みなさんこんにちは
さて、デジタルカメラグランプリ2017が決まりましたねー。興味がない方でも、カメラグランプリのアイコンを見れば、へぇっと思うんじゃないでしょうか。賞の受賞はひとつの指針ですからね。
デジタル一眼の総合金賞はEOS 5D MarkⅣが受賞していましたが、受賞製品の中に聞きなれないメーカーが……。Laowaって何?どこ?
そう、そんな疑問を持ったあなたが見ていると思って、簡単にですがまとめてみました。
ご参考になればいいのですが。
内容間違ってるよー、とかあれば教えてくださいね(汗
目次
Laowaとは?
Anhui ChangGeng Optical Technology Company Limited(Venus Optics)が生産・販売するレンズのブランドです。中国のメーカーですね。
Venus Opticsが通称社名のようですが、ちょっと定かじゃないですね。
他のレンズ専業メーカーと違うのは、成り立ちがマクロレンズからスタートしたということ。2016年10月8日現在、4本のレンズがラインナップしていますが、マクロレンズがそのうちの2本と全くマクロが大好きなメーカーです。新型のレンズも近接撮影能力を謳っていますし、差別化というものもあるんでしょうが、マクロ好きだなーと感じます。
どんなレンズがある?
特徴的な広角・マクロ・中望遠
共通しているのは、マニュアルフォーカスのレンズということ。
あと、いずれのレンズも描写性能への評価は高いですね。
LAOWA 60mm f/2.8 2:1 Ultra-Macro Lens
デジタルカメラグランプリ2017の交換レンズ<サードパーティー/APS-C一眼用>金賞受賞レンズ。
ウルトラマクロの名を冠して、その名の通り単体で等倍を越える2:1の近接撮影能力を持ったマクロレンズ。
標準系のマクロレンズはワーキングディスタンスが短いため、生き物への近接撮影はあまり得意ではないと言われています。しかし、逆に考えると短い距離で撮影できるのでテーブルフォトなどでは扱いやすい焦点距離ということになります。また、APS-Cサイズカメラに装着すると、標準的な中望遠マクロとして使えるのもいい点ですね。
絞り羽根枚数も多く、ボケもきれいです。
注意すべき点としては、フルサイズでは無限遠撮影ができずマクロ専用となってしまうことです。アクセサリーをネット販売する人などだと使いやすそうですね。
対象マウント | キヤノンEF/ニコンF/ソニーA・E/ペンタックスK/その他アダプターでソニーE/マイクロフォーサーズ/フジXに対応 |
焦点距離(画角) | 60mm(25.3°) |
絞り(絞り羽根枚数) | F2.8-F22(14枚) |
対象フォーマット(APS-C) | マクロから無限遠まで可 |
対象フォーマット(フルサイズ) | マクロ撮影のみ可 |
構成レンズ | 7群9枚 |
最大撮影倍率 | 2倍 |
フォーカス方式 | MF専用 |
フィルター径 | 62mm |
サイズ | 95×70mm |
重量 | 503g |
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LAOWA 15mm f/4 Wide Angle 1:1 Macro Lens
デジタルカメラグランプリ2017の交換レンズ<サードパーティー/フルサイズ一眼用>金賞受賞レンズ。
こちらも珍しい超広角マクロです。
フルサイズに対応する15mmという焦点距離のマクロは、僕はちょっと他に知らないですね。こちらも等倍(1:1)を謳っています。
さらに珍しいことに、若干ながらシフト機能もついているんですよね。フルサイズ機ではそれを使うことができないのですが、超広角マクロと言うだけでこのスペックは魅力的です。
ワーキングディスタンスは等倍撮影時に0.47cmということのようなので、本当にレンズ直前まで被写体がやってくることになります。撮影時は十分注意が必要ですね。超広角撮影時には、マクロスライダーなどを併用したほうが扱いやすそうです。
対象マウント | キヤノンEF/ニコンF/ソニーA・E/ペンタックスK/その他アダプターでソニーE/マイクロフォーサーズ/フジXに対応 |
焦点距離(画角) | 15mm(フルサイズ110°/APS-C85°) |
絞り(絞り羽根枚数) | F4-F32(14枚) |
対象フォーマット | フルサイズ対応 |
シフト撮影(APS-Cのみ) | ±6mm |
構成レンズ | 9群12枚 |
最大撮影倍率 | 等倍 |
フォーカス方式 | MF専用 |
フィルター径 | 77mm |
サイズ | 83.8×64.7mm |
重量 | 410g |
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Laowa 105mm f/2 Smooth Trans Focus (STF) Lens
こちらは最大撮影倍率は0.16倍と控えめなものの、アポダイゼーションエレメントを組み込んだ造りとなっているのが特徴のレンズです。
ボケを重視した設計ということですから、ポートレート向けではあるのでしょうが、ボケの美しさを活かしてスナップも風景もイケるレンズとなっています。
f値とt値の二つの絞りを装備し、被写界深度のコントロールとボケのコントロールを行うことができます。下の方にT値について簡単に説明しましています。
対象マウント | キヤノンEF/ニコンAi/ソニーA・E/ペンタックスK/その他アダプターでソニーE/マイクロフォーサーズ/フジXに対応 |
焦点距離(画角) | 105mm(23°16”) |
F値(絞り羽根枚数) | F2-F22(8枚) |
T値(絞り羽根枚数) | T3.2(14枚) |
対象フォーマット | フルサイズ対応 |
構成レンズ | 8群11枚 |
最大撮影倍率 | 0.16倍 |
フォーカス方式 | MF専用 |
フィルター径 | 67mm |
サイズ | 98.9×76mm |
重量 | 745g |
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T値とは
ちなみに、T値について聞きなれない方もいらっしゃると思うので簡単に説明しときますね。
ざっくりとした説明をすると、F値はレンズそのものの明るさ(理論上の明るさ)を指します。レンズの明るさは、有効径(レンズの大きさ)と焦点距離によって求められます。理論上というのが問題で、レンズの透過率(光をどれくらい通すのか)というのを100%に見立てて計算します。実際はレンズの明るさが100%になることはありませんので、同じ焦点距離・開放F値のレンズであってもメーカーが違うと明るさが若干ですが変わることになります。同じ焦点距離のレンズを持っていない人でも、ズームレンズキットなどで比較できるかもしれないですね。
24-70 F4の70mmF5.6で撮影したときと、70-300F4.5-5.6の70mmF5.6は、同じシャッター速度・ISO感度でも撮影後の写真の明るさが微妙に違う可能性があります。
この差異を表したのがT値です。F値と透過率で計算し、実際の明るさを表したものになります。この場合、違うレンズであってもT値が同じであれば、同じ露出条件で同じ明るさに写ります。
映像系(シネマ用)レンズなどでは、映像の明るさを統一する必要があることなどからT値での表示が一般的です。写真はまぁ、一枚一枚を見ますし現像過程でもいじっちゃいますからね……。被写界深度を測るF値の方が向いていたのですよ。きっと。
アポダイゼーションとは
こちらももしかしたら聞いたことが無い方もいらっしゃるのではないでしょうか?
原理的には、中心が透明で周囲に向かってグラデーションをかけたレンズを配置することで、ボケの周囲をなだらかに落としていく、という方法です。外周に向かって色が濃くなっていくNDフィルターみたいなもんですね。
ボケのエッジというのが、いわゆる絞り羽根やレンズ外端を通った光の影響を受けることはなんとなく分かっていただけると思うんですが(説明なのに説明になっていない)、そこにアポダイゼーションエレメントを配置することでエッジになる部分を消滅させてしまおうという考え方です。ちょっと違うか?
富士フィルムのFujinon XF56mmF1.2 R APDがアポダイゼーションレンズを搭載していますね。ここに詳しく載っているので、色々知りたい方は方はこちらもどうぞ。
Laowa 12mm f/2.8 Zero-D
超広角レンズでしばしば話題になる、歪みを徹底的に補正したとアナウンスしているレンズです。現在は直接購入に時間がかかるようですが、キックスターターで資金調達した支持者への先行受け渡しを行っているためのようです。11月頃から発送を始めるようなので、今後、レビューも段々増えてきそうですね。ただし、現在国内未投入です。購入はメーカーサイト(下の方に記載しています)から、プレオーダーで購入する方法になりますね。
レンズ名のDはDistortion(歪み)の意味のようですね。超低分散レンズ3枚、非球面レンズ2枚を使用して補正をかけています。
実際、かなりよく補正してありサイト上では素晴らしい状態に見えます。逆光に弱いと指摘もあるようですが、これは超広角の性質からいっても使い方次第でしょう。
超広角のためフィルターの使用は通常のねじ込み式ではなく、フロントに100mm角フィルターアタッチメントを使用しての利用となるようです。角フィルターは逆光への弱さこそあれ、レンズ後端にゼラチンフィルターを切って付けるより手軽です。ここは好みもあるかと思いますが、フィルター使用に対応してきたのは高評価ですね。
対象マウント | キヤノンEF/ニコンAi/ソニーA・E/ペンタックスK/その他アダプターでソニーE/マイクロフォーサーズ/フジXに対応 |
焦点距離(画角) | 12mm(121.96°) |
絞り(絞り羽根枚数) | F2.8-F22(7枚) |
対象フォーマット | フルサイズ対応 |
構成レンズ | 10群16枚 |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
フォーカス方式 | MF専用 |
フィルター利用 | 別売りの専用フィルターホルダーにて対応 |
サイズ | 82.8×74.8mm |
重量 | 609g |
2017.2.11追記
国内でも正式に販売が開始されましたね。
買いか?
マニュアルフォーカスかつ単焦点レンズとなっていますので、最近のレンズにしてはどれも小さめです。気に入った描写のレンズを一本バッグに入れておいて、ここぞという時に使うと良さそうな感じ。
他に代替がない製品ばかりですので、必要だと思えれば間違いなく買いだと思います。超広角マクロあたりは商品撮影・モデル撮影などでも使い出がありそうです。STFもボケを活かした商品撮影やれそうですね。
気になったら、メーカーサイトに詳しく載っていますのでこちらもどうぞ。日本語ではないのでそこだけ注意かな。12mmは作例もたくさん載ってて見るだけでも楽しいので是非どうぞ。
また、デジタルカメラグランプリ2017の受賞一覧はこちらから。Androidタブレットでは開けましたが、iOSで開けるかはちょっとわかんないです。HTML5版のようなので問題ないと思いますが。見れなければPCからどうぞ。
まとめ
光学レンズは日本がやはり強いんですが、海外製も最近は増えていますよね。ZeissとかLeicaとか、旧来からのファンが多いレンズだけでなくこういったレンズが増えていくのは楽しいものです。日本製でこういうのができないのはやっぱりあれですかね。アップルは日本でなぜ生まれないのか的な話なんでしょうか?
パソコンの性能が非常に高くなっている現在、光学知識があれば挑戦することはできそうですよね。残念ながら僕には知識がないので何とも無責任な発言なんですけども、国内の新しいレンズメーカーとかもっと色々見てみたくなります。
資金はそれこそLaowaのようにキックスターターで調達する(もちろん、人がほしいと思うような製品を提案できればということですが)事もできますよね。夢が膨らむわぁ^^
ともあれ、こういったレンズも評価されつつある現在、MFが使いやすいカメラとかフォーカシングスクリーンが交換できるカメラがもっと増えるといいですよね。
ではまた。
2018.4.2 追記
その後登場した製品についても記載しました。
※アイキャッチ画像・各製品画像はメーカーホームページから引用
コメント
[…] 2013年に会社創立の後、じわじわと話題を呼び、国内でも今ではちらほらとLAOWAレンズの記事を見かけるようになりました。こちらやこちらなどで詳しく説明されています。 […]