みなさんこんにちは
というわけで(どういうわけかは知りませんが)夜景を撮りに出かけませんか?
季節はもう秋。夜景や星空は冬が見やすいと言いますが、個人的には年中いいんじゃないかと思っています。冬は寒いですからね。夜の外は気持ちいいですよ!
虫の声を聞きながらの撮影も楽しいもんです。
もちろん、冬の夜景撮影にも役に立ちますので絶好の撮影シーズンに備えて予習しておきましょう!
夜景の撮影は難しいと思われがちですが、実際はそんなに難しいこともありません。大切なのは次の3つです。
「絞り・撮影条件・ホワイトバランス」
その他にも知っておけば役に立つ(かもしれない)情報を交えて、夜景撮影の知識を深めていきましょう!
目次
夜景とはそもそもなんぞや
夜景(やけい)とは、夜の都市景観で月明かりなどの自然光源によるものではなく、人工光源による景観である。とりわけ、建築物から漏れ出る光・サーチライト・広告照明などが、視野中に密集して見える景観を指して「夜景」ということが多い。日没後暗くなって建物の窓から照明が漏れ、街灯に灯が入ったときの景観。
日本には日本三大夜景と呼ばれる夜景が存在する。「函館山から見る函館市の夜景」「六甲山(摩耶山)・掬星台から見る神戸市・阪神間・大阪の夜景」「稲佐山から見る長崎市の夜景」が日本三大夜景とされている。
引用:Wikipedia「夜景」
というわけで、人工灯の集合で得られる明かりを鑑賞できる環境(周囲が暗い)が夜景の定義っぽいですね。別に知らなくても困らないです。というか、定義付けするほどのものでもないような気もしますね。
日本三大夜景に興味がある方はリンクを置いておきます。キレイなんで、見てもらえると撮影にイメージが湧きやすいかも。
僕の記事を読んでもっと深く夜景撮影を知りたい、写真が見たいと思ったら以下の書籍もおすすめです。
夜景を見るためにお出かけしよう、とは実際あまり聞かないのです(僕の環境だけかもしれません)が、出かけたり宿泊したりするついでに夜景を見に行くことはあると思います。移動中の橋の上や、山道の切れ間から覗く夜景にハッとした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
心の瞳に焼き付けて二人の思い出にしてらってもいいのですが(できるならそれがおすすめかも)一人ででかけたり、キレイなものを共有したい方は写真に残しておきましょう。
何を準備していく?
いつものカメラを持って行きましょう。しっかりした三脚、レリーズがあれば問題なく撮影できます。レリーズが使えて、露出制御できるカメラであれば、別段一眼レフにこだわらなくても大丈夫です。
レンズは難しく考えずに標準ズームがあれば問題ないと思います。明るほうが望ましいとは思いますが、キットに付属のレンズで充分キレイに写ります。どうしても単焦点なら28mm・35mm・50mm程度でしょうか。必要に応じて80mm-100mm位あれば大抵の状況に対応できると思います。
超広角・望遠レンズは撮影場所によって必要になりますので、持っていけるならその方が望ましいですがなくてもそんなに困らないかも。山手の展望台なら多少の望遠、遊園地や観光名所などでならやや広角のレンズを選択するのが一般的です。
懐中電灯は持参した方がいいです。手元が暗かったり、場所によっては街灯がない所も多いですから、準備しておきましょう。
撮影機材ではないですが、暖かい服装と飲み物を持参すると比較的快適に撮影できます。飲み物は好みでいいですが、撮影場所によってはトイレが近くにない場合もありますので、コーヒーや紅茶などのトイレが近くなるような飲み物は避けたほうが無難です。
どこに行こう?
地名+夜景でググると色々情報が得られますので、それを基に選んでいいのではないかと思いますが、参考になるサイトとしてはこちらはいかがでしょうか?
参考:全国の夜景スポット
参考:夜景INFO
古い情報も混じっていますので、目星をつけたら詳細を調べることが重要です。良さそうだなと思ってよくよく調べるとマンションが建ってしまって眺望が悪くなった、などありましたので。
夜景撮影を中心に考えると、帰宅時間が遅くなることが予想されますので、公共機関利用の方は時刻表の確認を。また車などで移動する方も無理なく帰宅できるのかを判断しましょう。近くに投宿する方は問題ないと思いますが、チェックイン時間などは事前に調べておいたほうが良さそうです。撮影に夢中になるあまり、宿がキャンセルされてた……では笑い話にもなりませんからね。
何時くらいがベストなんだろう?
撮影日と場所によって違いはありますが、トワイライトタイムと言われる時間(マジックアワーで聞いたことがある方もいらっしゃいますかね?)からが夜景撮影タイムと言えるでしょう。
トワイライトタイムとは日没直後の時間から夜になるまでの間、空が濃い青から黒に染まっていく時間のことです。太陽が沈んでしまうと影を作る光線がなくなり、フラットで柔らかい光とグラデーションの空が得られます。夜景が最も美しく映える時間帯ということで、とても人気があるシチュエーションです。
ただし、このトワイライトタイムは10-30分程度で終了します。事前に撮影ポイントを押さえておいて、当日は撮影に集中できるようにしましょう。
日没時間はこちらで調べられます
参考:国立天文台「各地のこよみ」
また、当月の月の出と月齢もここで調べられます。
参考:こよみのページ「月齢」
ベストのタイミングとしては、以下の条件となります。
- 日没直後から真夜中まで(撮影対象による)
- 晴れていること(雲が少ないこと)
- 湿度が高くないこと
- 風が少ないこと
- 雨の翌日(黄砂などの影響が少ないこと)
真夜中までの撮影を考えていれば、結構忍耐が必要になります。
撮影ポイントを明るいうちに押さえておくと共に、周囲の環境を確認しておくことをおすすめします。トイレ・駐車場(観光スポットでは夜間閉鎖されるところもある)・自販機・帰宅ルートなど、知っておけば安心できることばかりです。
設定はどうする?
ISO感度とシャッター速度
三脚を設置することと、人工光源の明るさがあるということで、ISOはできるだけ低くしておいて問題ありません。大抵の機種でISO100-250くらいが最低になっていると思います。ISOオートは解除しておきましょう。
シャッター速度は絞り優先プログラムで露出を-1/3EVから-1EVしておけば大抵の場合で問題ないと思います。デジタルの場合、そこから再確認して設定を詰めていきましょう。露出を下げる意味合いとしては、画面に写り込んでくる夜景の明かりに引っ張られる形で露出が明るくなってしまいやすいことと、ちょっとアンダー目の撮影のほうが夜の暗さを表現しやすいためです。
測光方式は平均測光(評価測光)が使いやすいですね。中央部重点平均測光やスポット測光・フォーカスポイント連動測光は露出ズレが大きくなりやすいため、夜景の撮影には不向きです。
絞り
絞りは撮影イメージの仕上がりに関わってきます。解放(Fの値が小さい)場合、点光源はふわっとしていて、絞っていくにつれて光源は光芒(星のように光源から線が発する)ようになります。デジタルカメラの場合、絞り込みすぎると画質に影響が出やすいため、最大でもF16を目安にすると良いかと思います。通常はF11くらいまでで抑えておくと画質劣化も少なく安心して撮影できます。
光芒と絞りの関係
テスト用にスマートフォンのモバイルライトを点灯させて撮影したので、実際の夜景の光芒とは多少違うところがあるかと思いますが、こんな感じになってきます。上記のテスト撮影はCanon EF50mm F1.8Ⅱ(いわゆる撒き餌レンズと呼ばれるレンズ)を使用しています。絞り羽根の枚数は5枚です。
次の比較として絞り枚数の違いを確認します。どちらもF16での撮影です。
24-105Lは絞りが8枚(円形絞り)になっています。
違いを見ていきましょう。50mmは光芒が10本(絞りの2倍)ですね。光線の広がりも五角形になっています。逆に、24-105mmは光芒が8本(絞りと同じ)です。光線の広がりも丸いですね。
絞り羽根が奇数の際はその2倍の光芒が、偶数の場合は絞りと同じ光芒が発生します。絞り羽根を通過する光(回折光)が偶数絞りの場合お互い(対角で)打ち消し合うのに対して、奇数絞りの場合、打ち消しが働かないために2倍の光芒になるようです。詳細は各自でお調べください(笑)
色味の違いはレンズコーティングの違いです(撮影テストではほぼ同一の条件で実施しています)
選ぶレンズによって、光芒のでき方に違いがありますので、撮影テクニックとして覚えておくといいかと思います。
ホワイトバランス設定
色温度によって、撮影イメージは変わります。僕の5D2にはいくつかのホワイトバランス設定があって、それによって色温度が変わる仕組みなっています(データはRAWからDPP4で色温度の変更を実施)
以下はわかりやすいように500K(ケルビン)づつずらしてホワイトバランスを変化させたものです。
ケルビン数が少ないほどクールな感じに、多いほど暖かみがある感じに仕上がりますね。RAW現像では後から変更もできますが、実際の撮影時にイメージに近い形で撮影しておくと後でどんな色だったか思い出せない!といった事態を防ぐことができます。
撮影しよう!
下準備もバッチリ、天候も味方してくれた!となればたくさん写真撮りましょう。
絞りやホワイトバランスを変更し、最高の一枚を目指して撮影します。
この日は、夕日が沈む直前までいい感じだったんですが、日没直前から雲がかかって風が出てきてしまいました。トワイライトタイムもなかなか色が出ず、思ったような仕上がりにならなかったのが残念です。
しかし普段、海がない地方に住んでいますので、潮風に吹かれながらの撮影は楽しかったですね。人がいない時間帯になってしまって、街の明かりに恋い焦がれたような気持ちで撮影してしまいました。
撮影したら現像します
撮影が終わったら、帰宅してRAWを現像します。JPEGの方はプリントして(またはデータを送信して)終了しましょう。
左の画像は元データです。せっかくなので、拙いですが現像方法をお見せしますね。
先に言っておきますが、僕は画像編集を独学で身につけた(適当に覚えたともいう)ので、あまり参考にならないことを覚えておいてください(笑)
元の画像に比べると夜景っぽさが増しているのではないでしょうか。
撮影時にここに近く出来るのが一番なのですが、条件がそうそう揃うわけでもなく。現像を通じて思ったイメージに近づけていきましょう!
まとめ
いかがでしょうか。絞り・ホワイトバランス・撮影条件できちんと夜景写真が撮れることがわかっていただけたでしょうか。
夜景の撮影はこれからがベストシーズンに入ってきます。一人で行くも良し、パートナーと楽しみながら行くも良しで、楽しんで欲しいと思います。一人でお出かけの際はぜひ、安全確認を徹底してくださいね。もちろん、二人以上でも一緒です。
本当はいくつかバリエーションの撮影もあったのでお見せしたかったのですが、時間がなくなってしまったので今回はこの辺で。
時間が取れたら追加でアップしたいと思います。
ではまた。