【機材レビュー】SIGMA 12-24mm f4.5-5.6 Ⅱ DG HSM

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みなさんこんにちは

機材レビュー4本目はSIGMAの超広角ズームレンズ、12-24mm f4.5-5.6 Ⅱ DG HSMです。

今でこそ複数の選択肢がある焦点距離ですが、昔は夢のレンズだったんですよね。純正では伝統的にニコンが超広角レンズに強かったような気がします。しかし高価で、キヤノンは選択肢そのものが少なかったと思います。

ここ数年はキヤノンの純正超広角ズームレンズも高性能化、そして充実してきました。周辺まで安心して使えるものが多くなってきましたね。

口が悪い言い方をすると、以前はキヤノンユーザーの場合写りさえすれば満足せざるを得ない状況がありました。特に16mmより広い画角だと、サードパーティ製のレンズしか選択肢がなかったんです。(単焦点だと14mmはありました。高かったですが)

ということでシグマの超広角ズームレンズです。

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SIGMA 12-24mm f4.5-5.6 Ⅱ DG HSM

最新の光学設計により高画質を実現した超広角ズームレンズ。蛍石と同等の性能を誇るFLDガラスとSLDガラスを採用し、超広角で問題となる色収差を極限まで補正、更なる高画質を実現。非球面レンズの採用により、高性能化とともにコンパクト化を達成しています。スーパーマルチレイヤーコートの採用により、フレア・ゴーストの発生を軽減。ズーム全域で優れた描写性能を発揮します。HSMの搭載によりAFスピードの高速化と静粛性を実現、フルタイムマニュアルも可能。周辺光量も豊富で開放からシャープでコントラストの高い描写を実現します。

引用:シグマ

関連記事でも書いていますが、以前は同じシグマの17-35f2.8-4を使っていました。端的に言って画質には問題があるレンズでしたが、前述した通り、当時はキヤノン純正も割とひどかったのです……。そこまで気にしなかったというのもありますけどね。

そのレンズが故障し、色々あってこのレンズを買い足すことにしました。

ネットなんかでも意外と評価が高かったのも後押ししてくれたので。

取り回し:★★★★☆

画角の割にはコンパクトにまとまっていますが、それでもそれなりの大きさです。特に前玉が張り出しているので、レンズキャップはかぶせ式になっています。

かぶせ式キャップ。フタと筒は分離する

このキャップ、茶筒の蓋みたいな形状なんですが、なぜか先端部と周囲部が分離します。コストの問題とかですかね?初めて使うときには筒ごと取り外すことをお忘れなく。ネット記事を見ていると、知らずにケラレが出るなんて書いてあるのも見ましたので。

Φ82mmのキャップなのでフィルターをねじ込めないことはないですが、その際は使える焦点距離としてほぼテレ端のみになってしまいます。素直に別のレンズ使った方がいいですね。

右上のフェルトがめくれているのはおわかりだろうか

脱落防止のためキャップ内にフェルトっぽいのが貼ってあるんてすが、これにフードが刺さってめくれてきます。まっすぐ差せば発生しない問題ですが、急ぎでレンズ交換してるときなんかはどうしてもね。

キヤノンフィッシュアイズームのキャップなんかは、良くできてるなーと感じますよね。今度ご紹介します。

交換部品を頼むほどではないものの、閉まりにくいときは少し心がささくれます(笑)

82mmのフィルターがねじ込めるが、テレ端以外ではケラれてしまう

フィルターがねじ込めないことはないと書きましたが、基本的にフィルター使用はできません。ねじ込み式フィルターのみならず、後部差し込み式フィルターもスリットがないため使用不可です。

NDフィルターやCCフィルターが使いたければ、他のレンズを選ぶか、工夫して使うしかないですね。

工作としては、後玉に直接貼り付ける(ミラー干渉や脱落に注意。自己責任で)か、前にかざす(光の加減では画質劣化は充分にありえる。また、大きなフィルターが必要)といった方法があります。

あくまでも自己責任で。

LC870-01

と、ここまで書いてシグマのホームページを確認したら、キャップ変わったみたいですね。上記写真が新型のようです。かぶせ式に変わりはありませんが、分離式は止めたのかな?せっかくだし買ってみようかなぁ。

一般にシグマのズームリングの方向はキヤノンと同じと言われますが、このレンズは逆ですね。なぜかはわかりません。

慣れます(僕は慣れました)ので、人によるかな。

コンパクトにまとまっているものの、前玉の大きさもあり、やはりそれなりの大きさです。とはいえ他の同焦点のズームレンズと比べると、明るさで無理してないのでかなり小型ですね。

表現性:★★★★☆

無理にF値を上げていないのが効いているのか、画質は比較的良好です。

歪曲収差は大きめですが、建築写真で使うなどでもなければ気にする方が精神的に辛いかな。広角端では樽型の収差があります。望遠端では糸巻き型ですね。

使用頻度としてはレンズの性質上、広角側が多くなると思いますので、被写体の周辺配置だけ注意しておけば問題ありません。また、画像編集ソフトでの修正も容易です。

周辺の流れはそこまで気になりませんが、四隅の描写は甘いです。あれだけ前玉が出てるので、ある程度は仕方ないのですが解像を上げるためにはF11辺りまで絞る必要があります。店舗内観などの撮影では注意が必要ですね。手ぶれ補正もついていませんし。

あと、このレンズを使う上で注意すべき点としては、広角域まで持っていけないことですね。12mmスタートの2倍ズームなので望遠端でも24mm。ズームレンズのつながりとしてはギリギリになりますので、撮影時のレンズ選択が悩ましいときもあります。あえて書くほどのことでもないかもしれませんけど。

このレンズに限らず、超広角レンズは工作精度がシビアになるのかもしれません。購入時、片ボケがわずかに発生していました。

保証内であったことと、販売店様の配慮で取替を提案されましたが、急がなかったのと調整済みでどれくらい改善したかを見たかったので、調整を依頼。その後の問題はありません。

色ノリは悪くないですが、比較的あっさりしてます。色味が気になるなら気持ちアンダーで仕上げるか、現像時にやや彩度を上げればいい程度です。コントラストが低い、というほどでもないですね。

逆光耐性はそれなり。画面ギリギリに光源がかかるとフレアが出やすいので、風景なら活かして乗り切るかちょいずらしましょう。店舗内観などだと、構成を変える必要が出るかもしれません。それも程度の問題ですけどね。画角上ハレ切りができないこともあるので。

その辺りの描写で投げ捨てたくなったことはありません。しかし、画質を見極める目は割と低い方だと自覚しています……。

機能性:★★★☆☆

スイッチはAF切り換えのみ

取り立てて書くことのほどはありません。

あえて挙げるとすれば、手ぶれ補正がついていないことくらいでしょうか。しかし必須ではないですし、手ぶれ補正ユニットによる画質劣化がないとすれば充分妥協範囲内かと。

駆動関係でいけば、HSM(超音波モーター)を搭載しています。全く無音というわけにはいきませんがそれなりに静かで、音が気になることは少ないです。ピント合わせも早いですが、やや迷う傾向があります。合わせ直すと、ギッギッと微調整したりします。

被写界深度が深いため、致し方ない部分もありますけどね。

コストパフォーマンス:★★★★★

実売価格を見れば、充分に納得できると思います。

対抗レンズに比べてかなり安いですよね。というか、競合するレンズが高価すぎる……。

画質と価格のバランスをどこに置くかで判断が変わるのですが、フルサイズ用の12mmスタートはこれとキヤノンEF11-24F4Lかシグマ12-24F4Artだけ(と思う)なので、比較対象とは暗いかわりにコンパクトで安い、と。

フィルターが使えなかったり、歪曲が大きかったりとありますが、それが許容できるならお買い得です。

後継(?)の12-24F4Artが出た今、いつまでこのレンズが生産されるかもわかりませんしね。生産終了のアナウンスがあったら、予備にもう一本買うかも。

大きさや重さなど、いい位置付けです。今後も継続販売して欲しいです。

おすすめ度:★★★★☆

フルサイズ一眼レフを使っていて、超広角が欲しいなら選択肢のひとつに入れてもらって後悔しないんじゃないかな、と思います。

APS-C一眼レフなら、この焦点距離は他にも選択肢があります(EF-S10-18とか)ので、無理してこれにするほどでもないかな。中央部の画質はシグマらしいカリッとした仕上がりなので、周辺を捨てて使えるという意味ではありかも。今の3ラインシリーズほどではありませんから、期待はほどほどに。

新型の塗装になってから、高級感も出てきましたね。個人的には以前の縮緬塗装も嫌いじゃなかったんですけど。テカらなければ。

今回のは爪などで白っぽくなるので、マメに清掃してあげましょう。

今だと画質的には純正11-24Lに軍配が上がりますし、シグマ内でも新型のレンズの方が評価は高いようです。それでも、このサイズに魅力があるなら僕はおすすめします。

競合する製品

総合評価(まとめ):★★★★☆

キヤノンのEF11-24F4Lが出たとき欲しいと思ったんですが、あまりの金額に画質を見る気にもならず。結局見ましたけどね。

シグマの12-24F4Artが出たときも欲しいと思ったんですが、大きさと重さに閉口し、早々に検討材料から除外。

複数のレンズを持ち歩いて、どうかすると一日中ウロウロしていますので、重量にはある程度敏感になってます。疲れてるとレンズ交換する気にもならないですし。

その意味でこのレンズは大きさと画質のバランスがいいのかなと。フィルターをかけたいとき用に16-35F4Lを一緒に持ち出すこともあります。

新型への検討が進まなくて済んでいるのも、このレンズがそれなりの画質を出してくれているからだと思うんですよね。お金の問題もかなり大きいですが。

僕は割とこの画角を使いますが、それでもあんまり高価なのはね……。大きくて重いし。

フルサイズで見たことのない世界を見たければ、手を出してもいいレンズじゃないでしょうか。そこまで使用頻度は高くないと思いますが。

でも買っちゃえば長く使えますよ!

ではまた。

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コメント

  1. JUBILEE より:

    はじめまして、レビューを作成して下さったお陰様で
    本レンズ、SIGMA12-24F4.5-5.6を新しい方のレンズキャップ付きのを中古ですが、
    購入出来ました。
    新旧キャップがありましたがお陰様で迷わず新しいキャップの方を買えました。
    NikonのD750(フルサイズ)で撮影してますが
    今まで使っていたTokina16-28mmとはさらに上を行く楽しいレンズです。
    有り難うございました!

    • 管理人 より:

      JUBILEE 様
      コメントありがとうございます!
      レンズ単体だとちょっとしたマイナーチェンジは見極めにくいですよね……お役に立てて何よりです。
      超広角は水平垂直が難しいですが、うまく使いこなせると上手になっていく自信がついてくるので、僕も大好きなレンズです。
      どんな写真撮られてるんでしょうか?
      こちらこそありがとうございます。またよろしくお願います!