みなさんこんにちは
写真、撮ってますか?
最近撮影する時間が本当に取れなくて色々とストレスが溜まっていますが、今回は以前に望遠ズームレンズを買い換えた経緯についてご報告します。悩んでいる方の参考になればいいかな、と思いまして。
目次
買い換える望遠レンズの選択肢
なぜ買い換えようと思ったのか
それまで使っていたTAMRONの70-300mm(通称A005とモデル名で呼ばれる)レンズは、悪くなかったのですが、三脚座が使用できないために三脚利用時の細かなブレが気になっていました。三脚座が使えないことはあらかじめわかっていたのですが、フィルムと違ってブレの影響を受けやすい事を改めて実感したような形です。
手持ち撮影ならISO感度を上げて早めのシャッタースピードを利用するところですが、三脚を使うということはそのシャッタースピードを遅くしたいということが中心になるわけで、徐々に買い換えをしたくなってきた、というのがその経緯です。
その他の不満点は以下の通り
- ピント合わせに迷うことがある
- ピント精度が不十分なことがある
- 緑系に色かぶりすることがある(光線の関係だと思うけど、それがいい時もある)
- ズーム回転方向が逆(慣れるけどね)
- フィルターリングが渋い(僕のだけかも)
望遠レンズの候補とは
私はフルサイズのデジタル一眼しか持っていないので、APS-C用は今回候補から外しています。かつ、高価な望遠ズームも買えないので対象外。ちょっと無理すれば買える価格の範囲で悩んでいました。
ちなみに、検討としては100-200mmもしくは300mmの範囲。400mm以上は使用頻度が現状と比較して(恐らく)とても低くなりそうなので不要。逆に広角側が100mm以上のレンズもつながりが悪くなるため候補対象外としました。
条件に合致するフルサイズ対応のキヤノン純正望遠ズームは以下の通り(希望小売価格順)
- EF70-300mm F4-5.6 IS USM (希望小売価格 税別68,000円)
- EF70-200mm F4L USM (希望小売価格 税別118,000円)
- EF70-200mm F4L IS USM (希望小売価格 税別158,000円)
- EF70-300mm F4-5.6L IS USM (希望小売価格 税別158,000円)
- EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM (希望小売価格 税別174,000円)
- EF70-200mm F2.8L USM (希望小売価格 税別204,000円)
- EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM (希望小売価格 税別300,000円)
- EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM (希望小売価格 税別330,000円)
また、対抗としたレンズはこれです(利用中)
- TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD[A005] (希望小売価格 税別60,000円)
なぜタムロンのレンズを所有していたのかというと、単純にその時に評判がいいレンズといえばModel A005だっただけです。安くて軽い、というのが大きかったのです。
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重さの条件
極端に重いレンズは、持ち運びに苦労することになるので、除外することにした。
というか、体力ないので重いレンズは持って行きたくない。持って行けてもせいぜい1kg程度にしたい。もちろん撮影によるけれど、一通りのレンズを持っていく事が多いので(広角ズーム・標準ズーム・望遠ズーム・マクロ)軽いほうがやはりありがたい。
1か所で撮影するスタイルの人なら問題ないけれど、割と歩いてばっかりなので。
そういう理由で、6番(EF70-200mm F2.8L USM)・7番(EF70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM)・8番(EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM)が消えた。
価格の条件
売価が20万円を超えるようなレンズは不要買えないので、いわゆる大三元の一角であるF2.8通しのレンズは却下。
販売価格は希望小売価格より下がることはわかっているのだけれど、線引として、ね。予算が自由に使えるわけではないので、安いに越したことはないのです。
というわけでプロ御用達、アマチュア垂涎のF2.8レンズは除外する。
除外しようとしたらさっきの段階で消えてた。
レンズ区分の条件
歩いて撮影することが多いので、IS(Image Stabilizer -手ぶれ補正装置-)は必ず欲しい。
疲れてくるとブレやすくなるし、三脚を出す頻度が少なければその分疲れにくくなる。
難点を言えばISは電池消費が激しくなりがちなので、予備バッテリーがないと不安になってくるくらいか。そもそも、外出先で電源が手に入りづらいデジタル一眼レフでは、予備バッテリーは持ち歩くべきものなので問題にならないと思う。
ここで2番(EF70-200mm F4L USM)が消えた。
描写の条件
買うならしっかりした描写のレンズが欲しい。そもそも望遠が欲しいだけなら今までのフィルム用望遠でいいじゃない。チープなレンズだけど70-300だし。
そう、描写が欲しいのです。色々制限はあっても、妥協妥協とはいかないのです。
ここはLレンズをチョイス。LなしのEF70-300mm F4-5.6 IS USMは、軽く・安く・IS付きでとても魅力的なんですが、どうせならLですよね!
また、DOレンズ(EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM)は2004年販売と設計が古いこともあるけど、DOレンズに由来するボケの描写がどうしても苦手なので除外することにしました。これも軽くてコンパクトなんですけどねぇ。
そういうわけで1番(EF70-300mm F4-5.6 IS USM)と5番(EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM)が落選。
残ったレンズはどれ?
というわけで、条件をつけてさくさく除外してきたのですが、残ったレンズは以下の2本。
- EF70-200mm F4L IS USM (希望小売価格 税別158,000円)
- EF70-300mm F4-5.6L IS USM (希望小売価格 税別158,000円)
タムロンA005も含めてスペック比較。
商品名 | SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD | EF70-200mm F4L IS USM | EF70-300mm F4-5.6L IS USM |
レンズ構成 | 12群17枚 | 15群20枚 | 14群19枚 |
絞り枚数 | 9枚 | 8枚 | 8枚 |
最短撮影距離 | 1.5m | 1.2m | 1.2m |
最大撮影倍率 | 0.25倍 | 0.21倍 | 0.21倍 |
フィルター径 | Φ62mm | Φ67mm | Φ67mm |
サイズ(最大径×長さ) | Φ81.5mm×142.7mm | Φ76mm×172mm | Φ89mm×143mm |
質量 | 765g | 760g | 1050g |
手ブレ補正効果 | 約4段分 | 約4段分 | 約4段分 |
発売年 | 2010年9月 | 2006年11月 | 2010年11月 |
希望小売価格(税抜) | 60,000円 | 158,000円 | 158,000円 |
実売価格(Amazon) | |||
三脚座 | ― | 別売 12,000円(税抜) | 別売 18,000円(税抜) |
※各メーカーホームページから抜粋
色々とネットをさまよってみると、この3本で悩む人がやっぱり多い様子。
その他の条件で比較する
サイズ感では70-200Lがいい感じ。スリムな鏡筒かつ、軽量。カメラバッグ内で場所を取らない上に今と取り回しがほとんど変わらない。ズーム時に全長が変わらないのもホコリ対策や三脚利用時に都合がいい。開放F値が変動しないのも使い勝手としては望ましい。いわゆる小三元の一角を担うにふさわしいオールマイティーさである。タムロンと比較してレンズ径も枚数も増えているのに同等の軽さ(むしろ僅かに軽い)のである。
難点を言えば望遠側が200mmまでしかない、ということであろうか。対応するためにはエクステンダー1.4×で換算280mmまで引き上げる(実行絞りF5.6)事で対応できる。ただし、エクステンダーは別売り。希望小売価格で税抜55,000円する。合わせると20万円を超えてしまう。質量は225gなので、セットで持ち歩くと985gとなる。ちょっと重いかな。
70-300Lだと、大きさも重さも増す代わりにエクステンダーは要らなくなる。300mm付近の撮影の際にそのまま撮影できる。というか、今と同じ。エクステンダー代も不要。開放F値も今と同じなので、正直価格差ほどのメリットが三脚座しかない。もちろん描写などは除いてだけれど。
フィルター径に関しては、どちらもタムロンよりは大きくなるのだけれど、元々77mmのNDとC-PLをステップアップリングで使用していたので、フードが使えないという制約も変わらない。問題ない、というかフィルター使う際にフード併用しようと思ったら加工前提なので使えれば良しとしよう。
手ぶれ補正に関してはどちらのレンズもMODE1・2を備えている。通常の手ぶれ補正に対応するMODE1と、流し撮りの際にカメラを振る方向の手ぶれ補正をキャンセルしてくれるMODE2となるが、タムロンA005はこのMODE2に相当する手ぶれ補正モードを備えていない。とはいえ、流し撮りをする機会が僕にはほとんどないのであってもなくても、みたいな気にはなる。キヤノンの手ぶれ補正はファインダー像の動きが緩やかな印象。対してタムロンの手ぶれ補正は「効いてるぜっ!」くらいの勢いでファインダーが止まります。どちらが使いやすいかというと、実際好みの問題でどちらも比較的よく止まってくれている。実効4段分は確実にありそう。
レンズフードの形状は、タムロンは花型、キヤノンは筒状となっていて、70-300も70-200もフードは黒い。白フードのほうが統一感はあるのでそうして欲しいような気もするけど、別段困りもしないので、気になるようならステッカーでも貼ればいいかって感じ。むしろステッカー貼るなら黒い方が目立ちやすいのではなかろうか。花型フードは遮光機能が高い反面、フード全長が長くなる(フード逆付けでの撮影は困難となる)し、レンズを下に向けて置く際に安定しない。筒状のフードはその逆。筒状のフードであっても、24-105mmのあたりのフードより当然ながら深いので、70mm付近のワイド端でも充分遮光してくれていると思う。フード内側の起毛処理はさすがキヤノン、高価なレンズにふさわしい感じ。ホコリがつきやすのが難点だけれど。
最大撮影倍率はタムロンが0.25倍、キヤノンはいすれも0.21倍でタムロンのほうが高い。最短撮影距離はタムロンのレンズは1.5mと遠いので、フォーカス方式などに起因する問題なのかもしれない。寄れるから大きく写る、というわけではない事に注意。ワーキングディスタンスがシビアな状況では、大きく写るよりもピントが合うことの方が重要になってくるので、どっちもどっちか。ただ、キヤノンのレンズは距離目盛りが「Macro」表示になって、どの程度の距離なのか判別しにくい。まぁ、このレンズに限った話ではないから目くじら立ててもしようがない。
ピント合わせはどちらも早いです。迷いにくいし、比較すれば70-200Lの方が気持ち早い気がするけど、動きモノの撮影は少ないのでこれだけ早ければ問題無いです。むしろ迷いにくい方が恩恵高い。風景の遠景や水などのピント合わせが面倒なところでも結構しっかり合わせてくれます。自分の目よりも良好な結果が得られるときが多いですし、おまかせで充分信頼できる。
結論
結論というか、押し切ったというか
結局、色々考えては見たものの鏡筒の太さと望遠側の長さ、開放絞り値が天秤にかかる状態。世間のみなさまと全く同じでございます。何のために今まで考察してきたのやら。このブログでこんなに長い文章初めてだっていうのに。
最終的には300mmまで使えるEF70-300mm F4-5.6L IS USMにしました。勝手が変わらず、信頼性が上がる事を優先した形です。エクステンダーの装着の手間を嫌ったとも金額が高くなるのを嫌ったとも言える結果ですが。
最後まで悩みに悩みました。注文するまでにこんなに悩んだ選択はレンズに関しては初めてです。使い始めてからは、選択に誤りがなかったと思えましたが、到着までの間もこれでよかったのかと考えることが多かったです。
200mmまでで充分な方は、迷うことなく70-200F4Lでいいと思います。APS-Cだと換算320mm程度になりますので、僕が5D2でなくて7Dを使っていたとしたら70-200を購入していたでしょう。明るいので、対応シーンが広い良レンズです。
お金と体力があるなら70-200F2.8LIS買った方がいいと思います。エクステンダーと一緒に持ち歩けば鬼に金棒です。レンズのみ約1.5kgは重すぎて僕は持ち歩きには御免被りたいので、お金があっても買わないような気がしますが。その重さなら70-300に100マクロ一緒に持って行きます。というか、持って行ってます。
いや、実際「えーいっ」という感じで決断したのですが、このレンズでよかったと心底思います。しばらく不満は出なさそうです。試してみたいとか、ちょっと欲しいなというレンズはあるのですが……。浮気じゃないです!
というわけで、今度機会があったらA005と70-300Lの比較でもしたいと思います。今のところ、両方持っている状態なので。
この記事が参考になれば幸いです。もっと他にこういうこと知りたいというのがあれば、できるだけお答えしたいと思いますので、コメント欄にコメントください。
ではまた。