが搭載しているセンサーについて比較してみましょう。

フルサイズ

35mmフィルム(135サイズ)と同じ大きさのセンサーを搭載したカメラのことです。

キヤノンだとEOS7Dシリーズを除いた一桁モデルが該当します。僕が使っている5Dシリーズもフルサイズですね。

ニコンだとFXフォーマットと呼ばれています。各社で微妙にサイズが違うのですが、だいたい36×24mmの大きさに近くなっています。

レンズに表記してある焦点距離(24-105mmとか)が、そのまま写ります。

APS-C

以前のフィルム(IX240)のC規格に近いセンサーサイズを採用したカメラのことです。

キヤノンではEOS7Dシリーズと、二桁以降のシリーズが該当します。所有したことはありませんが、7DやKissは使ったことがあります。

ニコンではDXフォーマットと呼ばれています。これも各社で微妙にサイズが違うのですが、キヤノン以外は表記してある焦点距離の約1.5倍(50mmだと約75mm)、キヤノンでは約1.6倍(50mmだと約80mm)の範囲で写ります。

以前のEOS-1DシリーズだとAPS-Hサイズを採用したものもありますが、ここでは忘れましょう。

マイクロフォーサーズ(4/3型)

デジタルカメラのセンサーでは唯一、規格化されています。

カメラではオリンパスやパナソニックが採用していますね。この2社は現在、フルサイズやAPS-Cサイズのカメラを生産していません。

センサーサイズが4/3型だからフォーサーズというわけです。17.3×13mmのセンサーを搭載しています。表記してある焦点距離の約2倍の範囲(50mmだと約100mm)で写ります。

パナソニックのLUMIXシリーズやオリンパスのpenなどが採用していますね。

1型

高級コンパクトカメラや、ミラーレスカメラなどで採用されているサイズです。

キヤノンだとpowershot G1xシリーズを除いた一桁モデルに採用されています。僕が使っているG5xもそうですね。

ニコンではCXフォーマットと呼ばれています。Nikon1シリーズや、まだでてないですがDLシリーズなどに採用されています。

その他、ソニーRX100シリーズなども1型センサーですね。

各社で微妙にサイズが違うのですが、だいたい表記してある焦点距離の約2.7倍(50mmだと約135mm)が写る範囲です。

ということで、センサーサイズを比較しましょう。

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それぞれ結構な違いがありますね。こうやって見ると、やはりフルサイズの大きさに驚きます。

一覧で見るなら、表を用意していますのでこちらでどうぞ。

センサーサイズ

イメージセンサーとイメージサークルの関係性

焦点距離の約○倍みたいなことをセンサーのところで書きましたが、なぜそうなるのかも確認しておきましょう。

できるだけ簡単に書きたいなと思いますが、ややこしかったらごめんなさい。上述の図でわかるようなら読み飛ばしても構いません。

イメージサークルってなに?

そのレンズが正常に像を結ぶ範囲のことです。

厳密な話をすると難しくなるので、だいたいセンサーの大きさと同じ大きさだと思ってもらえればいいです。

レンズは丸いのに写真は四角いよね?と思った事ありませんか?

あれは実は、丸いイメージサークルを切り取っているのです。上下左右を半月状に切り取って四角くしているのですね。初めは丸いフィルムを作るのが大変だったからかな?とは思ってるんですけど。四角だと大きめに作って切ればいいし。上下が分からなくなるかもしれませんしね。

ロールフィルムの時代になると……って別にいいですね、この話。

ともかく、センサー(フィルム)に合わせた範囲でイメージサークルは作られています。大きなセンサーの場合は、大きなレンズで大きなイメージサークルを作る必要があるのです。だから一眼レフ用のレンズは大きくて、コンパクトカメラのレンズは小さいのですね。

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上の図はやっつけで作ってるので見苦しいですが(笑)、赤がイメージサークルだと思ってもらうといいかと思います。場合によっては緑までOKのラインです。青は像が映るものの、撮影には適さないエリアですね。

もっとも、この線引は現実にはありませんし、範囲もそれぞれのレンズで違います。イメージとして捉えてもらえれは充分です。

焦点距離の考え方

難しいことをいうと、主点とか焦点とか出てくるので省きます。撮影するにはそれほど必要ではないからですね。しかし、焦点距離の考え方だけは覚えておきましょう。

焦点距離というのは、対象物(被写体)がレンズを通した時にどのポイントで像を結ぶか、ということです。すでにややこしいですね。

図で確認してみましょう。画像はお借りしてきました。

lens_image_1

引用:Wikipedia「焦点距離

上図はWikipediaから引用してきたものですが、矢印が被写体です。そして、そこからレンズを通して主軸に交わる点があります。この交わる点の部分が焦点です。

レンズから焦点までの距離の事を『焦点距離』といいます。望遠になるほどこの焦点距離が長くなります。

カメラの場合、この焦点部分はフィルム(センサー)として決まっています。ですので、レンズの位置を前後して望遠にしたり広角にしたりしているのですね。

上記画像はニコンから引用しました。右が望遠レンズですが、左に比べてレンズの位置が撮像素子(センサー)から遠くなっていますね。焦点距離が長くなっている、ということです。

この焦点距離というものは、センサーのサイズなどで決まるものではなく、レンズが像を結ぶ距離を表しているもので、その値は一定です。

35mm換算って?

さっきイメージセンサーは、センサーサイズに合わせて設定されている、と言いました。

そして焦点距離はセンサーサイズによらず、一定であることも確認しました。

しかし、センサーサイズとイメージサークルの関係で、写る範囲には変化があるのですね。

ライカができてから、写真の歴史は……もとりあえず置いといて、フイルムの時代が長かったのです。今後どうなるのかはわかりませんが、プロを中心に結構な数がフィルム時代を知っているのです。その時に身につけた画角(見え方)はとても大切で、スムーズに撮影を行う上で必要なことなのです。

そのため、35mmフルサイズで撮影した時だと何mmくらいで写るのか、という目安があるのですね。

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フルサイズ用イメージサークルを使用する

フルサイズ用のイメージサークルを載せてみます。比較はキヤノンAPS-Cですが、イメージサークル内のかなり小さな部分で撮影することになりますね。円の上下が切れているのは図の作成に失敗したからです。細かいことは気にしないでくださいね。

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APS-Cサイズ用イメージサークルを使用する

今度はイメージサークルをAPS-Cに合わせてみます。35mmフルサイズではイメージサークルが小さすぎます。

つまり、APS-C用のレンズでは原則として、35mmフルサイズのカメラでの撮影はできないのです。

上の2枚のイメージサークルが同じ焦点距離として設計されている場合、仮に50mmレンズのイメージサークルとして設計されている場合ですが、フルサイズ用イメージサークルではそのうちから切り出して撮影していることになります。トリミングして望遠に見立てているのと同じ、ということです。

イメージサークルはセンサーサイズで焦点距離が変わることはないと前述しています。つまりAPS-C用のイメージサークルはあらかじめ、イメージサークル上でトリミングしているような状態ですね。なぜ、そのようなことをするかというと、その分レンズが小さくできるので、結果として軽く・安価なレンズが作れるからです。

実際のところどうなの?

ということで、実際にどのように見えるのか確認してみましょう。

同じレンズだとこう見える

同じ焦点距離を使用して撮影した場合、先程記載したとおり望遠のように見えます。一見ボケが大きくなっているようにも見えるかもしれません。しかし実際には焦点距離が変わらないのでボケ量としては同じです。今回は同じ写真のトリミングで対応していますが、実際の仕組みも一緒です。

マイクロフォーサーズだけ高さが違いますが、これはフォーマットの縦横比が違うためですね。

同じ画角だとこう見える

画角(見える範囲)を揃えた場合、当然同じ範囲が写ります。しかし、実際にはAPS-Cなどの小さいセンサーになればなるほどより広角のレンズが必要になるのです。つまり、同じ範囲を撮影するならより望遠になるフルサイズのほうがボケやすい、ということですね。

上の画像は距離としてはほぼ無限遠になっているため、ボケはほぼ得られていません。あと、フルサイズで撮影後にトリミングで換算したので、焦点距離はばらついています。イメージとして捉えてもらえればいいのかなと。

逆説的に考えると、ボケの効果が少ない状況では、フォーマットによる差異は少なくなるとも考えられますね。

結論

結論としてはフルサイズのほうがボケを得やすい、と言うことです。しかしそのためには、より大きく・重く・高価なレンズが必要になってきます。当然体力は必要になり機動力は落ちてしまいます。

忘れてはいけないのは、この比較は絞り値が一定の場合であるという条件があるのです。絞りを開けば(小さい数字にセットすれば)よりボケが得やすくなりますので、ボカすということであれば、小さいセンサーでも明るいレンズを使用する方法が取れるのですね。その分大きなレンズが必要になってきますので、そうなると重量や価格のアドバンテージは少なくなってくるのですが……。

そして、他のレンズがボケないというわけではないのですね。同じ焦点距離なら、ボケの量は同じということでもあるのがお分かりいただけたのではないかと思います。

『フルサイズだからボケる』のではなく同じ画角の場合、『(より望遠が使えるので)フルサイズのほうがボケる』のです。ちょっとした言葉の違いに見えますが、前提になる言葉があったのですね。ただ、ここを知らないと様々な情報に踊らされてしまいますので、しっかりと押さえておきましょう。

ボケを活かした撮影がしたい!という方におすすめのレンズ

標準前後の単焦点レンズ

開放絞り値が明るい単焦点レンズは、フォーマットが小さいカメラでもより多くのボケが得られるのでおすすめです。一眼っぽい写真を撮りたい!ということなら1本持っておくと撮影のバリエーションが広がりますよ。

Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 STM フルサイズ対応 EF5018STM
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Nikon 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G ニコンDXフォーマット専用
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マクロレンズ

より近づいて撮影すると、さらにボケを得ることができます。そんなときはマクロレンズが便利。三脚があるとブレのない写真が撮れますよ。

TAMRON 単焦点マクロレンズ SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD キヤノン用 フルサイズ対応 F004E

大口径望遠レンズ

大口径でかつ望遠だと、フォーマットの差以上にボケる。ただし、大きく重いレンズになることは覚悟が必要です。

SIGMA 大口径望遠ズームレンズ Art 50-100mm F1.8 DC HSM キヤノン用 APS-C専用
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実は、すんごいボケが得られるフォーマットに大判カメラというものがあります。とてもでかいフィルム(A4サイズよりやや小さい8×10インチとか)を使うんですが、あの人達ってボケすぎるんでものすごく絞って使うんですよね。僕の好きなアンセル・アダムスが所属してたグループとかグループ名がf.64(最も小さい絞り値を指している。隅々まで写し取れるように)ですし。ボケだけが写真じゃないってことですね。

っていっても、ボケという文化が日本発祥のようなものなのでね。写真用語のボケって、海外でもボケで通じるらしいですね。試したことないので本当かどうかは知りませんが。

まとめ

いかがでしょうか。ちょっと小難しい話が多くなってしまって、申し訳ないなとは思ったのですが、撮影を行う上で知っておいたほうがいい知識をまとめてみました。

実際のところ、本当に大きな写真に引き伸ばしてしまうとボケが大きくなりすぎて(今回触れてはいませんが、より大きく引き伸ばすとボケも大きく見えてくるのです)使いづらくなったりします。最終的にどう使いたいのかを判断して撮影することが大切なのです。

ぶっちゃけスマホやタブレットで鑑賞する程度の大きさなら、あまり違いがわからない可能性のほうが高いのです……。

まぁ、所有感を満たしたいとか筋トレしたいとかお金があり余ってるとか、本当に必要だとか理由は色々あるとは思いますのでフルサイズが気になるなら、一度持ってみるのもいいかもですね。

僕ですか?僕は換算何ミリとか考えるのがどうしても苦手なので、フルサイズにしただけです。デジタル時代から写真を始めたのなら恐らくマイクロフォーサーズ使ってたんじゃないでしょうか。小さいカメラが好きなのです。体力も金もないので、軽くて安いに越したことはないですからね。

駄文が続いてしまいそうなので、今回はこのへんで。

ではまた。

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