みなさんこんにちは
絞り、またはF値と聞いてピンとくる人は読まなくていい内容です。
聞いたことあるけど、イマイチわかんないんだよなぁという人はぜひご一読を。
とりあえずこれ覚えとくと、いわゆる一眼レフらしい写りが楽しめる、かもしれません。
目次
絞りとは?
ざっくりとしたことをいうと、センサー(フィルムなどを含む)に届く光の量を調整するためのものです。センサーで受け止められる光の量の上限は決まっていて、それを越えないように減らすというのが本来の目的です。
原則として、絞りはレンズに内蔵してあります。カメラの撮影情報のFで示される値が絞りの大きさですね。現在は一部のレンズを除いて、絞り値の変更はカメラボディからダイヤルなどを通じて行います。
開放とか意味がわかんない
レンズに光を通すとき、最大で通すときは光の量を減らす必要がありませんので、『開放』します。このとき数値は設定できるもっとも小さな数字(2.8や3.5または5.6など)です。
光が素通しで通り抜けますので、写真は明るくなります。
反対に光が多すぎるときは、光の量を減らす必要がありますので、『絞り』ます。このときの数字は、開放よりも大きな数字(8や11または16など)です。
光の量を制限するため、写真の仕上がりは暗くなります。
ただし、最近のカメラは自動的に調整してくれるので、絞りの値を変更しても明るさに影響が出ないかもしれません。
この辺はのちのちまとめましょうね。
何のために絞りの数値を変えるかは、この後確認しましょう。
絞り値を変更して撮影するためには
カメラのモードを絞り優先AE(AvモードまたはAモード)かマニュアル(Mモード)に設定します。ここらの設定が不明なときは取り扱い説明書見てもらうのがいいかもですね。
不慣れなうちはAvモードでの撮影をおすすめします。
Avモードに設定した後は、メインダイヤル(基本的に右手の人差し指で操作できるダイヤル)を左右に動かすだけで、絞り値の変更をする変更をすることができます。
絞りが写真表現に与える影響は大きいので、このAvモードで撮影する人はかなり多いです。基本的に動きもの以外の撮影は絞り優先という人が多いのではないでしょうか?
絞りが写真に与える影響
前述した「何のために絞りの数値を変えるか」ですが、ざっくりと以下のような効果があるためです。
基本的に数字が小さいほど(開放すると)ボケる、と覚えておきましょう。ボケを活かした表現(ポートレートで被写体を浮かび上がらせるなど)なら開放での撮影です。
逆に全体にピントを合わせたい場合は絞ります。みんなで写る集合写真など、細部までしっかりと見せたい場合は絞り込みましょう。
なぜ絞るとピントが合うの?
難しいことを書くと難しくなってしまう(当たり前)ので、当たり障りない範囲で。
そこら辺の紙にペン先などで小さな穴を空け、その穴を通して遠くを見ると、普通に見たときにはっきり見えなかった部分が見えるようになります。使用済みのテレホンカードがあれば、その穴を通して見るようなものです。
視力が悪い人が遠くを見るときに目を細めるのも上と同じ働きですね。
このピントが合っている範囲のことを被写界深度といいます。この穴が大きければ穴を空けて見ている意味がなくなります(開放状態)ので被写界深度は少なくなりますよね。
そして、穴が小さいほど光は少なくなってしまうということです。
体感としてはこんな感じだと思ってください。
難しいことが知りたければよそのサイト様がよろしいかと。リクエストがあれば書きますけれども。
フルサイズとボケに関してはこちらに書いてます。
絞りを活用しよう
絞りの大きさと効果
憶えておきたい数字は3つです。
ひとつはもっとも小さい絞り(F1.8とか4とか)で、これは可能な限り背景をボかしたいとき。ポートレートで立体感のある撮影をしたいときです。
撮影する距離が人物の上半身~全身が写る程度の距離だと割合扱いやすいはずです。ピント面が薄いので、しっかり合っているかを確認しましょう。
次に中間絞りと呼ばれる辺り(F8やF11)です。
これは適度に背景をぼかしたり、シャープな描写を得るために使えます。ケーキとコーヒーのテーブルフォトを撮るとき、背景の雰囲気も伝えたいといった際ですね。また、記念写真を撮るときには全身が写る大きさにしておくと背景までしっかりピントが合うことが多いです。
ボケも大きくなく、適当に撮ると平凡な写真になりがちですから、イメージをしっかり持ちましょう。
最後にパンフォーカスなどと呼ばれる辺りです。F値は16より大きな数字(F16やF22など)を使います。
ピントが合う範囲が広く、商品撮影や広大な風景の写真など細部までしっかりと表現するときに向いています。
絞り込んでの撮影になるため、シャッター速度が遅くなりがちです。三脚を効果的に使うことも必要です。
これらは一例であって、実際には焦点距離や被写体、場の雰囲気などで変わってくることは実際に撮影しながら体感していただければいいのかなと。
記号的な覚え方であれば、ボケのF4・雰囲気のF8・かっちりしたF16みたいな感じでいいんじゃないでしょうか。
撮影距離とボケ
撮影距離とボケ量の違いですが、これは被写体までの距離が近くなると背景のボケは大きくなります。そして被写体と背景の距離が大きくなるほどボケも大きくなります。
つまり、ショートケーキを画面一杯に写したときは、背景になるコーヒーカップはボケやすく、お店の壁などはさらに大きくボケる、ということです。ボケがあまりにも大きく、イメージと違うようならさらに絞る必要があります。
反面、遠くの被写体では絞りを大きくしても相対的に背景との距離差が小さくなるためボケにくくなります。
以下の写真は、どちらも同じF2.8での撮影ですが左は画面いっぱいに捉えて撮影したもの。右は小さく写してトリミングで拡大したものです。同じレンズ・同じF値ですが、撮影結果(ボケ)には違いが出ましたね。
デジタルカメラであれば、撮影後の画像チェック機能を活かして、イメージ通りの撮影につなげていきたいですね。
絞りの副効果
絞るとボケが小さくなるのは先ほどまでに確認してきましたが、絞り込むと星が出る、というのはいかがでしょうか。
といっても本物ではありませんが。
工場夜景などでキラキラした写真を見たことがあると思います。
このキラキラ、実は絞りで作っているんですね。名称を光芒といいます。光の線ですね。
絞りの形状や枚数、絞り値で変わってきますが、原則として絞るとキラキラするです。これは回折とかいろんな要素の話しになってきますから割愛しますが、発動条件だけでも知っておくと役に立つ……かもしれません。
夜景撮影と絞りについてはこちら
まとめ
絞りって難しい印象がありますよね。
具体的にどういった意味があって、みたいな話は今回はしていません。それよりも初心者がどう使ったら撮影に役に立つのか?といった内容に立ってみました。
写真を知っていて、どう活かそうかという人には物足りない内容だったと思いますが、絞りってなに?という人にはすぐ使える内容だったのではないかと思います。僕の知っている範囲でわかることでしたら、いつでもお答えしますので、不明点があればぜひご質問ください。
絞りは写真が上達する基本ともいえる内容ですので、ここを取っ掛かりにしてご自身の写真がもっと良くなったらなと思います。
今回覚えていただきたいポイントは大きく3つ。これはタイトルにある通りです。
- 絞りの数字を小さくするとボケる。大きくするとくっきり写る。
- 近くにピントを合わせると背景はボケる。遠くの被写体ではさらに奥の背景はボケにくい。
- 絞り込んで夜景(光源)を撮ると、キラキラした光芒が出る。
とりあえずこの3つを頭に入れておけば、イメージに近い撮影ができるのではないかと思います。
思い通りの写真が撮れると楽しいですよ!
ではまた。