みなさんこんにちは
先日、シグマより新型超広角ズームレンズ『Art 14-24mm F2.8 DG HSM』の開発が発表されました。
『ゼロ・ディストーション』を謳うこのレンズ、他社の超広角ズームとは何が違うんでしょうか。
特長
シグマが挙げる特長は以下の3点です。
- Artラインが約束する最高画質
- カメラ側の「レンズ光学補正」に対応 ※ キヤノン用のみ
- Sportsライン同等の防塵防滴機能を備えたプロフェッショナル仕様
引用:SIGMA
『ゼロ・ディストーション』はすでに同シリーズの『Art 12-24mm F4 DG HSM』で採用されたキャッチコピーですが、同じ系統のレンズである、ということなんでしょうか。
Art12-24はその性能と比較して価格が安いというところもあり、人気のあるレンズですよね。その光学性能をさらにブラッシュアップさせたれんず、ということならかなり期待ができそうです。
また、これまでサードパーティ製の宿命でもあった、カメラ側の光学補正に対応できないという部分も、今回はキヤノン用に限って対応するようです。
そして、Sportsライン同様の防塵防滴性。今まで以上に過酷な環境でも持ち出せる仕様に変更されています。
では、公表されているスペックを確認してみましょう。
スペック
比較されやすいレンズとして、『SIGMA Art 12-24mm F4 DG HSM』『TAMRON PS 15-30mm f/2.8 VC USD』『Nikon 14-24mm f/2.8G ED』『CANON EF11-24mm F4L USM』のスペックを掲載します。
ちょっと多いので、見づらいかもしれません。
SIGMA Art 14-24mm F2.8 DG HSM |
SIGMA Art 12-24mm F4 DG HS |
TAMRON SP 15-30mm f/2.8 VC USD |
Nikon 14-24mm f/2.8G ED |
Canon EF11-24mm F4L USM |
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レンズ構成 | 11群17枚 | 11群16枚 | 13群18枚 | 11群14枚 | 11群16枚 |
焦点距離 | 14-24mm | 12-24mm | 15-30mm | 14-24mm | 11-24mm |
開放絞り値 | F2.8 | F4 | F2.8 | F2.8 | F4 |
絞り羽根 | 9枚(円形) | 9枚(円形) | 9枚(円形) | 9枚(円形) | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.26m (24mm時) |
0.24m (24mm時) |
0.28m | 0.28m (18-24mm時) |
0.28m (24mm時) |
最大撮影倍率 | 約0.18倍 | 約0.2倍 | 約0.2倍 | 約0.14倍 | 0.16倍 |
手ブレ補正効果 | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 (2-2.5段程度?) |
非搭載 | 非搭載 |
最大径x長さ | 96.4×135.1mm | 102.0×131.5mm | 98.4×145.0mm | 98.0×131.5mm | 108.0×132.0mm |
重さ | 1,150g | 1,150g | 1,100g | 970g | 1,180g |
発売日 | 2018年3月9日 | 2016年10月 | 2014年12月 | 2007年11月 | 2015年2月 |
メーカー希望価格(税別) | 190,000円 | 220,000円 | 140,000円 | 280,000円 | 450,000円 |
※2018年2月24日 追記
発売日とメーカー希望価格が決まりましたので、追記しました。
光学性能を追求した結果か、最短撮影距離・最大撮影倍率共にArt12-24を下回っているのが気になりますね。しかし、それでも純正の2本に比べたら寄れているので、ほんの僅かな差ですが、超広角ドアップ写真を撮影するときには有利です。背景が大きく映り込むので、僅かな距離の差が大きく影響してきますからね。
絞り羽根枚数は近年のスタンダードである9枚円形絞りを採用しています。光芒が18条と非常に多くなりますので、この辺は好みでしょうが、ライバルレンズたちも同じ絞り羽根枚数ですからね……。どちらかといえば開放時のボケの美しさを重視した結果でしょう。開放F値が大きいので、この選択は納得です。
手ぶれ補正は非搭載。ライバル群の中では唯一『SP 15-30mm f/2.8 VC USD』だけが搭載しています。1mmの差をどう見るかによって評価が変わるのは間違いないですね。
そして驚いたのが大きさ・重さです。Artラインのレンズはほぼ大きさ・重さの制約がなく設計されていると感じていましたが、今回は同等のレンズに非常に近い感じとなっています。もちろん軽量・コンパクトとはいい難いのですが、極端なサイズではないということですね。
とはいえ近年のレンズはどんどん大型化していて、どこかで歯止めをかけて欲しいと思ってしまいます……。
価格は未定ですが、他のレンズとの競合を考えたら税抜き20-24万円程度になるのではないかと予想しています。初売り時の実売価格で18-20万円程度かなと。あくまでも個人的な予想ですが。
※2018年2月24日 追記
発売日とメーカー希望価格が決まりましたので、スペック表に追記しました。希望価格19万円でだいたい正解かな。店頭価格は15万円前後で、予想よりかなり安かったです。安いのは大歓迎ですね!
光学補正
キヤノンユーザーであれば、光学補正が使える(一部機種のみ対応、カメラによって補正できる項目は異なる)というのは大きなメリットではないでしょうか。
しかしどうやってレンズデータを載せるんでしょうね。
レンズデータを直接USBでボディに登録するのでしょうか?EOS Utilityでは、おそらく社外レンズのデータを提供されたとしても対応しないでしょうし、マウントの情報ピンから……ということもないでしょうし。
似たような特性のEFレンズのデータを使う、ということもしないでしょう。
となると、やっぱり直接ボディに登録かなぁ。EOS Utilityみたいなアプリケーションを用意するんでしょうか。
もっとはっきりした情報がないので悩ましいですが、楽しみのひとつとしておきましょうか。
MTFなど、かなり多くの情報が出ていますので、メーカーページもどうぞ。
ではまた。