EOS5D MarkⅣは本当に高いのか(vs. EOS6D)

いいと思ったらシェアしてくださいね!

みなさんこんにちは

別に5D4買ったから比較しようというわけではないのですが(記事自体は購入前に書いてたんですが、スペック拾うのを面倒がってただけなのです。だいたい自分のために書いたので……)、巷で高い高いと言われているので、じゃあ実際どれくらい違うのよと。

まとめて書くと長過ぎるので、一機種づつね。

あくまでも僕が悩んだ(悩みそうだった)機種なんで、比較はキヤノンしか出てこないです。

で、トップバッターはEOS6D。5D2のスペックに近かったので。

スポンサーリンク
レクタングル大

概要

フルサイズエントリーとして2012年11月に登場したEOS6D(以下6D)。

既存の機種から暗所性能を大幅に向上し、当時フルサイズの主力だったEOS5D MarkⅡ(以下5D2)からの買い替え先として風景・星景写真愛好家を中心にEOS5D MarkⅢ(以下5D3)と6Dで大いに悩ませました。未だに静物写真や連写を必要としないユーザー、プロユースのサブ機として人気。機材の重量と画質、価格を両立できると婚礼写真(ブライダルスナッパー)などのカメラマンや登山系カメラマン・果ては旅人にも需要が高く、モデル名を気にしないなら一番コスパが高いとの噂も。

キャッチコピーは『軽やかにフルサイズ。』

後継機の噂

同じ年に発売された5D3が、今年モデルチェンジを迎えたことで現実味を帯びてきた後継機の噂。2017年初頭に開催されるCP+でお披露目されるんじゃないかと言われています。そうなると発売は2017年6月~8月辺りではないかと。この6D2(仮称)も現行機と同じく5D3からの買い替え先として悩ませるに違いない。

スペック比較表

公式スペックの内、優位と思われる項目を赤字にて表示。

  EOS5D MarkⅣ EOS6D
イメージ
画像素子サイズ フルサイズ フルサイズ
センサー CMOSセンサー CMOSセンサー
有効画素数 3040万画素 2020万画素
DPRAW 可能 不可
映像エンジン DIGIC6+ DIGIC5+
記録媒体 CFカード(タイプI準拠UDMAモード7対応)SD/SDHC/SDXCメモリーカード SD/SDHC/SDXCメモリーカード
記録機能 標準カード自動切り換え振り分け同一書き込み 設定なし
ファイル名 カメラ固有設定ユーザー設定1ユーザー設定2 設定なし
ピクチャースタイル オート、スタンダード、ポートレート、風景、ディテール重視、ニュートラル、
忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3
オート、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3
ホワイトバランス オート(雰囲気優先)オート(ホワイト優先)、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能 オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)、ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能
画像の明るさ自動補正 オートライティングオプティマイザ機能搭載 オートライティングオプティマイザ機能搭載
レンズ光学補正 周辺光量補正、歪曲収差補正デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正 周辺光量補正、色収差補正
ファインダー視野率 上下/左右とも約100% 上下/左右とも約97%
フォーカシングスクリーン 固定式 固定式
グリッド表示 可能 可能
水準器表示 可能 可能
AF方式 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 TTL二次結像位相差検出方式
AF測距点 最大61点(クロス測距点:最大41点) 11点(中央クロス測距)
測距輝度範囲 EV-3~18(中央F2.8対応測距点・ワンショットAF・常温・ISO100) EV-3~18(中央(F2.8、F5.6対応)測距点・常温・ISO100)
測距エリア選択モード スポット1点AF(任意選択)1点AF(任意選択)領域拡大AF(任意選択上下左右)領域拡大AF(任意選択周囲)ゾーンAF(ゾーン任意選択)ラージゾーンAF(ゾーン任意選択)自動選択AF 設定なし
測距点自動選択条件 EOS iTR AFの設定による(顔情報色情報を使用したAFが可能) 設定なし
AFカスタム設定ガイド機能 Case1~6 設定なし
AIサーボAF特性 被写体追従特性、速度変化に対する追従性、測距点乗り移り特性 被写体追従特性、速度変化に対する追従性
AF機能のカスタマイズ 17種 設定なし
測光方式 約15万画素RGB+IR測光センサー使用252分割TTL開放測光
EOS iSA(Intelligent Subject Analysis)システム

  • 評価測光(すべてのAFフレームに対応)
  • 部分測光(中央部・ファインダー画面の約6.1%)
  • スポット測光(中央部・ファインダー画面の約1.3%)
  • 中央部重点平均測光
63分割TTL開放測光

  • 評価測光(すべてのAFフレームに対応)
  • 部分測光(中央部・ファインダー画面の約8.0%)
  • スポット測光(中央部・ファインダー画面の約3.5%)
  • 中央部重点平均測光
測光輝度範囲 EV0~20(常温・ISO100) EV1~20(常温・ISO100)
ISO感度(推奨露光指数) ISO100~32000 ISO100~25600
ISO感度関連設定 ISO感度設定範囲、ISOオート範囲、ISOオート低速限界設定可能 静止画撮影の範囲、オートの範囲、オートの低速限界設定可能
HDRダイナミックレンジ調整 自動、±1、±2、±3 自動、±1、±2、±3
HDR仕上がり効果 ナチュラル絵画調標準グラフィック調油彩調ビンテージ調 記載なし
HDR画像位置自動調整 可能 可能
多重露光撮影 機能・操作優先、連続撮影優先 可能
多重枚数 2-9枚 2-9枚
多重露出制御 加算、加算平均、比較(明)比較(暗) 加算、加算平均
シャッター速度 1/8000~30秒、バルブ、ストロボ同調最高シャッター速度1/200秒 1/4000~30秒、バルブ、ストロボ同調最高シャッター速度 1/180秒
ドライブモード 1枚撮影、高速連続撮影、低速連続撮影、ソフト1枚撮影、ソフト連続撮影、セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン 1枚撮影、連続撮影、静音1枚撮影、静音連続撮影、
セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン
連続撮影速度 最高7コマ/秒 最高4.5コマ/秒
連続撮影可能枚数 JPEGラージ/ファイン:約110枚(Card Full)
RAW:約17枚
RAW+JPEGラージ/ファイン:約13枚
JPEGラージ/ファイン:約73枚
RAW:約14枚
RAW+JPEGラージ/ファイン:約7枚
外部ストロボ用シンクロ端子 あり なし
ライブビュー撮影フォーカス方式 デュアルピクセル CMOS AF 記載なし(コントラスト検出/ライブビュー継続・位相差検知/ライブビュー中断後再開と思われる)
ライブビューAF方式 顔+追尾優先AF、ライブ多点AF、ライブ1点AF
手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大確認可能)
ライブ1 点AF、顔優先ライブAF(コントラスト検出方式)、クイックAF(位相差検出方式)、手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大可能)
ライブビュー測距輝度範囲 EV-4~18(常温・ISO100・ワンショットAF) EV1~18(コントラスト検出方式時/常温・ISO100)
ライブビュー測光方式 評価測光(315分割)、部分測光(ライブビュー画面の約6.3%)、スポット測光(ライブビュー画面の約2.7%)、中央部重点平均測光 評価測光(315分割)、部分測光(ライブビュー画面の約11%)、スポット測光(ライブビュー画面の約3%)、中央部重点平均測光
ライブビュー測光輝度範囲 EV0~20(常温・ISO100) EV0~20(常温・ISO100)
ライブビュータッチシャッター 可能 不可
ライブビューグリッド表示 3種類 3種類
液晶モニター形式 TFTワイド3.2型162万ドット TFTワイド3.0型104万ドット
液晶モニター明るさ調整 自動(暗め/標準/明るめ)、手動(7段階) 手動(7段階)
液晶モニター色合い調整 暖色/標準/寒色1/寒色2 記載なし
タッチパネル方式 静電容量方式 搭載なし
カメラ内RAW現像 明るさ補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル、オートライティングオプティマイザ、高感度撮影時のノイズ低減、JPEG記録画質、色空間、レンズ光学補正(周辺光量補正、歪曲収差補正、デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正) 明るさ補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル、
オートライティングオプティマイザ、高感度撮影時のノイズ低減、JPEG記録画質、色空間、周辺光量補正、歪曲補正、色収差補正
画像のリサイズ 可能 可能
画像のトリミング 可能 不可
画像の転送機能 静止画(JPEG、RAW、RAW+JPEG) 静止画(JPEG)
Wi-Fi IEEE802.11b/g/n IEEE802.11b/g/n
NFC 対応 非対応
GPS GPS衛星、GLONASS衛星、準天頂衛星みちびき 対応
GPS信号受信モード モード1モード2 設定なし
GPS付加情報 緯度、経度、標高、協定世界時(UTC)、衛星捕捉状態 経度、緯度、標高、協定世界時
カスタム機能 17種 20種
撮影可能枚数(常温) ファインダー900枚/ライブビュー300枚 ファインダー1090枚/ライブビュー220枚
大きさ(幅×高さ×奥行) 約150.7×116.4×75.9mm 約144.5×110.5×71.2mm
質量 約890g(バッテリー、CFカード、SDメモリーカードを含む)/約800g(本体のみ) 約755 g(CIPAガイドラインによる)/約680g(本体のみ)
使用可能温度 0℃~+40℃ 0℃~+40℃
発売日 2016年9月8日 2012年11月30日
参考価格(amazon) Amazon Amazon
参考価格(キタムラ) カメラのキタムラ カメラのキタムラ

スペック表にないものは取扱説明書または体感で書いてある部分があります。間違いを見つけたら教えてください……。

比較考察

現状、スペック上で6Dが5D4に優るのは重量と価格くらいしかない。

しかし、それこそが6Dの最大の優位点でもあります。記事執筆時の本体価格は5D4の最安値が約374,500円。対する6Dは約125,500円(いずれもボディのみ。価格.comにて確認)。6Dを3台買ってもお釣りが来る。5D4との性能差に価格以上の魅力を感じるかどうかです。

風景写真やポートレート、商品撮影では絶対的な画素数の差とDPRAWですね。納品時間が極端に制限され、納品枚数も多いスナップ系カメラマンの需要にはマッチしない機能でもあります。画素数もほとんどの場合は問題にならず、JPEGの色味の方が問題視される傾向にあります。後処理の有無は異なるボディも使えるかどうかに関わってきます。金額差に跳ね返ってきますからね。

耐候性に関しても通常は6Dで問題ないです。6Dも防塵防滴構造を採用しているから。雪山や砂漠などの極端な環境での差はもちろんあるんでしょうが、雨や砂ぼこり程度はどこにでもあるし、プロも含め大多数のユーザーが必要とするのはそこまでではなかろうか。

重量差に関しては、今後5D4が6Dと同じ価格になったとしても(あり得ない話だけれど)絶対に変わることはないですよね。たかが120g差と見るか、120gも軽くなったと見るか。機材の重量は積み上げでしか無いので、ひとつ軽ければ全体が軽くなりますから、2台体制以上で撮影に臨むのであればその差は更に顕著になります。

画質は新型の方がいいのは間違いないです。電子機器である現代のカメラとはそういうものですからね。逆立ちしたって3倍の価格差があって、4年の期間の差があるわけです。現行とはいえ旧式の下位機種に負けるような性能でGoが出ることはあり得ません。ただし、差が体感できるかと必要とするかは、全く別のはなし。2020万画素のフルサイズ撮像素子はよほどの大判プリントをしなければ問題にならないです。トリミング耐性は画素数に応じるので、そういった撮影がなければ、6Dの画素数で充分といえるでしょう。

ここまでの内容で6Dで充分にもかかわらず、それでもなお5D4を検討しているなら、それはブランド力の差かもしれないですね。もしそうなら間違いなく5D4を選ぶべき。悩んでいる時間はなく、一日でも早く手にすることこそが正解でしょう。手にしたあなたはきっとこういうはず。「5D4で間違いなかった」と。6D2が登場し、7D3が登場しても5D4のブランド力は変わらない。EOS5D MarkⅣのロゴが入ったストラップを着けて、一枚でも多く5Dブランドに相応しい作品を撮る必要があると言えるでしょう。

間違ってもEOS-1Dx MarkⅡ以外のボディを選んではいけません。必ず後悔します。これは、理屈ではないからです。

まとめ

とまあ、色々書いてみましたが、6Dはコスパいいですね。5D4にしかない機能が欲しいなら別ですが、そうでなければ6Dはおすすめですよ。

次期6D2がどのような形で出るか次第ですが、仕事で使う人こそ6Dが向いているかもしれませんね。なんといってもメイン機・サブ機・予備機を揃えても5D4の1台以下の金額です。コスト管理も仕事のうちですし、5D4を2台買うなら6Dが6台買えるのです。かなり手荒に扱ったとしても、さすがに全滅しようがない。

じっくりと1枚の写真を仕上げるタイプの人なら、恐らく撮影枚数も嵩まないでしょうし、5D4のDPRAWもメリット高いでしょうね。lightroomが、対応すればもっといいのですが。SilkypixはDPRAW非対応でいくようですね。

スペック表を見比べていただいて、メリットをはっきりさせましょう。高スペックがいいのではないのです。必要なスペックがあるかどうかです。

そう考えると、スペック上からは5D4が高いというより、6Dがお買得価格になっている、といえるかもしれませんね。Wi-Fi・GPS共に5D4に搭載された今、6Dだけの優位点ではないですが、それだからこそ便利な機能だということでもありますよね。

6Dとは本当に最後まで悩みました。

ではまた。

スポンサーリンク
レクタングル大

いいと思ったらシェアしてくださいね!

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大