みなさんこんにちは
前回、大三元・小三元の由来について確認してきました。かなり時間が経ってしまいましたが、続きを確認していきましょう。
まだ見てないよ-という方はどうぞそちらから。
いつからカメラ用語になった?
麻雀用語の一般化
一般用語として大三元なんて言葉、言わないと思うんですけど。使ったことないですもの。使います?
しかしそれなりの認知度がある用語だと思われますので、いつ頃から認知度が高くなったのかを考えてみましょう。
いわゆる麻雀が一般化したのは明治以降、特に第二次世界大戦以降(第二次麻雀ブーム)のようです。
1972年に『近代麻雀』、1975年に「プロ麻雀」が創刊され、麻雀ブームが起きた。
引用:Wikipedia『麻雀』
こうして見ると、意外と最近のことなんですね。写真趣味自体がそれほど古くないことを考えると、そんなもんかもしれません。
この頃、徹夜で麻雀みたいなのが流行したのかな?ちょっとよくわかりませんが。
対応する機材の登場
大三元やら小三元やらと呼ぶためには、対応する機材が必要ですね。ということで、レンズについてもみておきましょう。
単焦点レンズの時代
プロアマ問わず、単焦点レンズが花形の(というかそれしかない)時代というものがありました。
最も古いズームレンズが登場したのは1959年、ベッサフレックス用の交換レンズ『Voigtlander zoomer 36-82mm F2.8』です。当時の日本ではニコンFが発売を開始した年です。ズームレンズはめったに見ない特殊なレンズだったんですね。
一眼レフ以前のズームレンズに関してはややこしくなるので割愛。
今でもそうですが、標準レンズは45mm-58mm程度。ここを中心に28mmや35mm、85mm、105mmなどと所有していたんですね。
よくある組合わせとして
- 28mm / 50mm / 105mm
- 35mm / 85mm / 135mm
などがありました。開放F値はレンズによって違い、標準域はF1.4-1.8、広角や望遠はF2-2.8辺りが多かったような気がします。F値通しとか気にしなかったんじゃないかなぁ。
この頃は被写体や撮影スタイルによって持ち出しレンズが変わりました。僕は28mm/50mmの2本か、35(50)mmの1本が多かったような。これは今でも中判で似たような構成しています。
少なくとも、大三元レンズなんてなかったんじゃないでしょうか?今も単焦点レンズでそんな呼び方しませんよね。
ズームレンズの登場
じゃあズームレンズが一般化したのっていつ頃かな?ってことです。
例えばニコン(Fマウント)初のズームレンズはZoom Nikkor auto 43-86mm f3.5なんてレンズが1963年に登場しています。このレンズは同時に国産初の一眼レフ用ズームレンズとなりました。
では広角・標準・望遠のズームレンズが揃ったのはいつでしょう。(区分は僕の主観が入りますので、異論があろうかと思います)
- New zoom Nikkor 28-45mm F4.5 (1975年8月)
- New zoom Nikkor 43-86mm F3.5 (1976年4月)
- New zoom Nikkor 80-200mm F4.5 (1975年6月)
この辺りの年がそれっぽいですね。しかし3本通して同一のF値ではありません。この年付近が第二次麻雀ブームでもありますので、大三元と呼ばれたのでしょうか?
では現在の大三元となるべきF2.8のレンズや小三元のF4レンズはいつでしょう。
F2.8ズームが出揃った辺りだとこうでしょうか?
- AiAF zoom Nikkor 20-35mm F2.8D(IF) (1993年11月)
- AiAF zoom Nikkor 35-70mm F2.8S (1987年12月)
- Ai zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8S (1982年11月)
これを見ると発売年が10年もずれてます。揃えるにはちょっと厳しそうですね。
しかし少なくとも開放値通しのレンズはこの辺りで出てきたわけです。
小まとめ
前回は大三元・小三元の言葉の由来を確認してきました。今回は大三元という言葉が一般化した(と思われる)時代を確認したこと、またいつ頃からそういったレンズが登場してきたのかを見てきました。
だんだんと時代を追っかけてきたような気がしますが、いかがでしょうか。
次回はシリーズとしての大三元が揃った時代を確認してみましょう。キヤノンが特に大三元・小三元と呼ばれることが多いと聞きますが、なぜそうなったのかヒントがあるかもしれませんね。
ではまた。