大三元っていつから呼んでるの?(下)

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みなさんこんにちは

前回までに大三元の言葉の意味・それから用語が浸透してきた時代を見てきました。

じゃあ、そう呼ばれるレンズが揃ったのはいつ頃のことでしょうか?

以前の記事を確認するときはこちらから

大三元っていつから呼んでるの?(上)
みなさんこんにちは 大三元知ってます?持ってます?使ってます? 知ってます?はともかくとして、持ってます?や使ってます?...
大三元っていつから呼んでるの?(中)
みなさんこんにちは 前回、大三元・小三元の由来について確認してきました。かなり時間が経ってしまいましたが、続きを確認していきま...

今回はデータ(表)が多いので、全文長めです。

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大三元・小三元

ニコン

レンズの登場は前回までに確認しました。ではシリーズとして揃ったのはいつでしょうか。

  • AiAF zoom Nikkor 20-35mm F2.8D(IF) (1993年11月)
  • AiAF zoom Nikkor 35-70mm F2.8D (1992年9月)
  • AiAF zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8D (1992年9月)

意外と最近ですね。麻雀ブームからはずいぶん外れました。ついでにシリーズとして揃うF4ズームだとこうなるようです。

  • AF-S Nikkor 16-35mm F4G ED VR (2010年2月)
  • AF-S Nikkor 24-120mm F4G ED VR (2010年9月)
  • AF-S Nikkor 70-200mm F4G ED VR (2012年11月)

もっと新しい、というか現行レンズでようやく揃った……ということですか。つまりそれまでニコンユーザーにとっては小三元という揃え方がなかったんですね。

キヤノン

ではキヤノンだとどうでしょう。大三元・小三元という呼び方はキヤノンが多いということでしたよね。

  • New FD 24-35mm F3.5L (1979年12月)
  • New FD 35-70mm F4 (1979年6月)
  • New FD 80-200mm F4 (1979年6月)

ちょっと違いますが、小三元に近いものはNewFD時代に成立していますね。この時期だとちょうど麻雀ブームに乗っかりそうです。

FDマウントレンズには残念ながら、F2.8通しのズームはありませんでした。その後のEFレンズで確認してみましょう。

  • EF20-35mm F2.8L (1989年10月)
  • EF28-70mm F2.8L USM (1993年11月)
  • EF80-200mm F2.8L (1989年9月)

上記で確認すると大三元(F2.8)の成立は1993年ですから、ニコンと同一です。そんなに古い話ではないんですね。小三元(F4)ならどうでしょうか。

  • EF17-40mm F4L USM (2003年5月)
  • EF24-105mm F4L IS USM (2005年10月)
  • EF70-210mm F4 (1987年5月)
    • (EF70-200mm F4L USM (1999年9月))

こちらは2005年に24-105Lが登場したことで成立しています。大三元よりも10年以上遅いですが、2012年に成立したニコンに比べて約7年前ですね。確かにキヤノンのほうが言われていた(浸透した)というのも納得です。

けど麻雀ブームとは外れちゃうなぁ。

大三元・小三元って高くて重い

一般的にこれらのレンズは高価で重たいです。

それがいい、という人もいますけどね。高いんだぞー!って。確かにそこまで情熱をかけられるというのはすごいなーと感心します。

じゃあ実際、どれくらい違うんでしょうか?現行のフルサイズ対応レンズで比較してみましょう。

個別の価格は税別ですが、合計はイメージしやすいように税込(8%)で計算してます。

ニコン編

一般のズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 100,000円(税別) 385g
AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR 77,500円(税別) 465g
AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED 80,000円(税別) 745g
合計 278,100円(税込) 1,595g

いや高いだろこれ。

実売はもっと下がるとはいえ、ちょっとびっくりしました。リンク先はAmazonなので、最新の価格はそちらでどうぞ。約1.6kgの重量も重たいですね。重量の半分は望遠ズームです。

ちなみに、確認したときは実売価格が3本で195,000円(税込)くらいでした。純正たけー。

小三元ズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 160,000円(税別) 680g
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 160,000円(税別) 710g
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR 195,000円(税別) 850g
合計 556,200円(税込) 2,240g

小三元ですら価格は一般的なズームレンズのおよそ2倍。重量はおよそ1.4倍です。重い……。

ちなみに確認時実売は3本で390,000円(税込)くらいでした。

ホンダのスーパーカブ50が193,320円(税込)です。関係ないけど。

大三元ズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 280,000円(税別) 970g
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR 287,500円(税別) 1,070g
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR 332,500円(税別) 1,430g
合計 972,000円(税込) 3,470g

一般的なズームレンズと比較して重量で約2.2倍、価格で3.5倍です。

確認した時点での実売価格は3本で730,000円(税込)くらいでした。

余談ですが、ダイハツのミラバン(お仕事用)が740,571円(税込)です。ほんとに関係ないけどね。いや車買えるってすごい……。

キヤノン編

一般のズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
EF17-40mm F4L USM 120,000円(税別) 475g
EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM 70,000円(税別) 525g
EF70-300mm F4-5.6 IS II USM 72,000円(税別) 710g
合計 282,960円(税込) 1,710g

やっぱり高いですね。

実売価格は3本合計で190,000円(税込)程度でした。重量は約1.7kg。

キヤノンは広角レンズは高級路線のLレンズしか無く、もっとも価格がこなれているであろう17-40mmを当てはめています。

小三元ズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
EF16-35mm F4L IS USM 154,000円(税別) 615g
EF24-70mm F4L IS USM 149,000円(税別) 600g
EF70-200mm F4L IS USM 158,000円(税別) 760g
合計 497,880円(税込) 1,975g

価格はおよそ1.7倍です。一気に高くなりました……。

確認時点での実売価格は3本合計で350,000円(税込)程度です。ニコンよりちょい安ですが、これくらいになるとあんまり変わんないような気がします。

一般向けレンズとの重量差265gはUCCオリジナルの250ml缶(ロング缶)1本くらいの差ですね。これをどう見るかはアナタ次第……ということで。

大三元ズームレンズ
レンズ名 希望小売価格 重量
EF16-35mm F2.8L III USM 299,000円(税別) 790g
EF24-70mm F2.8L II USM 230,000円(税別) 805g
EF70-200mm F2.8L IS II USM 300,000円(税別) 1,490g
合計 895,320円(税込) 3,085g

一般的なズームレンズと比較して重量で約1.7倍、価格は3倍超です。高いー。

実売価格は3本合計で625,000円(税込)程度でした。10万円くらいニコンより安くなりますが、果たしてこのクラスを揃える人が価格を気にしますかね……?自慢できる、とかかな。

まとめ

大三元や小三元のレンズが揃った時期を考えると、麻雀ブームとはあんまり関係なさそうに見えますよね?

しかし例えば麻雀ブームの1975年に20-30歳くらい(ブームに乗っかるくらい)の人が、F2.8ズームが揃う1995年には40-50歳くらいになり、2005年には50-60歳になるということです。

その間に写真趣味を始めたという人もいますよね。

お勤めの人なんかは会社内のポジションも上がってきて、購入機材も高額なものを選べるようになってきます。つまり、自分の持ってる機材はいいものだよ、という意味で慣れ親しんだ麻雀用語に例える、ということはありそうですね。

仕事上の向き不向きで揃える職業カメラマンと異なり、機材揃えも趣味のひとつである写真の世界だと考えられそうではないですか?個人的にはその流れかなぁと感じたんですが……。

そうすると、いま大三元や小三元と呼んでいる人は60歳以降の会社員としては定年退職(もしくは目前)組が中心で、死語になりつつある……?いやいつまででも出来る趣味ですし、そんなことはないか。

麻雀で遊ぶ人たちは全年齢層にいますし。

今回はブームや発売年などから推測してみましたが、本当はどうなんでしょうね。実際にそその用語使ってるよーという方、色々教えていただけると嬉しいです。

今後、大三元や小三元みたいな言葉は新しく生まれてくるのでしょうか。

ではまた。

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