みなさんこんにちは
レンズ選びって難しいですよね。特に写真を始めたばかりの初心者で、周囲に詳しい人がいなかったりするとこの上なく。
そして、失敗したくないんです。レンズに限った話ではないですけど。
でも、どうしていいかわからないし、踏ん切りもつかないし。
そんなあなたにお手伝いができれば、と思って書いてみました。というか、レンズは不満がないものを一通り持ってて、しばらく買う予定がないということもあるんですよね。欲しいレンズはあるんですけど。
最近長いですが、今回もちょっと長いです。
そして今回は、僕の初めてのレンズ選びを基に考えていきましょう。
僕の手元には今、カメラの種類を問わなければ約20本超のレンズがあります。選んで買ったものも、セットでついてきたものも含めてです。そのうち、(1本は諸事情で手元にないため)常用レンズは5本。これは大抵の撮影に持ち出すか、少なくとも月に一回以上出番があるレンズです。
ただ、僕にも初めての一本を真剣に悩んだことがあったんですよね。今でもレンズを買うときはすごくすごく悩みます。お金もかかりますし、失敗したくないし。
初めてのカメラは、残念ながら今はもう手元に残ってません。ですので、モデルケースとして似たようなセットを想定してみます。
キヤノン製入門用一眼レフカメラ+ダブルズームキットです。高校生の頃にバイト頑張って買いました。仮に入門用デジタルカメラとして、焦点距離などを今のレンズに当てはめると
- 社外品 APS-C用 17-50mm F4.5-5.6(簡易マクロ付)
- 社外品 APS-C用 50-200mm F4.5-6.3
こんな感じでしょうか。手ぶれ補正・超音波モーターのいずれもなしという現在では帰って珍しいと言える内容。もちろん、当時はこれが普通でしたし、そもそもフィルム時代に始めたのでこんな焦点距離でもなかったです。今でいうフルサイズ向けレンズですからね。
とりあえず、ってことで。
目次
今のレンズを見直そう
まず、自分のレンズを改めて見直しましょうよ。なぜ、新しいレンズを買おうと思ったんですか?
今より……をつけて見てみましょう。欲しいレンズの大まかな特徴が見えてくるはずです。
- 大きく写せるレンズが欲しい (望遠やマクロレンズなど)
- 広くを写せるレンズが欲しい (広角レンズなど)
- ぼかせるレンズが欲しい (大口径レンズなど)
- 見た目がかっこいいレンズが欲しい (オシャレなレンズ)
- 軽いレンズが欲しい (小さいレンズなど)
- 近寄れるレンズが欲しい (マクロレンズなど)
- ブランド力のあるレンズが欲しい (有名なレンズなど)
- ブレに強いレンズが欲しい (手ぶれ補正や大口径レンズなど)
他にもたくさんありますが、代表的なのはこんなもんですかね?
まずは今の問題点を洗い出さなければ、いつまでたっても最終決定ができません。
そして、より具体的な理由をみつけましょう。『大きく写せるレンズが欲しい』なら、どれくらい大きく写したいですか?
- 道端のタンポポを画面いっぱいにしたい? (マクロレンズ)
- それとも、運動会に参加する子どもを画面いっぱいにしたい? (望遠レンズ)
- 実は大空を飛ぶ戦闘機を画面いっぱいにしたいんじゃないですか? (超望遠レンズ)
撮りたいモノってヒトによって違いますけど、まずは目的をはっきりさせるのが大切です。あやふやな目的ほど到着を迷わせるものはないですからね。
僕の場合
さて、僕の場合はもう少し写りがいいレンズが欲しかったです。(あやふやですね)
交換レンズを買い換えようと思ったのは、色々理由があるんですが、一番大きいのは以下の話。
写真の批評会があったんですよ。そこで講師が順に見ていって評価をしていくんですけど、僕の写真を見て
「なんやこのボケ(ピントが合ってない所のことです。罵倒されたわけではありません)、きったないなぁ。やっすいレンズ使ってるんやろ」
って言われたんですよね。実際に安いレンズなんですけど、当時頑張ってバイトして買ったカメラとレンズです。
その時使っていたのが標準ズームでした。なので、ボケがきれいで写りがいいレンズが欲しい、と思ったんですね。
詳しく話すと悲しくなってくるので次に行きましょう。
条件としては『ボケがキレイ』となりますね。
条件を決めよう
さて、欲しいレンズの特徴が決まりました。では条件を決めましょう。
ここでいう条件とは、購入にあたって最大限譲歩できる条件です。もしも新しいレンズ購入を検討中のあなたが、有り余るお金と体力その他を持っているなら無視していただいて大丈夫です。
- 予算はいくらですか?安いほうがいいですか?予算ギリギリまで攻められますか?
- 今のレンズと比較して、どれくらいの重さまでいけそうですか?
- 今よりどれくらい近寄りたいですか?
- 今よりどれくらい広く(または大きく)写したいですか?
- 絶対にこれがいい(または嫌な)ブランドはありますか?
- 今のレンズに足しますか?それとも入れ替えますか?
- カメラバッグの中にはどれくらいの大きさまで入りそうですか?
- 家族には内緒ですか……?
ざっとこんなもんでしょうか。最後のは今は無視していいんじゃないかな?
2・3本目とかそれ以上になると、ちょっと家族の目が厳しくなってくるでしょうが……(笑)
すべての項目で埋める必要はありません。ただ、決められるならある程度条件を出しておくべきです。この後の手順で条件が変わることもあるでしょうが、ここで決める最初の条件とは、あなたの希望であって妥協点ではないのです。
ちょっと補足しときますね。
予算は、とりあえず5万円とか10万円とかで大丈夫です。買えないときには増やさなきゃいけませんから(我慢して貯金!という選択肢になるかもしれませんし)。
重さも今より重くなるでしょう。2倍の重さに耐えられますか?くらいの判断で大丈夫。
近寄る能力は必要に応じて。空飛ぶ飛行機とか移動中の新幹線とか、あんまり(というか全く)関係ない被写体もあります。
広く(大きく)は、『画角』というものが関係してきます。ざっくりと今が24mmとして、2倍の広さに写したければ12mmのレンズです。逆に2倍の大きさに写したければ48mm(一般的に50mm)のレンズということです。今と同じ範囲、ということもあるでしょう。
ブランドは……あんまり気にしなくていいと思うんですけど、今のレンズの写りがどうしても嫌で、このメーカーは二度と使いたくない!って場合もあると思うので。
レンズを足すかどうか・バッグに入るかはそのままの意味です。
僕の場合
予算は4万円前後が希望。予算を超えても6万円まで。それ以上は今は無理。できれば予算内で保護フィルターとか買いたいけど、予算ギリギリまで攻めます。大きく超えるならバイト増やさなきゃ。
重さは無視します。重くてもOK。写りのほうが大切。近寄る力も広く大きくも今と同じくらいあればOK。ブランド希望も特になし。
レンズは今の標準ズームと入れ替えをするので、バッグ内にも余裕あり。家族には内緒ですが、自分のお金なので気にしない。
ボケが欲しいので解放絞り値が大きい(明るい)レンズでかつ、ズームレンズが希望です。17-50mm辺りだったら今のと問題なく入れ替えできます。
こんな感じで決めました。実際、当時はバイトしながらの学生生活だったので、予算としても大きくは割けなかったのです。当時決めた予算とは違うと思いますが。
フィルムも買わなきゃいけないし、現像液も印画紙もそう。予算内いっぱいだと給料日まで水飲んで過ごすことになりかねない。今はプリントは後回しでも大丈夫ですね。PCでいつでも見れます。
候補を出そう
どんなレンズが欲しいのか、大体見えてきましたね。そうしたら、候補を挙げることができます。
方法はいくつかありますが、とりあえずは以下の3つ。
- 知り合いに教えてもらう
- お店で教えてもらう
- ネットで見る
知り合いに教えてもらうという方法はこの下の3つ(描写・評判・使い勝手)も一緒にできます。しかも、実体験付きで。難点は製品のバリエーションが少ないことと、ものすごく主観が入ることでしょうか。場合によっては、そのレンズが現行品でないことも。逆に考えるといいも悪いもすごく詳しく知れるチャンスです。
お店で教えてもらうという方法もそうですね。ただ、なにを聞いていいかわからない、ということもあるでしょう。売り付けられるんじゃないかとか不安もあると思います。レンズって一般的に高いものですし、悩んだり迷ったりが普通なんですよ。どちらも杞憂に終わるとは思うんですが、心配ならとりあえず後回しにしましょう。店舗で扱っている商品に限られてきますが、知識は知り合いより多いと思います。他のお客さんからの話でレビューを聞く機会もありますから、情報源としても割と生に近いですけど。
最後に挙げたネットですが、幅広く調べられるというのが最大のメリットです。調べないといけないというのがデメリットでしょうか。欲しい情報にたどり着くかもわかりませんしね。ただ、調べかたは以下の大体2通り。
- カメラ系販売サイトで調べる
- メーカーサイトで調べる
はじめのうちは上の方法がオススメです。メーカーの枠を越えて調べられますので、手間が少ないことと洩れが少ないことがその理由です。
価格.comなんかは調べやすいですね。左側の条件に使うカメラのマウントや焦点距離にをチェックしていくだけです。最安値も表示されますが、ここはとりあえずの参考程度に。どこでで買うかはまた後で。
メーカーサイトは、純正が欲しいとかあのレンズが欲しいとか決まってるならいいですが、そうでないなら狙いが定まりにくくなります。
僕の場合
- ☑キヤノンEFマウント系
- ☑焦点距離(ワイド端)12-18mm
- ☑焦点距離(テレ端)50-70mm
- ☑レンズタイプ:標準ズーム
- ☑価格指定:50,000円まで
この5つです。
出てきた候補は11本。(2016.11.21 AM7:30時点)レンズ名の後ろは表示されていた最安値です。
- CANON EF24-70mm F2.8L II USM /166,000-
- シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM [キヤノン用] /28,180-
- シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM [キヤノン用] /33,398-
- CANON EF24-70mm F4L IS USM /104,980-
- CANON EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM /24,994-
- CANON EF-S17-55mm F2.8 IS USM /104,597-
- TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007) [キヤノン用] /94,580-
- シグマ 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM (キヤノン用) /83,908-
- CANON EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II /21,637-
- TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16) (キヤノン用) /28,648-
- TOKINA AT-X 24-70 F2.8 PRO FX [キヤノン用] /111,580-
この中から条件に沿うものにざっと絞り込みましょう。
CANON EF24-70mm F2.8L II USM /166,000-(高い)- シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM [キヤノン用] /28,180-
- シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM [キヤノン用] /33,398-
CANON EF24-70mm F4L IS USM /104,980-(高い)CANON EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM /24,994-(暗い)CANON EF-S17-55mm F2.8 IS USM /104,597-(高い)TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007) [キヤノン用] /94,580-(高い)シグマ 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM (キヤノン用) /83,908-(高い)CANON EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II /21,637-(暗い)- TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16) (キヤノン用) /28,648-
TOKINA AT-X 24-70 F2.8 PRO FX [キヤノン用] /111,580-(高い)
候補外に線を引いて、その理由を後ろに書いています。大抵の候補は予算オーバー。レンズって高い!そして残ったのが下の3本。
- シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM [キヤノン用] /28,180-
- シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM [キヤノン用] /33,398-
- TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16) (キヤノン用) /28,648-
2のシグマ17-70F2.8-4は悩んだんですが、今より明るいレンズですから、一応候補に入れます。これで焦点距離・明るさ・価格のいずれも条件に合いました。
描写と評価を見よう
レンズが絞り込めたら、その候補が満足できる写りなのか確認します。見るべきところは目的次第ですが、大きく以下の3つ。
- ボケはキレイか(不自然でないか)
- 写真の周辺部分はキレイに写っているか
- 写真の周辺部分は極端に暗くないか
ボケは人によって好みがあります。作例を見て問題なければ良しとしていいでしょう。基準が必要なら、きれいなボケとしての一般的な条件はあります。
- ピント面からピント外に向かってのボケは急激に変質しないか?(なだらかに移行しているか)
- 完全にピント外の部分はエッジがない(ボケの輪郭がはっきりしていない)方がきれいと言われる
- ボケの輪郭が二重になっていないか(二線ボケと言われて嫌がられることが多い)
- 前ボケ・後ボケは同じようにキレイか(前と後のボケかたは異なります。どちらもキレイか、ってこと)
- 色にじみは出ていないか(ピント面ではないため、収差と呼ばれる色のにじみが出やすい)
- ボケは不自然な形状じゃないか(絞りとか、レンズの大きさとか色々な条件で丸くないボケも発生します)
あんまりボケボケ見ててもあれですが、とりあえずこんなところで。前述した通り、基本的には自分が問題ないと思えれば問題ないのです。ボケは表現としてのひとつであって、写真の質そのものを決めるものではありません。
写真の周辺部分はキレイかというのは、実は真ん中がダメなレンズってあんまりないんですよね。でも。光がレンズを通る関係で、周囲の部分がうまくいかないことがあります。ピントがうまくきてないとか、色のにじみがあるとか。流れるとか収差があるとかと言われることがあります。この収差、あらゆる距離とすべてのレンズで発生します。これは必ずです。いかにこの収差を少なくするかがレンズ設計のポイントでもあります。厳密にはちょっと違うところもありますが。
周辺部分が暗くなるのも、普通のことです。しかし、表現上行うのでなければ少ないに越したことはないですね。人によって異なりますが、気にしない人は全く気にしません。気にならないレベルであれば良いと考えましょう。
見比べるには、インターネットがやはり便利ですね。評価も含めて。
- メーカーサイト
- カメラ系販売サイト
- レンズ評価サイト
- 個人系サイト
上の方がベストに近い写り、下に行くほど意地悪な条件が増えることが多くなります。というのも、メーカーは『売りたい』、個人では『使いたい』が先に来るからです。どの写真や文章も参考になりますが、それを踏まえて見るとまた違った視点が得られるかもしれませんね。
僕の場合
この3本を見比べていきます。
サイトに掲載の写真
シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM
引用:SIGMA
左から1枚目は隅々までよく解像していますね。描写も悪くないです。
2枚目も解像は高いです。解像の高さ故か、ボケは二線ボケ傾向が顕著に出てますね。
3枚目も同様です。モノトーンなので、特にそう感じるのかもしれません。
総合的に遠景の描写は悪くないようですが、僕の求める柔らかなボケとはちょっと違うかもしれません……。広角側の写真が載っていないのも気になりますね。
シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
引用:SIGMA
こちらも左端から。1枚目のボケ、大きくはないもののキレイに見えます。こんな感じに写るといいかも。右上のボケからがやや気になりますが、許容範囲です。ピントのきている部分もいい感じですね。マクロの名がついているだけはあります。
2枚目は左右下の隅に色収差がありますが、これも気にならない程度。
3枚目は前ボケですね。これもなかなかいい感じ。やはり隅の描写は甘いですが、F11まで絞ってますね、これ。かなり寄ってるのがわかりますので、レンズの描写としては充分といえそうです。
全体的にいい感じかなと思いました。ただし、このレンズも広角側の掲載はなし。なんだか気になりますね……。
TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)
引用:TAMRON
左端から1枚目はボケがきれいです。なだらかにボケていく感じが伝わりますね。色合いはあっさりめでしょうか。
2枚目は光源が画面内に入っていますが、コントラストもそれほど低下していないですね。広角側での撮影ですが、光源の影響もあって収差や周辺光量の落ちは目立たないです。ちょっと色収差があるかな。気にならないレベルだと思います。
3枚目はスナップです。この写真はやや色収差が出ていますが、これも充分な範囲です。やっぱり色合いはあっさりしてますね。そして、これ撮影地は日本国内なんですね。おしゃれだなー(写真と関係ないけど)
写真の枚数も多く掲載されていて、タムロンの自信の程が伺えます。
キャッチコピー
シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM
『17mmをカバーする、手ブレ補正機構搭載 デジタル専用大口径標準ズームレンズ』
シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
『常用域の焦点距離をすべてカバー、本格的なマクロ撮影も可能に。高性能、コンパクト。APS-C用大口径標準ズームレンズの決定版。』
TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)
『ズーム全域F/2.8の明るさ。デジタル一眼専用・大口径標準ズーム。』
キャッチコピーは各メーカーとも機能優先な感じですね。レンズだとこんなものかな?SIGMA17-70F2.8-4が結構売り込みにかけてる感じはしますが。
レビュー点数
Amazonと価格.comのレビュー点数です。色々評価はありますが、目安として。
2016.11.21 PM22:00時点の情報です。星は大まかにつけてます。
シグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM
Amazon ★★★★☆ 4.4(144review)
価格.com ★★★★☆ 4.62(61review)
シグマ 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
Amazon ★★★★☆ 4.7(61review)
価格.com ★★★★☆ 4.40(39review)
TAMRON SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)
Amazon ★★★★☆ 4.5(80review)
価格.com ★★★★☆ 4.56(109review)
どのレンズも評価高いですね……。
使い勝手を確認しよう
さて、ここまで色々見てきました。では実際の使用に応えてくれるかです。
ここでは、重量やサイズ、その他さまざまな情報を確認しておきます。後で困らないように、見比べたい項目を書き出しておくのも有効ですね。
条件的に欲しいものがあるか、なくても我慢できるかというのを見ていきます。
見ておくと役に立ちそうなものとしてはこんなものがあるかな?
大きさ・重さ …… 条件があればここで見ておくこと。なければあまり気にしなくてもいいかな。
フィルター径 …… 極端に大きいとプロテクトフィルターも結構高くなります。今の資産が使えるかどうかの判断として。
絞り羽根枚数・形状 …… 枚数が多く、円形絞りという形状で記載があれば、ボケがキレイなことが多いです。6-8枚で普通、9枚以上だと多いと思って差し障りないでしょう。あくまでボケの目安、ですが。
付属品 …… 特にレンズフードがつくかどうか見ておいてください。別に買うと出費が増えますから。別に買う人はなくても構わないですね。
手ぶれ補正 …… レンズ内手ぶれ補正採用のカメラ(ニコン・キヤノンなど)は後付けできないので確認を。カメラ内手ぶれ補正(ペンタックスなど)はレンズにそもそもついてないです。
超音波モーター …… これがついてると大抵の場合、静かで早いオートフォーカスが実現します。まれについてても遅い純正とかありますけど。
最短撮影距離と最大撮影倍率 …… どれくらい近寄れるのかと、どれくらい大きくなるかです。最短撮影距離はレンズ面から被写体までの距離ではなく、センサー面からの距離です。レンズ面からの距離のことをワーキングディスタンスと呼びます。概ね焦点距離が長いレンズほど最短撮影距離は長くなります。最大撮影倍率とは、1倍(等倍)または1:1でセンサー面に被写体の大きさが等しく写ります。あまり焦点距離との関連性はありません。
防塵・防滴 …… 要る人は、くらい。ボディもそうである必要があるし。防塵防滴性能はあるとやや安心できます。
そして、描写・評価・使い勝手をぐるぐる回りながら、マッチするレンズを探します。
場合によっては候補を増やしていきます。そのときには、いったん除外したレンズを候補に入れる必要がありますね。優先しない条件は妥協します。焦点距離だったり、明るさだったり、金額だったり。
悩ましい時間でもあり、楽しい一時と言えるかとも思います。ここで決断できるレンズがあれば、あとは購入するだけですね。
僕の場合
スペック表を起こしてみます。
レンズ名 | シグマ 17-50mm F2.8 | シグマ 17-70mm F2.8-4 | TAMRON17-50mm F2.8 |
大きさ(径×高) | Φ83.5×91.8mm | Φ79×82mm | Φ73.8×84.2mm |
重量 | 565g | 465g | 440g |
フィルター径 | 77mm | 72mm | 67mm |
絞り羽根 | 7枚 | 7枚 | 7枚 |
絞り羽根形状 | 円形絞り | 円形絞り | 記載なし |
付属品 | ケース・花形フード | 花形フード | 花形フード |
手ぶれ補正 | ◯ | ◯ | × |
超音波モーター | ◯ | ◯ | × |
最短撮影距離 | 0.28m | 0.22m | 0.27m |
最大撮影倍率 | 1:5 | 1:2.8 | 1:4.5 |
防塵・防滴 | × | × | × |
描写では特に感じませんでしたが、タムロンのレンズは円形絞りではないのでしょうか?
手ぶれ補正と超音波モーターもタムロンは付いてないですね……。今もついてないので許容範囲かな?ついてると便利なんですけどね。
ひとつランクをあげて……。いややっぱりタムロンがいいかな!予算内だし、写りもきれいだと思ったし。悪くない評価が得られると良いんだけれど。
ということで、タムロンに決めます!後は店頭に見に行って触って決めようかな。
まとめ
いかがでしょうか。
時代が違うと言ってしまえばそれまでですが、以前は今とは大きくスペックも異なるレンズが主流でした。比較にならないほど質の悪いレンズもありましたしね。
そして、インターネットの情報は今のように豊富にはなかったんですよね。カタログ貰って読み漁り、カメラ雑誌に載ってるレンズ名を一つ一つ見てみたり、あのカメラ屋は詳しいとか情報共有があったりと時間も手間もかかっていました。そこに関して言えば、昔が懐かしいとはとても思えませんね。
まぁ、作例を見ていたカタログがインターネットに変わったり、個人が非常に詳しいレビューを世の中に発信できたりと時代は変わりましたが、新しいレンズを手に入れる緊張感やワクワク感は変わらないのかなと思います。
手順はどうであれ、だいたいこんな感じで決めていけば迷わずにたどり着けるかもしれません。もちろん、欲しいレンズが決まっていて……ということもあるでしょうし、必ずこの方法を取らないといけないってことも全く無いですから。
素敵な一本と出会えるための手助けに、わずかでもなればいいなと思いますし、手にいれたら教えて欲しいですね。一緒に喜びを分かち合いたいものです。
ではまた。