みなさんこんにちは
先日購入したEOS5D MarkⅣですが、多少使ったのでレビューしたいと思います。
高い高いと言われていますが、個人的にも高いと思います(笑)。せめてもう少し安いと手放しで誉められるんですが……。高給取りの方には大したことない金額かもしれませんが、僕のような低所得者層の人間にはハードルが高い金額ですね……。今回相当無理しました。
ただ、これまでのパートナーであるEOS5D MarkⅡと同じように7-8年付き合えるんであれば、耐えられるかなと思って購入しました。5D3を見送って、5D4を待っていたのが大きかったですね。もう少し金額が下がるのを待とうかと最初は悩んだんですが、導入からすぐに使いこなせるわけでもなく、いざというときに扱いきれないのは困りますので、金額差は楽しみの時間だと思うことにしたんですよ。
比較対象が5D3だともっと辛口評価になってるかも知れないですが、なんせ相棒はさらに古い機種ですからね。ただただ時代の進化を感じるばかりです。といっても、5D2はいい機種ですよ。中古しかないのでオススメしにくいですが、今だって一線級の活躍ができることは間違いないです。
その上で、買って思った事をつらつらと書いていきますね。
いいことを11個、気になることを4個、挙げてみました。やっぱり買おうとか、次世代まで待とうとか、そう思う決断の後押しに少しでもなれればなと。
よかったところ
その1:シャッターが軽い
シャッターボタンそのものも軽くなったと思いますが、それ以外にもシャッターストロークが短くなっているのと、ミラーショックが小さくなったのが感覚的にかなり効いてるんじゃないかと。
レリーズタイムラグも短くなってますね。公式に載ってましたので参考程度に
- 5D MarkⅡ …… 約73ms
- 5D MarkⅢ …… 約59ms
- 5D MarkⅣ …… 約58ms
- 6D …… 約60ms
- 7D MarkⅡ …… 約55ms
- 1Dx MarkⅡ …… 約55ms(カスタム約36ms)
7D2の方が速いなぁと思いました(笑)
ただ、5D2からの速さは段違いですね。ファインダー像消失時間は情報がなかったので載せてないですが、シャッターストロークに関しても1D系以外は調整できないですし、この辺りは慣れですね。仕方ない。
レリーズタイムラグは早すぎても遅すぎてもベストタイミングを逃すので、どれくらい早いか遅いかは知っておいた方がいいかもですね。それに合わせられるわけじゃないのが悲しいところですけども。
僕に関しては、今のところ一発勝負なら5D2の方が精度高いと思います。間ってありますからね。今だ!の一瞬前っていうのかな、タイミングというやつです。
シャッターストロークも5D2と比べて明らかに短くなってます。押し込む感覚が薄い。レリーズが切れる位置も比較すると気持ち高い気がします。特にAFオンからシャッターが切れるまでですね。AFオンまでもやや短いと思いますが、そこはあまり強く感じませんでした。ただ、5D2は結構使い倒したんでへたってるという可能性も……。
その2:シャッター音が静か
その1と繋がっている内容ですが、シャッター音も静かになってます。静音撮影というか、ソフト撮影という名目通りシャッター音が静かというよりは、響きにくい感じかなと。
静かさだけなら6Dの方が静かだと思います。無理してない音っぽい。(主観です。音質や音量のデータは取ってません)
5D4は、ユニット的には5Ds/5DsRと同様のもののようですね。音質は低めで後を引きにくいです。歯切れがいい音、とも違うんですが。歯切れのよさは1Dx系や7D系の方がいい気もします。1Dx2や7D2はミラーを意識的に(強制的に)駆動させてる感がありますよね。上げ下げもコントロールしてるっていう雰囲気。あそこまでの感じはないんですよ。5D3とも音質は違います。
軽い、という言葉が近いかな?
もちろん、高画素に対するブレや連写速度・その他の兼ね合いもあるのでしょう、ミラーバウンドは相当押さえられてます。音が小さい分、ショックも小さいです。手持ちでもミラーショックが気になる5D2と違って、5D4は安心してシャッターが切れますね。
慣れの問題なのか、スローシャッターを手持ち連写でカバーするときの歩留まりは5D2の方が何故かいいです。5D2が意外とミラーショックの影響を受けてないのか、5D4が画素数(画素ピッチ)の影響を受けているのか。まぁ、同じ時間連写すると5D2のざっくり2倍は撮れる(連写速度が最大の場合)ので、枚数撮ればどうにでもなるところですね。連写したときの音は5D2は辺りを見回しちゃいますけど、5D4はそんなことないです。静かってすごい。
あ、そうそう。僕は5D2のがちゃんって音も、そんなに気にならない人です。静な5D4の音はすごく好きです。
その3:AFポイントが広い
これ、本当に広いんですよね。そしてAFポイントが多いです。5D3と同じAFポイント数ですが、上下にさらに広がってます。これだけの広さとポイント数ですから、カスタム前提で使い倒すことになるのかな。まぁ、このカスタムがかなり細かく設定できるのでしっかり設定しましょう。
実は、5D2の9点でもあまり使ってなかったので、これに領域拡大アシストでもいいんですけどね。動きものが多いとかだと5D4で拡がったAFエリアはありがたいはず。顔追尾はちょっとまだよくわからないです。そもそもエリアセレクトをせず、中央一点を使う事が多いんですよね。慣れって怖い。一点設定でも画面内のかなりの広さで一点設定できる分、構図の自由度は上がったと感じます。逆に考えると、5D2で中央一点を多用する理由として、その他のAFポイントが構図上それほど有効でなかったということでもあるんですよ。
せっかくの機能なので、ここは個人的な設定をもう少し煮詰めたいなぁと。ここ煮詰めとかないと5D2から完全に移行することができなくなりますからね。現在試行錯誤中です。
その4:ファインダーが明るい
これなんなんでしょうね。透過液晶がよくなったのかファインダースクリーンがよくなったのか。多分そのどっちもなんでしょうけれど。上記画像はPowerShot G5xでファインダーサイズにトリミング。ISO3200・F1.8・1/60で撮影。ホワイトバランスはうっかりオートで撮影してしまったので、色味は無視してください。明るさだけ見てもらえると助かります。
透過液晶にあったネガティブなイメージはかなり払拭されました。
明るいおかげでピントも思った以上に見やすいですね。厳密なピント合わせが必要なときは誤差を排除するためにライブビューを使う事になるんですけど、マニュアルでざっくり合わせる段階でかなりきちんとした精度が出ます。
透過液晶ということで色々表示させられるようですが、水準器と9分割線だけ出してます。それもあんまり見ないですけどね。慣れたらこの辺りも使いやすいんだろうなぁと思いつつ、シンプルなフレームが好きなんです。
明るいのは、助かりますね!
液晶ビューファインダー搭載機(手持ちだとG5x)も悪くはないんですけど、やっぱりペンタプリズムの光学ファインダーが使いやすいです。全て液晶ファインダーになるなんて記事もありますが、どうなんでしょうか?ソニーαのユーザーとかは光学ファインダーに郷愁の念は湧かないものなんですかね?
暗所では液晶ビューファインダーいいなぁと思うことはあります。光学ファインダーはどこ見てるかわかりづらいときがどうしてもあるので。
その5:タッチパネルが地味に便利
別に今だってそんなに使ってはないんですけど、ついていればやっぱり便利です。クイック設定からダイレクトに選択して、変更できるのがいい感じ。カチカチグリグリより、よっぽど早いしスムーズです。
今はAFエリアセレクトが煮詰まってないため、色々とやっている最中ですからなおのこといいですね。その他の設定でも使えそうです。
設定が固まってしまったらタッチフォーカスとかで使えるかな?画像のチェックとかでもそれなりに快適。ただ、ダイヤル操作に慣れてるのでこの辺は何とも。
何ができるのかと、どう使えばスムーズかの判断も試行錯誤中ですが、それでも選択肢が多いのはいいことだ(制限を含めたカスタマイズができるならなおいい)と思います。スマホ使いはじめて8年くらいかな、特段タッチパネルでなければ困るシーンってないけど、もっと若い子とかはさらに便利なのかもしれない。後はカメラ操作に慣れてない人もいいかも。どのダイヤルでとかじゃなく、直感的な操作ができるし。
その6:背面液晶がきれい
そのまんまですね。ドット数も増えてきれいに見えるだけでなく、ピントの確認なんかでも助かります。5D4では、背面液晶の色味変更と併せて、明るさの自動調整ができるようになりました。夜景や星景の撮影なんかは眩しくなくていいですね。屋外から屋内に行く撮影(ウェディングとか?)だと固定した方が目の馴れもあるので良さそうかな。僕はそれほど周囲の明るさが急変する環境では撮影しないので、とりあえず自動調整にしてみてます。
この液晶のお陰で、後から見たらややブレとかややボケとかは少なくなりそうです。屋内での商品撮影とかはモニター使えば済むんですが、外での撮影は撮り直せないことも多いだけに地味ながらありがたい部分ですね。
ちなみに色合いは標準で使ってます。
その7:プレビュー操作がやりやすい
これは5D2からの変更だから便利な部分ですね。5D3ではすでにこの形状なので、5D3ユーザーだとなにも変わらないということになります。左手の親指で押し込む5D2のあのプレビューボタンは、以前からEOSシリーズの定番位置でした。
が、軽量なレンズを横位置でならともかく、望遠系のレンズだとそもそもそこに指がないですし(支えるためにレンズ先端に左手がある)、焦点距離が短いレンズを使っていたとしても、縦位置での撮影では分かりにくいです。
新しいプレビューボタンの位置だと、望遠レンズを使用しているときでも右手側にありますし、縦位置グリップ(バッテリーグリップ)を使っているときにはボタンの場所が変わるものの、操作は以前よりやりやすいですね。
押し込む方向も横向きから手前向きに変わって、構図のズレも少なくなったと感じます。
今まで気にしてなかったんですが、割と多用する部分なので気がついたら良くなってた、って感じですね。ここは5D3とかで変更になったときに話題にならなかったんでしょうか?というくらい、個人的にはいい変更です。
その8:マイメニューが拡張されてる
マイメニューのタブが増やせるようになってます。機能上、すぐにアクセスしたいものはシーン毎に異なりますので、タブが増えたのはちょっと嬉しい。代わりにメニュー項目自体がすごく増えましたけどね……。
増えたタブはそれぞれに名前がつけられるので、撮影前にタブ位置を合わせておけば、現場で設定いじるときに快適です。クイック設定と併せて使い勝手を良くする部分ですね。
現状、風景と動体、静物とその他で分けてます。
その9:高感度がきれい
5D4に決めたひとつの部分ですね。高感度だけなら5D3でも大して差はない(1/3EVの差)ですが、高感度撮影のノイズの出方などが良くなってますね。高感度撮影の頻度はそれほど高くないですが、いざというときに使えないよりは、使いやすい方を求めますよね。
5D2のISO6400でも割とためらわずに使っちゃう(普段はISO1600までです。写せないなら画質が悪かろうと写っている方を取るだけの話です)ので、安心ゾーンが増えるのは嬉しいこと。
今まで以上に撮影シーンが増えると思うと、ワクワクしますね。
高感度ノイズは別にチェックしようと思ってます。ちなみに、低感度だと5D2と同等程度かなと思っていたんですが、感覚的にはややダイナミックレンジが広くなっているようです。これもまだチェックしてないので、試してみないとですね。
その10:Wi-Fiはやっぱり便利
便利ですよ。多用するとは思えませんが、1枚だけすぐに送りたいときとか使えます。カメラ内RAW現像の恩恵があるんでしょうか?RAWで撮っても、転送時にJPEGにしてくれます。G5xはRAWは転送できないので、あらかじめJPEGで撮っておく必要があるんですけど、5D4はその必要はないです。
アプリでちょいちょい手直ししてSNSにアップとかも簡単です。編集アプリはたくさん種類があるので、好きなの使えばいいとは思いますが(スマホでそこまで作り込まないよね?)、Wi-Fi接続用アプリはCanon CameraConnectです。G5xとも共通で助かります。PC用の転送ソフトも同じにして欲しいな。
即時性が求められるシーンもそうですし、とりあえずチェックしたいとかという時にも使えます。CameraConnectだと、リモートシャッターも切れますし(まだやったことないけど)活用範囲はそれなりに増やせそうですね。
後付けオプションじゃないので、操作感がスポイルされないのはありがたいですし、荷物も増えません。Wi-Fiは便利に使える可能性も高いし、もっと使い込みたいところです。
その11:高画素
ずっとキヤノンは2000万画素でいいって言ってたんですよね。で、実際使ってて、確かにそれで困ることってそうそうないんですよ。トリミング耐性が欲しいなと思うことはあるんですけど、実際そこまでトリミングすると、動体関係はピントが怪しいことも多いからですね。まぁ、そこまで画角を切るのはレンズチョイスが間違ってるわけですが。交換する時間がないときも稀にありますからね。
トリミング耐性云々はともかくとして、高画素の恩恵はやはり高精細であることだと思うんですよね。ディテールの描写はどうしても画素数に頼る部分があります。この画素数、キヤノンも結構悩んだんじゃないかなと。センサー上、5Ds/5DsRのように5000万画素が出せることがわかっていますが、高感度特性とトレードオフの部分がありますよね。万能機としての5Dシリーズとしては高感度を、最近の他社ボディとの比較としては高感度をそれぞれ求める落とし所だったのかなぁと。
1200万画素から始まった5Dシリーズが、(メインストリームのシリーズとして)とうとう3000万画素まで増えました、という意味でも進化を感じる部分です。次は4000万画素……とはならないかな。超高画素機は5Dsシリーズにお任せですよね。でも、新型Lレンズシリーズはそれこそ5Dsシリーズの5000万画素に耐えられる画質を確保してるという話ですし、いずれは4000万画素越えるんだろうなぁ。
何とかしてほしいところ
そして、これはやや不満な点を4つほど。
その1:バッテリーが意外と持たない
多分、GPSと連写です。思ったより早くなくなります。撮影枚数にもよりますが、予備バッテリーはあった方がいいかも。10時間で1500枚ほど撮影したときには、バッテリー2個でやや怪しい位でした。公称約900枚程度ですし、大体合ってますけどね。印象としては5D2の方が持ちますね。バッテリーの持ちは利便性とトレードオフの部分が大きいので、今は撮影時にバッテリーを2台分、計4つ持っていきますが、必要に応じて増やすことにしましょう。
その2:フォーカスポイントが光らない
先に言っとくと、光らないことはないのです。透過液晶を搭載している関係で、5D2のようなスーパーインポーズではないのです。なんかですね、全体が光る。その上でセレクト中のAFポイントがやや強く光るんですね。ついでにグリッドも光ります(笑)
光の関係では見えないこともあるんですよ。まぁ、透過液晶を搭載している機種ではこんな感じみたいですし、5D3もこのタイプでした。これが見づらいと感じたのも5D3の購入を見送った理由だったんですけど、さすがに諦めました……。
可能なら5D2以前のスーパーインポーズにして欲しいんですけど、AFポイントも増えてるし、向いてないのかな?液晶光らせた方が設計上楽(無理がない)なのかもしれませんね。
その3:アイピースシャッターがついてない
5D3のアイピース部分を見たときも思ったんですが、つけれたでしょこれ。該当部分窪んでるし。
そろそろラバーのアイピースカバーから脱却して欲しい。逆入射光の影響はあまり感じないけど、閉めとけるなら閉めときたいです。あのカバーのせいでストラップのテープ幅が10mmに固定されちゃうんですよ。
ついでにアイピース自体を無くしそうになりますし。下手するとエントリー機が7-8台買える金額のカメラなので、ここはちょっと頑張って欲しいな。別付けは遠隔操作で撮影するときとか手間が増えるばっかりですしね。
その4:ボタンが多い
なんかこれ書くと電子機器についていけない人みたいなんで嫌なんですけど、カメラマンであってオペレーターではないのです。操作系でしくじった歴史は各社持ってるはずなんですけどね……。
どっかで歯止めかけないと、ボタンまみれになりますよ。金額を上げるためのネタになってないですか?この機能を増やしたからボタンも一個増やして……になってないことを祈るばかりです。
ボタン類も機能も増えていて、重量を減らしてきたことはスゴいと思うんですけどね。
ちなみに、まだ触ってすらいないボタンがあります……。どれとは言わんが。
まとめ
全体的に見ると、しっかりと性能が上がっています。もちろん不満点もないわけではないのですが、細かい部分でしかないかな。これからフルサイズにステップアップする人も、買い替えや買い増しを考えている人も買って後悔するカメラではないですね。
買うかどうかは……難しいところ。後悔はしないと言ったものの、そもそも予算を出すのにためらう金額ですしね。年末で値段が下がるといいですね。
ただ、どうせ買うってことなら買っちゃうのをオススメします。画質もさらに良くなっていますので、一度しかないシャッターチャンス、わずかでも多く拾いに行くべきですね。
画素数・連写・高感度の各性能が着実に向上し、DPRAWという新たな武器を手に入れたEOS5D MarkⅣは、その期待に応えてくれるカメラになっていると、個人的には思うのです。
書いてないけどいいところもいっぱいあります。今回は僕がとりあえず感じた部分についてですので。これ以上書くと誰も読んでくれなくなりそうですし。色々と試してご報告していきますね。
ではまた。
※その後の感想を追記しましたので、こちらもあわせてどうぞ。
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コメント
画面全体が光るのは、マジで慣れないですね。
結果、光らなくして撮影しています。
光らないのに慣れるまで、かなり不安でした。
jjさん
コメントありがとうございます。
わかってても光らないと不安ですよね。
透過液晶は色々表示できて便利なんですけど……。