みなさんこんにちは
ここのところ、なぜか大口径標準ズームレンズの更新が進んでいますね。
集中している理由はわかりませんが偶然と戦略的なものが合致したんでしょう。メーカーではない僕には関係ないですが、使う身としては大いに関係します。
というわけで、各社の大口径標準ズームを確認してみましょう。
トレンドなんかも見えてくるかな?
目次
タムロン
SP24-70mm f/2.8 Di VC USD G2
2017年8月2日発売予定
発表が行われたばかりのレンズです。ここのところタムロンはG2(Generation 2(第2世代))の名を冠したモデルに積極的に更新していますね。
発売から間がないモデルもG2になったりして、驚くこともしばしば。
先代モデルと比べて
特長
- 評判のよかった光学系は変更なし
- コーティング関連は最新のものに変更
- 手ぶれ補正が約5段に向上
- デザインの刷新
こんなところでしょうか。光学系は以前から変更していないようです。
デザインの刷新とTap in console対応が目的なんでしょうか。
スペック
レンズ名 | SP24-70mm f/2.8 Di VC USD G2 <A032> | SP24-70mm f/2.8 Di VC USD <A007> |
---|---|---|
レンズ構成 | 12群17枚 | 12群17枚 |
開放絞り値 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 | 0.2倍 |
手ぶれ補正効果 | 約5段 | 約4段 |
フィルター径 | 82mm | 82mm |
最大径x長さ | Φ88.4x111mm | Φ88.2×108.5mm |
重量 | 905g | 825g |
発売 | ニコン用:2017年8月2日 キヤノン用:2017年9月2日 |
2012年4月 |
メーカー価格 | 150,000円 | 140,000円 |
参考価格 |
数値上での差はありません。手ぶれ補正効果の向上もありますし、金額と手ぶれ補正・Tap in consoleを天秤にかけることになりますね。
シグマ
Art 24-70mm F2.8 DG OS HSM
2017年7月7日発売予定
『「超高画素時代」に最適化した最高性能を実現。』
2月に発表されたものの、発売日がなかなか決まらなかったレンズです。
先日発売日が決まりましたね。
Artラインにラインナップされたことで、画質には期待できそうです。シグマは自社ブランド(SAマウント)のボディもありますし。
先代モデルと比べて
特長
- 高画素に対応する光学性能
- 手ぶれ補正の対応
- USB DOCKの対応
こんなところでしょうか。手ぶれ補正に対応してきたことも含めて、結構大きな変更ですよね。
スペック
レンズ名 | Art 24-70mm F2.8 DG OS HSM | 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM |
---|---|---|
レンズ構成 | 14群19枚 | 12群14枚 |
開放絞り値 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.37m | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 | 0.18倍 |
手ぶれ補正効果 | 約3.5段 | – |
フィルター径 | 82mm | 82mm |
最大径x長さ | Φ88×107.6mm | Φ88.6×94.7mm |
重量 | 1,020g | 790g |
発売 | 2017年7月7日 | 2009年1月 |
メーカー価格 | 190,000円 | 123,800円 |
参考価格 |
かなり重くなりましたよね。
光学性能を追求するとどうしても重くなってしまうんでしょうが……。以前のモデルは結構古いので、新型の発売を待ったほうがいいかな。
キヤノン
EF24-70mm F2.8L II USM
2012年9月発売
『さらなる描写力を追求した大口径・標準ズームレンズ。』
この中ではもっとも発売が古いモデルとなりました。およそ5年前になりますね。機能的にはこの後発売されたF4モデルの方が充実していますが、明るさだとこのレンズですよね。
手ぶれ補正が搭載されていないのも気になるポイントのひとつです。
先代モデルと比べて
特長
- 光学系の全面刷新
- 絞り羽根枚数の変更
- ズーミング方式の変更
こんな感じですかね。光学系が大きく変わったことで、ズーミングがフード内で収縮するタイプから一般的(?)なフードごと動く形式に変わりました。これにともなってフードがかなり小さくなりましたね。
また絞り羽根が9枚になりよりきれいな円形が実現しています。その反面、光芒の出方が変わるわけですが。
スペック
レンズ名 | EF24-70mm F2.8L II USM | EF24-70mm F2.8L USM |
---|---|---|
レンズ構成 | 13群18枚 | 13群16枚 |
開放絞り値 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 8枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.21倍 | 0.29倍 |
手ぶれ補正効果 | – | – |
フィルター径 | 82mm | 77mm |
最大径x長さ | Φ88.5×113.0mm | Φ83.2×123.5mm |
重量 | 805g | 950g |
発売 | 2012年9月 | 2002年11月 |
メーカー価格 | 230,000円 | 220,000円 |
参考価格 |
軽く・短くなっています。常用で持ち出す可能性が最も高いレンズですから、わずかでも軽いのはありがたい、という人も多いのではないでしょうか。
更新から時間が経っていることもあり、当レンズは新旧ともに手ぶれ補正を搭載していません。その代わりの軽量と受け取れるかどうかでこのレンズを選択するかどうかが決まりそうですね。
ニコン
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
2015年10月発売
『極限の画質を追求した高性能大口径標準ズームレンズ』
Eシリーズレンズとして登場した標準ズームです。ニコンのこのクラスのレンズとして、初めて手ぶれ補正(VR)を搭載しました。
Eシリーズなので、使用には注意が必要なボディがあります。注意事項などはホームページでご確認ください。
先代は2007年11月に発売されました。およそ8年で更新されたことになります。
先代モデルと比べて
特長
- 手ぶれ補正機構の搭載。
- 光学系の更新(ニコン初ED非球面レンズの採用・高屈折率レンズの採用)
こんな感じでしょうか。光学系は大きくは先代を継承する形で光学系が追加されている用に見えます。
ズーミングはフード内側で行われ、24mmでもっとも全長が長くなります。これは新旧同じですね。70mm時の長さが必要なためそれほどコンパクトにならない当レンズですが、新型はさらに長くなっています。
スペック
レンズ名 | AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR | AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED |
---|---|---|
レンズ構成 | 16群20枚 | 11群15枚 |
開放絞り値 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m※ | 0.38m※ |
最大撮影倍率 | 0.28倍 | 0.26倍 |
手ぶれ補正効果 | 約4段 | – |
フィルター径 | 82mm | 77mm |
最大径x長さ | Φ88×154.5mm | Φ83x133mm |
重量 | 1,070g | 900g |
発売 | 2015年10月 | 2007年11月 |
メーカー価格 | 287,500円 | 267,500円 |
参考価格 |
※焦点距離によって変動あり。最も距離が短い値を掲載。
大きく・重くなっていますが、その分高価な光学系が惜しみなく使用され、さらに手ぶれ補正も搭載しています。
重量こそシグマArtと同じくらいですが全長はかなり異なります。収納スペースも含めて検討する必要がありそうですね。
どれがいい?
好みといえばそれまでなのですが、価格的なアドバンテージはシグマやタムロンに上がるんでしょうね。
最近のボディはレンズに対しても様々な利点があったりしますので、そのあたりのメリットを享受したければやはり純正になるでしょうか。
とりあえず新型レンズだけで比較表を作成しましたので、確認していきましょう。
スペック比較
レンズ名 | SP24-70mm f/2.8 Di VC USD G2 | Art 24-70mm F2.8 DG OS HSM | EF24-70mm F2.8L II USM | AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR |
---|---|---|---|---|
レンズ構成 | 12群17枚 | 14群19枚 | 13群18枚 | 16群20枚 |
開放絞り値 | F2.8 | F2.8 | F2.8 | F2.8 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.38m | 0.37m | 0.38m | 0.38m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 | 0.2倍 | 0.21倍 | 0.28倍 |
手ぶれ補正効果 | 約5段 | 約3.5段 | – | 約4段 |
フィルター径 | 82mm | 82mm | 82mm | 82mm |
最大径x長さ | Φ89x111mm | Φ88×107.6mm | Φ88.5×113.0mm | Φ88×154.5mm |
重量 | 905g | 1,020g | 805g | 1,070g |
発売 | 2017年8月 | 2017年7月 | 2012年9月 | 2015年10月 |
メーカー価格 | 150,000円 | 190,000円 | 230,000円 | 287,500円 |
参考価格 |
ニコンは価格と重さの問題がありますが、このクラスはそうそう変わりません。むしろ長さがネックになる可能性が高そうです。重量は特にシグマArtとほとんど変わりません。手ぶれ補正に強力なコーティングと機能面は至れり尽くせりです。
キヤノンは手ぶれ補正を搭載しませんので、手ぶれ補正が必要なら純正のF4Lか、サードパーティー製のレンズが必要です。発売から5年を経過したレンズとはいえ、まだまだ更新されるタイミングとも思えませんし、もうしばらくはこのレンズと付き合うかどうかの選択を迫られそうです。その問題がクリアできるのであれば、軽量ですし手ぶれ補正に関連する余分な光学系を抱えなくていいぶん、メリットになりそうです。
タムロン・シグマはそれぞれG2化したり、新プロダクトラインで投入されたりとイメージそのものを刷新してきました。画質的な向上ももちろんですが、細かい機能的な部分も洗練されて、さらに使いやすくなったのが特徴的ですね。
必要とする機能で選ぶのは当然ですが、サードパーティー製が安かろう悪かろうの時代は完全に終わったと見て間違いなさそうです。
まとめ
画質面で不利なため、このクラスには手ぶれ補正は搭載されない、なんていうのは遠い過去の話になってしまったようです。設計やコンピュータシュミレーション、硝材や製造技術の向上などで充分にメリットが上回るようになったのでしょう。
こうなると今後は手ぶれ補正がスタンダードになっていくんでしょうね。
問題は重量増加と価格の高騰ですか。複雑な光学設計によって高画質化が出来ること、また手ぶれ補正などの追加機能のための重量増加ですから、ある程度は仕方ないんでしょうね。もちろん軽量化もある程度は考慮してある……と思うんですけど。
技術的なブレイクスルーが起こらないと難しいのかな。コストの関係?。
価格の上昇はもう止められないような気がします。高価格化・高機能化こそ時代の流れと言ってもいいんでしょうね。それにしたって以前と比べるとちょっと(というかすごく)高い……。
タバコ価格の上昇と同じような雰囲気を感じますね……。タバコ農家の人に怒られそうですが。
高画質・高機能化は変わらない命題ですが、しばらくは手ぶれ補正の搭載・高機能レンズの採用がトレンドになりそうです。
軽くてコンパクトなレンズの方もぜひ各メーカー様よろしくお願いします……。
ではまた。