みなさんこんにちは
2月に発表があったものの、その後音沙汰がなかったSIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSMの発売日・価格がようやく発表されましたね。
発売が待ちきれなくて、ついつい別のレンズにも手が出ちゃった……そんな人もいそうです。
では発表済みの内容ですが、改めてこのレンズの特長を見ておきましょう。
目次
24-70mm F2.8 DG OS HSM Art
『「超高画素時代」に最適化した最高性能を実現。』
様々な分野のプロに必要とされる性能、機能を搭載
24-70mm F2.8というスペックのレンズに求められているのは、高画質だけでなく、様々な撮影現場に対応できる仕様も満たしていることです。最新の超高画素デジタル一眼カメラに対応した光学設計、高速なオートフォーカスを実現した超音波モーターHSM、補正効果の高い手ブレ補正OS機構、マウント部のゴムのシーリングによる簡易防塵防滴、剛性感の高い金属鏡筒など、報道、ネイチャーなど様々な分野のプロに必要とされる性能、機能を搭載した、最新の24-70mm F2.8 の登場です。引用:シグマ
他社にも存在する、いわゆる大三元レンズの1本です。
大口径標準ズームレンズ、というのが一般的な分類でしょうか。作品撮りに使える高画質さと開放値の明るさを持ち、機動性を活かせる評点距離を兼ね備えたメーカーも力が入っているジャンルですね。
シグマでももちろんラインナップしていて、現行製品は24-70mm F2.8 IF EX DG HSMです。2009年の発売ですから、思ったより長く発売されています。このレンズもそれなりに評判いいんですよね。
主な特長
高画質化
3つあるプロダクトラインのうち、表現性能と光学性能を重視したArtラインにラインナップされています。
重量は先代の790gから1,020gへと大きく増えることになりましたが、MTFでも明確に現れているほど性能は向上したようですね。
広角端の周辺が特に顕著に改善していますが、全域で底上げされていること、望遠端でも解像感が高くなっています。アウトフォーカス時の画質も悪くなさそうですね。
レンズ重量が増えたことに対しては、よりトルクの高い新型の超音波モーターを採用して対応しています。
超高画素対応の光学性能
先代が発売された2009年には考えられなかったような、超高画素のカメラボディが発売されたのもこの間のこと。
- 2012年 3月 D800 (3630万画素)
- 2012年 4月 D800E (3630万画素)
- 2013年11月 α7R (3640万画素)
- 2014年 7月 D810 (3635万画素)
- 2015年 6月 EOS 5Ds/5DsR (5060万画素)
- 2015年 8月 α7R II (4240万画素)
- 2016年 9月 EOS 5D MarkIV (3040万画素)
- 2016年11月 α99 II (4240万画素)
3000万画素を超えるボディをざっと羅列してみました。シグマが現状対応しているニコン/キヤノン/ソニーでさえ、これだけの台数があるのです。当然解像を上げてくる必要があります。
手ぶれ補正を搭載してきたのも、そのひとつでしょう。細かい手ブレで解像感が失われることもあります。3.5段分と最近では突出した数値ではありませんが、安心感は高くなります。
金属鏡筒
先代は軽量でコンパクトでしたが、鏡筒はエンジニアリングプラスチック製で、価格の割にチープな印象でした。個人的にはそれほど嫌いではなかったんですけどね。
今回はArtラインの製品となったことで金属製の鏡筒を採用しています。精密感のある塗装もあり、高級感と堅牢感も高くなっています。何が何でも金属鏡筒のほうが優れているわけではありませんが、いくつかの条件においてメリットがあります。
割れにくい
例えば落下などで衝撃を受けた時や、気温差が大きい環境などでは金属鏡筒のほうが割れに対して強いと思います。
薄くなる
同じ強度なら、金属の方が薄く出来ますね。金属のほうが強度が高い、ということではありません。薄いほうが軽いわけでもないんですけど、薄い、というのはメリットのひとつです。プラスチック鏡筒であっても、インナーに金属を使っているということはよくある話です。
剛性感が高くなる
金属製鏡筒を採用する一番の理由がこれではないでしょうか。実際の剛性がエンジニアリングプラスチックと同等であったとしても、金属が与えられる安心感はあります。
金属のひんやりした感触は特別感がありますし。
簡易防塵防滴
マウント部にシーリング加工を施していることと、前玉への防汚加工を採用しています。様々な条件下で使用されるレンズであることを考えると、安心して使える保護性能はありがたいですね。
とはいえ、ズーム時には鏡筒が伸びるタイプですので、過信は禁物です。
マウントは金属製です。さすがにこのクラスのレンズでプラスチックマウントということはないでしょう。
USB DOCK対応
USB DOCKに対応しました。
このレンズでできることは以下の通りです。
レンズのファームウェアアップデート | インターネットを介して、レンズのファームウェアを最新のものに更新することができます。 |
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ピント調整 | 焦点距離4領域×撮影距離4領域の計16領域をそれぞれ任意にピント調整することができます。 |
MF切り替えの設定 | AF作動中にフルタイムマニュアルの動作の変更やフォーカスリングを回してからMFに切り替わるまでのタイミングの調整を行えます。 |
開放値が大きいレンズなので、ピント調整で追い込めるのは大きいですね。ボディ内での調整だと、広角・望遠端の両端のみというケースも多いですから、併用すればかなりしっかり調整できますね。
発売日など
発売日:2017年7月7日
対応マウント:シグマSAマウント、ニコンFマウント、キヤノンEFマウント
希望小売価格:190,000円(税別)
実売価格は初値15-16万円前後のようです。
EF24-70F2.8L2が17-19万円、Nikkor24-70F2.8G VRが23-28万円程度が現状の実売価格なので、ニコン用とは結構差がありますね。
まとめ
機能・性能面では先代より様々な部分でブラッシュアップされています。手ぶれ補正も搭載されました。
その反面で、重量や価格のアップも大幅に行われています。
重量は同クラス最重量級となり、価格も多少安いとはいえ純正同等まで引き上げられていますから、今までのように安いから選ぶ、というような選択方法にはならなくなりましたね。このような流れは、ズームレンズで言えばSIGMA Art12-14mm F4やTAMRON15-30mm F2.8などにもいえます。
サードパーティ製のレンズは今や価格で選ぶものではなくなった、ということでしょうね。つまり純正以上の画質を均質的に叩き出していく自信がある、とも捉えられます。
このレンズはいわゆる『お仕事レンズ』などとしてもっとも使用頻度が高くなるレンズです。描写や開放値なども重要ですが、AFの精度・堅牢性・信頼性などが重要視されるケースも多いです。今回の立ち位置は、そういった純正レンズの信頼感に真っ向から挑むものになるのでしょう。
これは発売が楽しみになってきましたね。
ではまた。