みなさんこんにちは
前回に引き続き、知覧ねぷた祭りの情報をお届けしております。
といっても前回は地域のお祭『祇園祭』でしたし、今回は『水からくり』です。次回はなんとしてもねぷたのお話をしたいと思いますので、どうぞ今回もお付き合いください。
前回の記事はこちら
水からくりとは
水車からくりは,水車を動力としたからくり人形で全国でも薩摩半島南部の万之瀬川流域にのみ伝わる民俗芸能です。その中でも豊玉姫神社の六月灯(7月9日・10日)に上演されるからくりは,多くの人形で構成され人形の手足が動きストーリー性のあるものです。
毎年異なる演目で上演され,知覧地域の夏の風物詩として多くの見物客でにぎわいます。引用:南九州市ホームページ
ということですね。
まさにその通りなんですが、せっかくなので行った記録でも。
知覧ねぷた祭りの水からくり
通常、水からくりは上記にもある通り、7月の9日10日に行われるものなんですね。
このタイミングを逃すと、次に見る機会は一年後ということになってしまいます。しかし知覧ねぷた祭りがあるこの日だけは、また水からくりを見ることができるのです。
水からくりは毎年異なる演目で上演されています。動力源はそのものズバリ『水』です。
豊玉姫神社の前を流れる小川から動力を取り、実演しています。
音声・ナレーションは吹き込みですね。聞いていると段々とずれてくるんですが、機械的な動きのためなのか嫌らしさは感じません。
今年は『扇の的』が上演されていました。
扇の的
夕刻になり休戦状態となると、平氏軍から美女の乗った小舟が現れ、竿の先の扇の的を射よと挑発。(中略)与一はやむなくこれを引き受ける。
与一は海に馬を乗り入れると、弓を構え、「南無八幡大菩薩」と神仏の加護を唱え、(中略)鏑矢を放った。(中略)『平家物語』の名場面、「扇の的」である。美しい夕日を後ろに、赤い日輪の扇は白波を浮きつ沈みつ漂い、沖の平氏は船端を叩いて感嘆し、陸の源氏は箙を叩いてどよめいた。これを見ていた平氏の武者、年五十ほど、黒革おどしの鎧を着、白柄の長刀を持っている者が、興に乗って扇のあった下で舞い始めた。義経はこれも射るように命じ、与一はこの武者も射抜いて船底にさかさに射倒した。平家の船は静まり返り、源氏は再び箙を叩いてどよめいた。(後略)引用:Wikipedia『屋島の戦い』
平家物語の中でも有名なこの一節、いわゆる『扇の的』や『那須与一』と呼ばれる名シーンです。僕も学生の頃勉強したような気がします。
このあと平家は大敗し、あの壇ノ浦の戦い(安徳天皇の入水)に繋がっていくのです。
日中の激しい戦いと、日が陰ってからの興に乗ったようなこのシーン。水からくりではハイライトで扇の的のシーンを伝えています。
表情の変わらない、無機質ともいえる水からくりですがそれが却って様々な想像を掻き立てます。
浄財のお願い
薩摩の水からくりとも呼ばれる、この水からくりですが資金難に直面しているとのこと。
浄財箱の側にはからくりの仕組みを理解できる展示と、今日の展示『那須与一』にかけた茄子が置かれていました。
素晴らしい展示ですので、お越しの際にはぜひ浄財をお願いしたいです。
アクセス
公共交通機関は不便な土地柄ですが、このあとの知覧ねぷた祭りまで見よう!ということであればぜひ公共交通機関をご利用いただきたいと思います。
豊玉姫神社から知覧ねぷた祭りの会場まで歩くことも可能ですが、ちょっと遠いかも。素直にシャトルバスのほうが楽できそうです。
まとめ
水からくりはその存在を知ってからずっと行ってみたかったものの一つなんですが。今回ようやく見ることができました。そして、その動きの緻密さ・正確さは素晴らしく、とても満足できるものでした。
残念に思うことが一つのセットを行うと簡単に別のセットにできないことでしょうか。それも素晴らしい上演だったからこそそう思うんですよね。他のものも見てみたい、とそう思うのです。
見たことがない、という方にはぜひ一度見ていいただくことをおすすめします。そして、様々な想像力を発揮して楽しんでいただきたいなと、そう感じました。
来年も内容が変わるとなれば、また時間を作って見に行きたいものですね。
ではまた。