みなさんこんにちは
はい、とりあえず最終章。第5弾は5Ds/5DsRです。なんか、気にはなるけど比較するようなものでもない気がするんですよねぇ。
同じ5Dシリーズのくせに方向性が違いすぎるというか。ただ、ちょっとだけ比較して悩んだし、多分同じ悩みかたする人もいるのかなぁと。
参考になるのかな?
概要
有効画素数5060万画素(総画素数5300万画素)という随一の高画素を誇るモデルです。
ローパスフィルターキャンセル機が5DsR、ローパスフィルター搭載モデルが5Dsとなっています。偽色やモアレを防ぐ代わりに解像感が落ちるローパスフィルターのキャンセル有無が違うだけで後は同一スペック。ローパスレスになっていないのは、レスにすると設計そのものが変わるのと、キヤノンはローパスは必要というスタンスに立っているからだと思われます。多分に実験的要素が組み込まれているということですかね。
国内では35mmデジタル一眼レフにおいて、これ以上の高画素機は現状存在しない(はず)。ペンタックス645zが5140万画素ですが、システムそのものが違うのでそもそも比較としては当てはまらないかな。アイレベルファインダー機としては比較対象だけれど。
超高画素を処理する映像エンジンはDigic6をデュアルで搭載。ハイパワーな映像エンジンのお陰で連写速度は5コマ/秒を確保。60MB前後のファイルサイズになることを考えると、驚異的な数字ともいえますね。
反面、高画素化の弊害としては、高感度性能の上限が厳しいという事実があげられます。常用感度としてはISO6400と、最近のデジタル一眼レフの中では高感度に弱い。それでも、フィルム時代のユーザーならば受け入れられる数字のはずだし、高画素ゆえの特性と割りきれば充分な数字といえるでしょうか。
キャッチコピーは『5060万画素の、「5D」。』(5Ds)/『冠したRは、Resolution。さらに先の解像世界へ。』(5DsR)
後継機の噂
出ては消えという噂があるものの、まだまだ2015年6月発売のモデルですからね。後継機は一年以上先になる可能性の方が高いと思われます。他にリリースが待たれている機種もありますし。
モデルサイクルを5Dシリーズで一律ということにはしないであろうと思われるので、直系の5Dシリーズが4-5年サイクルとしたら、その合間にリリースされるのではないでしょうか。次モデルは現モデルと同様に、やはり5D4をベースにすると思われるんですが。
スペック表
比較画像・その他リンク等は5DsRを使用しています。
EOS5D MarkⅣ | EOS5Ds/5DsR | |
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イメージ | ||
画像素子サイズ | フルサイズ | フルサイズ |
センサー | CMOSセンサー | 5Ds:CMOSセンサー 5DsR:ローパスフィルターキャンセル機構搭載CMOSセンサー |
有効画素数 | 3040万画素 | 5060万画素 |
DPRAW | 可能 | 不可 |
映像エンジン | DIGIC6+ | デュアルDIGIC6 |
記録媒体 | CFカード(タイプI準拠、UDMAモード7対応)、SD/SDHC/SDXCメモリーカード | CFカード(タイプI準拠、UDMAモード7対応)、SD/SDHC/SDXCメモリーカード |
記録機能 | 標準、カード自動切り換え、振り分け、同一書き込み | 標準、カード自動切り替え、振り分け、同一書き込み |
ファイル名 | カメラ固有設定、ユーザー設定1、ユーザー設定2 | カメラ固有設定、ユーザー設定1、ユーザー設定2 |
ピクチャースタイル | オート、スタンダード、ポートレート、風景、ディテール重視、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3 | オート、スタンダード、ポートレート、風景、ディテール重視、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3 |
ホワイトバランス | オート(雰囲気優先)、オート(ホワイト優先)、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能 | オート(雰囲気優先)、オート(ホワイト優先)、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)、ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能 |
画像の明るさ自動補正 | オートライティングオプティマイザ機能搭載 | オートライティングオプティマイザ機能搭載 |
レンズ光学補正 | 周辺光量補正、歪曲収差補正、デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正 | 周辺光量補正、色収差補正 |
ファインダー視野率 | 上下/左右とも約100% | 上下/左右とも約100% |
フォーカシングスクリーン | 固定式 | 固定式 |
グリッド表示 | 可能 | 可能 |
水準器表示 | 可能 | 可能 |
AF方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
AF測距点 | 最大61点(クロス測距点:最大41点) | 61点(クロス測距点:最大41点) |
測距輝度範囲 | EV-3~18(中央F2.8対応測距点・ワンショットAF・常温・ISO100) | EV-2~18(中央F2.8対応測距点・常温・ISO100) |
測距エリア選択モード | スポット1点AF(任意選択)、1点AF(任意選択)、領域拡大AF(任意選択上下左右)、領域拡大AF(任意選択周囲)、ゾーンAF(ゾーン任意選択)、ラージゾーンAF(ゾーン任意選択)、自動選択AF | スポット1点AF(任意選択)、1点AF(任意選択)、領域拡大AF(任意選択上下左右)、領域拡大AF(任意選択周囲)、ゾーンAF(ゾーン任意選択)、61点自動選択AF |
測距点自動選択条件 | EOS iTR AFの設定による(顔情報、色情報を使用したAFが可能) | EOS iTR AFの設定による(顔/色情報を使用したAFが可能) |
AFカスタム設定ガイド機能 | Case1~6 | Case1〜6 |
AIサーボAF特性 | 被写体追従特性、速度変化に対する追従性、測距点乗り移り特性 | 被写体追従特性、速度変化に対する追従性、測距点乗り移り特性 |
AF機能のカスタマイズ | 17種類 | 16種類 |
測光方式 | 約15万画素RGB+IR測光センサー使用、252分割TTL開放測光 EOS iSA(Intelligent Subject Analysis)システム
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約15万画素RGB+IR測光センサー使用、252分割TTL開放測光 EOS iSA(Intelligent Subject Analysis)システム
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測光輝度範囲 | EV0~20(常温・ISO100) | EV0~20(常温・ISO100) |
ISO感度(推奨露光指数) | ISO100~32000 | ISO100~6400 |
ISO感度関連設定 | ISO感度設定範囲、ISOオート範囲、ISOオート低速限界設定可能 | ISO感度設定範囲、ISOオート範囲、ISOオート低速限界設定可能 |
HDRダイナミックレンジ調整 | 自動、±1、±2、±3 | 自動、±1、±2、±3 |
HDR仕上がり効果 | ナチュラル、絵画調標準、グラフィック調、油彩調、ビンテージ調 | ナチュラル、絵画調標準、グラフィック調、油彩調、ビンテージ調 |
HDR画像位置自動調整 | 可能 | 可能 |
多重露光撮影 | 機能・操作優先、連続撮影優先 | 機能・操作優先、連続撮影優先 |
多重枚数 | 2-9枚 | 2-9枚 |
多重露出制御 | 加算、加算平均、比較(明)、比較(暗) | 加算、加算平均、比較(明)、比較(暗) |
シャッター速度 | 1/8000~30秒、バルブ、ストロボ同調最高シャッター速度1/200秒 | 1/8000~30秒、バルブ、ストロボ同調最高シャッター速度1/200秒 |
ドライブモード | 1枚撮影、高速連続撮影、低速連続撮影、ソフト1枚撮影、ソフト連続撮影、セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン | 1枚撮影、高速連続撮影、低速連続撮影、静音1枚撮影、静音連続撮影、 セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン |
連続撮影速度 | 最高7コマ/秒 | 最高約5コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | JPEGラージ/ファイン:約110枚(Card Full) RAW:約17枚 RAW+JPEGラージ/ファイン:約13枚 |
JPEGラージ/ファイン:約31枚 RAW:約12枚 RAW+JPEGラージ/ファイン:約12枚 |
外部ストロボ用シンクロ端子 | あり | あり |
ライブビュー撮影フォーカス方式 | デュアルピクセル CMOS AF | コントラスト検出方式(顔+追尾優先AF、ライブ1点AF) 手動ピント合わせ(約6倍/16倍拡大確認可能) |
ライブビューフォーカスモード | 顔+追尾優先AF、ライブ多点AF、ライブ1点AF、手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大確認可能 | コントラスト検出方式(顔+追尾優先AF、ライブ1点AF) 手動ピント合わせ(約6倍/16倍拡大確認可能) |
ライブビュー測距輝度範囲 | EV-4~18(常温・ISO100・ワンショットAF) | EV0~18(常温・ISO100) |
ライブビュー測光方式 | 評価測光(315分割)、部分測光(ライブビュー画面の約6.3%)、スポット測光(ライブビュー画面の約2.7%)、中央部重点平均測光 | 評価測光(315分割)、部分測光(ライブビュー画面の約6.4%)、 スポット測光(ライブビュー画面の約2.8%)、中央部重点平均測光 |
ライブビュー測光輝度範囲 | EV0~20(常温・ISO100) | EV0~20(常温・ISO100) |
ライブビュータッチシャッター | 可能 | 不可 |
ライブビューグリッド表示 | 3種類 | 3種類 |
液晶モニター形式 | TFTワイド3.2型162万ドット | TFTワイド3.2型104万ドット |
液晶モニター明るさ調整 | 自動(暗め/標準/明るめ)、手動(7段階) | 自動(暗め/標準/明るめ)、手動(7段階) |
液晶モニター色合い調整 | 暖色/標準/寒色1/寒色2 | 記載なし |
タッチパネル方式 | 静電容量方式 | 搭載なし |
カメラ内RAW現像 | 明るさ補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル、オートライティングオプティマイザ、高感度撮影時のノイズ低減、JPEG記録画質、色空間、レンズ光学補正(周辺光量補正、歪曲収差補正、デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正) | 明るさ補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル、オートライティングオプティマイザ、高感度撮影時のノイズ低減、JPEG記録画質、色空間、周辺光量補正、歪曲収差補正、色収差補正 |
画像のリサイズ | 可能 | 可能 |
画像のトリミング | 可能 | 可能 |
画像の転送機能 | 静止画(JPEG、RAW、RAW+JPEG) | 静止画(JPEG、RAW、RAW+JPEG) |
Wi-Fi | IEEE802.11b/g/n | オプションにより対応 |
NFC | 対応 | 非対応 |
GPS | GPS衛星、GLONASS衛星、準天頂衛星みちびき | 非対応 |
GPS信号受信モード | モード1、モード2 | 非対応 |
GPS付加情報 | 緯度、経度、標高、協定世界時(UTC)、衛星捕捉状態 | 非対応 |
カスタム機能 | 17種 | 16種 |
撮影可能枚数(常温) | ファインダー900枚/ライブビュー300枚 | ファインダー700枚/ライブビュー220枚 |
大きさ(幅×高さ×奥行) | 約150.7×116.4×75.9mm | 約152.0×116.4×76.4mm |
質量 | 約890g(バッテリー、CFカード、SDメモリーカードを含む)/約800g(本体のみ) | 約930g(CIPAガイドラインによる)/約845g(本体のみ) |
使用可能温度 | 0℃~+40℃ | 0℃~+40℃ |
発売日 | 2016年9月8日 | 2015年6月18日 |
参考価格(amazon) | Amazon | Amazon |
参考価格(キタムラ) | カメラのキタムラ | カメラのキタムラ |
比較考察
価格帯も近く、この5Ds/5DsRが5D4の直接的なライバル機といえるかもしれない。ですが、製品特性としては大きく異なります。
というのも、高画素を追及したために、オールラウンダー的な性格はすっかり鳴りを潜めてしまったから。高画素が欲しいなら、間違いなく買うべき機種です。キヤノンで高解像度のボディが欲しいなら5DsRが本命。5D4はローパスキャンセルではない(効きは弱めらしいけど)し、画素数も5DsRに比べて少ないため、解像感だけ見れば圧倒的に5DsRが優位となるはず。DPRAWがどこまで解像感を出せるか次第だけど、基本となる画素数では5DsRが有利。
現在、5D2のユーザーが現状に問題なく単純な世代交代を考えているなら(特に5Dから5D2に切り替えて満足しているなら)5D4より向いているともいえそうです。秒間5コマ(5DsR)と秒間7コマ(5D4)をどう見るかですが、秒間3.9コマ(5D2)よりいずれにしても早いのです。ISOは5D2と同等です。
商品撮影(静物撮影)や風景撮影なら5DsR、スナップや星景撮影なら5D4が向いているといえるかな。スポーツや鉄道撮影は本来5Dシリーズが得意とするところではない(苦手ではないけど、他に使用が多い機種があるということ)けれど、連写性能(または4K切り出し)を生かして5D4にするのか、トリミング耐性を生かして5DsRにするのかは悩みどころ。
ポートレートも悩ましいですね。解像度はリアリティーに結びつくが、必要以上に肌の状態を写し出してしまう可能性もあるわけで。最終的な媒体での使用を前提に考慮すべきとも考えられます。
先ほど星景写真に触れましたが、常用最高感度は5D4がISO32000、5DsRは前述した通りISO6400。ノイズ耐性も含めて5D4が圧倒的に優位です。とはいえ、ISO1600程度あれば問題ないと個人的には思うので、後は最終的な思想の問題かな。
撮影対象によって選択機種が別れるという、ある意味では理想的な選び方かもしれないですね。
高いか安いかの話で行くと、どちらも大体同じ価格帯になるので、欲しいスペックがある方が適正価格と思えばそうなるのかな。超高画素機の方が理解を得られやすいような気もするし、難しいですね。
まとめ
ものすごく個人的な結論は僕が貧乏なんで、「どっちも高い」なんですけど、高画素機は高い印象があるんですよね。一般的にもそうなのかぁって。
もしそうなら、5Ds/5DsRの方は価格帯に不満は抱かれにくいし、5D4は不満の対象になりやすいってことですかね。でも、まぁ、5D4と5DsRの低いとこのスペック拾っても5D2より高いわけだし、時代って凄いですね。
どっち買っても後悔しなかったんでしょうけど、撮影対象が広いことと、どうしてもある程度の高感度が欲しかったので5D4が魅力的に見えますね。これが1年前(5D3)の時なら間違いなく5DsRが良かったんですが。
DPRAWと高画素とどっちが扱いやすいのかは気になるところです。
全然まとまってませんが、今回はこの辺で。
ではまた。