みなさんこんにちは
PLフィルターはご存知ですか?
風景写真撮る人なんかはよく知ってるアイテムでしょうか。
色が鮮やかになったり、不要な反射を防いでくれたりと活用範囲が広いフィルターです。ただ、この効果や使う上での注意点を知らないまま使ってる場合も多いんですよね……。
ということでメリットやデメリット、使い方なんかを確認していきましょう。
目次
PLフィルターとは
日本語では偏光フィルターとも呼ばれています。身近なものにも採用されているので、ピンときた人もいるでしょうか?
そうです、サングラスですね。
スポーツ・フィッシング・ドライビング用サングラスなんかには割とよく採用されているのが偏光機能です。何ででしょうね?
答えは、反射を押さえて疲労を軽減してくれるのです。フィッシングなんかは想像しやすいかもしれません。波間に反射する光。キラキラしてとてもきれいですが、じっと見続けると疲れちゃいますね。そのキラキラを減らしてくれるのが偏光機能です。(やや誤解をまねきそうな感じですけど)
写真においては、反射を押さえることで色を鮮やかに写したりすることができる『魔法の』フィルターなんですよね。
というわけで、魔法使いになるためのポイントを押さえていきましょう。
PLフィルターの仕組み
PLフィルターは、2枚のガラスで構成されています。この間に偏光膜といわれるものが挟まれているんですね。この偏光膜を撮影者が回転させることで、効果が得られます。
偏光膜を回転させて何をコントロールしているかというと、光の波長をコントロールしています。反射された光の波長をカットしたりして、被写体本来の色を鮮やかに見せるなどしているんですね。
この効果を最大限に得られるのは、太陽に対して90°の位置です。反射に対しては30-40°辺りです。
具体的には、太陽を横に見た時の空となりますので、正午付近の空では地平線付近が効果が高くなります。逆に日の出日の入り時刻では、天頂付近が最も高い効果を発生する、ということですね。
反射の波長をコントロールするため、光源に対して正対している時(真正面)や、180°背を向けているときはほとんど効果を得られません。
同様に、反射面に対して真正面を向いているときも効果がほとんど発生しないんですね。使うときのポイントですので、ここは押さえておきましょう。
PLフィルターとC-PLフィルターの違い
AFカメラにはC-PLフィルターを使用しましょう。なんて色々なところに書いてありますが、実際のところC-PL以外は狙って買わないとなかなか見当たらないものです。何故かというと話は簡単。世の中のほとんどのカメラはAFを採用しているからです。
ちなみにAFやAEの測定に偏光膜やハーフミラーを使用していないカメラの場合、どちらを使っても基本的に効果は変わりません。ただ、そのためにいちいち調べないですよね?なので、カメラ屋さんでもC-PL以外はあまり扱ってないんです。
なぜAFカメラでC-PLなのかについては、結論的にいうとピントが正常に合わなくなるからです。そのため、前述のように測定に偏光膜や~みたいな話になるんです。AEもそうです。誤差が出るんですよね。
水平(垂直)偏光がPL、円偏光がC-PLですが、気にする必要はないですね。何も考えずにC-PLを買っときましょう。C-PLだとMFカメラでも普通に使えます。
手動ピント合わせかつ、カメラ内の露出計を使わない場合はPLでOKです。が、そんなカメラを使ってる人はこのページ読まないんじゃないかな?
メリット
反射をコントロールできる
使ってみるとわかりますが、スイッチのように効くわけではないんですね。効果がほとんどない辺りからだんだんと効いてきて、最大の効果を発生したあとまた効果が薄れていきます。
ここの間をコントロールすることで、効きの調整が可能です。
例えば、街中のスナップでショーウインドウの反射が気になる場合や、テーブルフォトで、パスタランチのソースが白く反射するなどでも使えます。
上記のシチュエーションで完全に反射を取り除いてしまうと、ショーウインドウの場合は露天展示と見分けがつかなくなりますし、パスタランチはのっぺりと作り物のようになってしまいます。
狙って撮影するなら別ですが、効果を調整するのが大切です。
色が鮮やかになる
青空や紅葉など、見たときと撮ってからで『なんか違う……』となったことありますよね?光が空気中に反射して青空を白っぽく見せたり、太陽が葉っぱの表面に反射して本来の色を隠してしまうことがあります。
PLフィルターは、それらを鮮やかにしてくれるんですね。
このような環境下では、反射面に対する角度がそれぞれに異なることがほとんどです。フィルターの調整機能を活かして、どの被写体をどれくらい際立たせるかを確認していきましょう。
主題が鮮やかになることで、作品としても力強いものになりますね。
デメリット
シャッター速度が遅くなる(暗くなる)
光を取り除くので、構造上暗くなります。動きものでは止めて写すことが難しくなります。スポーツなど動きが激しい被写体では反射の調整をしている暇もないでしょうし、外しちゃいましょう。
場合によっては意図する表現を越えて遅くなる場合があります。ISO感度を上げるなどの対応が必要になることもあるので注意しておきましょう。
だいたい、最大で1.5-2段程度の補正が必要になります。絞り優先などの撮影では意識しづらいですが、手ブレがおこりやすくなります。
画質が下がる
光をコントロールするフィルターがつきますので、画質としては悪くなります。とはいえ、PLフィルターを使用する範囲では直接の入射光はないはずですので、通常の使用で問題になることは少ないでしょう。
注意するべきなのは、つけっぱなしにしている人です。風景写真を専門に撮っている方に多いようですが、四六時中ついてる人もいますね。ガラスの枚数も、普通のプロテクトフィルターなどに比べて2倍あります。ハレーションの原因にもなりますので、使わないときには外しましょう。
ちなみに、つけっぱなしだと劣化も早くなります。劣化すると効果が発揮できなくなるばかりか、妙な色にかぶってきますので古くなったら交換が必要です。
極端に安いものでもないので、大切に使いましょう。
場合によってはムラがでる
効果がでる範囲というものがありますので、それを越えてしまうとムラがでます。顕著に感じるのは、広い水面を狙ったり(画面内で効果が出やすい角度とそうでない角度が混在する)、超広角レンズで空を撮影するとき(画角上効果がでない範囲まで写り込む)などでしょうか。
根本的な解決策はありません。対策としては、撮影時に効果が極端にならない範囲に調整すること。また現像時に若干コントラストを調整することくらいでしょう。
効果がでる範囲(基本的な仕組み)を理解していないと、撮影後にがっかりすることになります。
意図しない写りになることがある
これは……まあ、今までの内容が複合的に発生した場合ですね。
効果が発生する範囲、露出が減少すること(暗くなること)、発生した効果をコントロールすること、光が直接当たるとハレーションなどの害を生じる可能性があることなど。どれも基本的な内容ですが、基本をおろそかにすると発生するということです。
基本は大切!
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まとめ
基本は大切!
ということで、その通りです。観光地とか行くと、つけっぱなしにしている人(レンズにサングラスつけたみたいになってる)をまれに見ますが、プロテクトフィルター代わりでしょうかね?いいカメラ持ってるんでもったいないなぁと常々思います。そのカメラくれ。
こういう方は往々にして、三脚の脚を伸ばしてカメラをつけたままうろうろしているので始末が悪い。言葉は悪いけど、マナー違反で撮影禁止場所が増えているのはこういう人のせいじゃないのかと思ってしまいます。
マナーの話じゃないのでこれ以上は書きませんが、みんなが気持ちよく撮影したいものですよね。
余談ですが、一番大きなフィルター径に合わせて購入しておくのがおすすめ。ステップアップリングというとても便利な物が世の中にはあるのです。
各サイズ揃えるのも、使用上はいいことなんですが、現場でサイズ見てあーだこーだする時間ってもったいないんですよね。なので、フィルターはひとつにしてステップアップリングで対応しています。これはプロテクターフィルター以外でも使えますから、結果的に荷物が少なくなります。フードが使えなくなるというデメリットもあるので、そこら辺は考えておくべきですけど。
一度使うと手放せなくなるPLフィルター、使ったことがないなら購入をおすすめします。
ではまた。